さいえんす徒然草

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ジュラ紀の不幸な事故

2012-03-11 22:20:37 | 生態学・環境

from: Frey E, Tischlinger H (2012) PLoS ONE 7(3): e31945. doi:10.1371/journal.pone.0031945


 一見すると巨大な魚(Aspidorhynchus)に為す術無く捕食されている翼竜(Rhamphorhynchus)の化石。Rhamphorhynchusの体内からは、まだ未消化の小魚の化石が見つかっている。恐らくこの翼竜は水面で食事をしている最中に逆にAspidorhynchusの目に止まり捕まってしまったのだろう。

 しかし、このAspidorhynchusの捕食行動は彼か彼女にとっても不幸な帰結となった。この化石を分析した古生物学者によると、Aspidorhynchusの顎は翼竜のような大きな獲物を飲み込むには適していないらしい。この研究者によると、この化石が示している状況は一方的な捕食などというものではなく、Aspidorhynchusの歯にAspidorhynchusが挟まり取れなくなてしまった状態であるという。絡み合ったこの2つの魚と翼竜はもがき合いながら水中へと沈んでいき、結局両者ともに死んでしまったのだ。

 この化石が見つかったのは南ドイツのゾルンホーフェンという場所だが、この場所からはこの二種が近接した状態で保存された化石があと4つほど見つかっているらしい。上記のようなアクシデントは、比較的頻繁にジュラ紀の海で起きていたのではないかと考えられられるという。

Frey E, Tischlinger H (2012) The Late Jurassic Pterosaur Rhamphorhynchus, a Frequent Victim of the Ganoid Fish Aspidorhynchus? PLoS ONE 7(3): e31945. doi:10.1371/journal.pone.0031945

Jurassic fail: fish accidentally snags pterosaur, and both die (Not Exactly Rocket Science)

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