くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「彼女の選択」狩生聖子+尾崎由美

2009-09-01 05:47:56 | 社会科学・教育
好きなジャンルなのです、367(女性問題)。中でも、女性たちがどのように生きてきたかを語るタイプの本は結構読みました。OL委員会の「史上最低元カレコンテスト」とか、「だめんずうぉーかー」とかですね。
狩生聖子+尾崎由美「彼女の選択」(芸文社)も、そんな感じの本です。これまでどんな人と付き合ったのか、今、結婚しているのか、どんな状態か。恋愛に関してどう考えているのか。
でもなぜだろう、この本、「どこかで見たような……」感が強いのです。
うーん、語り口かな。どうしても「告白形式」だと紋切り型になってしまうような気がします。しかも、掲載誌は「週刊朝日」。週刊誌連載って、こういう文体が多いような気がする。
例えば友達としゃべっていて、打ち明け話をするときはこういうふうにはならないと思うのです。で、聞いている方でも、自然と相手に合わせてしまう。
それを誰かに語るときは、自分というファクターを通すわけです。
これ、倉田真由美ならまた違うんじゃないかな、と思う部分が結構ありました。
読んでいて、もっとこの部分をクローズアップしてほしいなーとか、この考え方はわたしとはあわないなとか思うのですが、不思議なことに印象に残らない。みんな同じに見えるのです。あれ? 前の人はなんだっけ、離婚だっけふたまただっけ、振られたんだっけ? ごちゃごちゃしてはいません。むしろ、修羅場のはずなのに、あっけらかんとしている。
読み終わっていちばん感じたのは、女ってずるいなーということ。結婚して子供がいてもまだ理想の人が現れるかもなんて考えている人がいると聞くと、溜息が出ませんか。
女同士のおしゃべりだったら、もっと個人を感じさせてもいいような気がします。名前は出ていても、「これはわたしの友達の○○さんのことを仮名にしたのでは」と思われるような。
それにしても、「選択」というのはどうかなーと思うようなものもあった気がします。
なりゆきではないのかと思うようなのが。
いずれにせよ、男性の目を意識した語りになってしまった感じがしますね。