ウルシによってかぶれた経験はまだありませんが、噂によると相当酷いことになるようで、ハイカーや、森で働く作業員など、毎年多くの人を悩ませています。
米Marine Biological LaboratoryのJacqueline Mohanらのチームは、今後半世紀に予測される大気中CO2濃度の増加がツタウルシ(Toxicodendoron属)の生育を劇的に早め、世界中の森が危険地帯になるかもしれないと警告しています。
彼女らは、ノースカロライナ州のある松林のCO2濃度を6年もの間現在の濃度よりも200ppmほど人為的に高めました(今後五十年間に予想される上昇幅)。その結果、その区域の樹木類の生育速度は31%上昇したのに対し、ツタウルシの生育速度は通常の2倍になったそうです。
恐らく、樹木類ではCO2から得た炭素を幹などの木質の成長に使うのに対し、ツタ類では葉の成長に使うことが、この成長速度の差を生み出していると考えられます。植物はCO2を葉から吸収するため、より葉を多く付けたツタはその分より多くのCO2を取り込めるという正のサイクルを生み出すことが出来るからです。
さらにCO2の上昇はツタウルシの量だけでなく、毒性の質にも影響しうることも明らかになりました。ウルシアレルギーの原因物質はウルシオール(urushiol)と呼ばれる脂溶性の物質ですが、そのアルキル鎖の飽和度によって毒性が異なり、不飽和であるほど毒性が高いらしいです。高CO2濃度で生育したツタウルシでは何故か、この毒性の高い不飽和型のウルシオールの割合が高くなるそうです。
参考:
Greenhouse gas breeds venomous vines(Newa@Nature)
Urushiol(Wikipedia)
米Marine Biological LaboratoryのJacqueline Mohanらのチームは、今後半世紀に予測される大気中CO2濃度の増加がツタウルシ(Toxicodendoron属)の生育を劇的に早め、世界中の森が危険地帯になるかもしれないと警告しています。
彼女らは、ノースカロライナ州のある松林のCO2濃度を6年もの間現在の濃度よりも200ppmほど人為的に高めました(今後五十年間に予想される上昇幅)。その結果、その区域の樹木類の生育速度は31%上昇したのに対し、ツタウルシの生育速度は通常の2倍になったそうです。
恐らく、樹木類ではCO2から得た炭素を幹などの木質の成長に使うのに対し、ツタ類では葉の成長に使うことが、この成長速度の差を生み出していると考えられます。植物はCO2を葉から吸収するため、より葉を多く付けたツタはその分より多くのCO2を取り込めるという正のサイクルを生み出すことが出来るからです。
さらにCO2の上昇はツタウルシの量だけでなく、毒性の質にも影響しうることも明らかになりました。ウルシアレルギーの原因物質はウルシオール(urushiol)と呼ばれる脂溶性の物質ですが、そのアルキル鎖の飽和度によって毒性が異なり、不飽和であるほど毒性が高いらしいです。高CO2濃度で生育したツタウルシでは何故か、この毒性の高い不飽和型のウルシオールの割合が高くなるそうです。
参考:
Greenhouse gas breeds venomous vines(Newa@Nature)
Urushiol(Wikipedia)