くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「拝啓 十五の君へ」NHK全国学校音楽コンクール制作班・編

2009-05-12 05:25:21 | 芸術・芸能・スポーツ
何となくテレビは見たのです。でもそんなにくぎづけになったわけではなく、ついていたのでちょこちょこという感じで。
この本を手に取ったのも、図書委員会で「部活特集」の本棚を企画しようと思って、じゃあ文科系の作品も必要だよね、くらいの気持ちだったのですよ。
でもね。
本て、すごい。テレビでは聞き流してしまった言葉が、ストレートに胸に入ってくるの。あ、分かる。こういうことを中学生って悩むよね。そこに大人として手を差し延べている「思い」が、いいのです。
「拝啓 十五の君へ」(NHK全国学校音楽コンクール制作班・編 ポプラ社)、課題曲として作曲されたアンジェラ・アキの歌が、中学生にどう受け止められたのか。そして彼女が伝えたいことは何なのか。 
読んでいる間、曲がずっと頭の中を流れていました。そして、今悩んでいることを手紙に書くことで、時がたてば「小さいこと」だったことが分かる。そして、今悩んでいることも未来の自分の目からみれば同じように「小さいこと」なのだろうということに気づくことができる。中学生という悩み多き時代に、そのことを知ってもらいたい、そして、自分の悩みと向き合ってほしい。
この時期ってどうしても「なんで自分だけ……」と考えてしまう人が多いと思うのです。その悩みを憧れの歌手が共感してくれて、自分たちのために歌ってくれるんだよ! 感激しますよね。
中心になる中学が四校出てきますが、そのうち一校は仙台市立八木山中学校。二人しかいない合唱部員が三部のパートを分けて歌うという取り組みを描いていました。
この歌に勇気づけられた人たちからの手紙も、様々な年齢層から寄せられていました。
一つの歌を巡って、彼らがたどりついたそれぞれの「答え」に勇気づけられます。