士師記 4:1-3
「エホデが死んだ後、イスラエルの人々がまた主の前に悪をおこなったので、 主は、ハゾルで世を治めていたカナンの王ヤビンの手に彼らを売りわたされた。ヤビンの軍勢の長はハロセテ・ゴイムに住んでいたシセラであった。 彼は鉄の戦車九百両をもち、二十年の間イスラエルの人々を激しくしえたげたので、イスラエルの人々は主に向かって呼ばわった。」
左利きの士師エホデが死ぬと、イスラエルは再び主を捨てて悪を行うようになったため、主は土着の民カナンの国をもって20年間もイスラエルを懲らしめられました。まだ青銅器時代の当時、カナンの国は製鉄技術を確立し、900両もの鉄の戦車を持っていたことから、圧倒的な軍事力でイスラエルを制圧したものと思われます。
主の懲らしめを受けると、イスラエルは再び主に呼ばわります。喉元過ぎれば熱さを忘れ、溺れる者は藁をも掴むのが、罪深く愚かな人間の本質です。私たちは過去の教訓から学び、同じ過ちを二度と犯さないようにする賢い人生の選択を行う者でありたいと願います。
http://bible.com/81/jdg.4.1-3.ja1955
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士師記 4:4-5
「そのころラピドテの妻、女預言者デボラがイスラエルをさばいていた。 彼女はエフライムの山地のラマとベテルの間にあるデボラのしゅろの木の下に座し、イスラエルの人々は彼女のもとに上ってきて、さばきをうけた。」
イスラエルの人口調査のときに戦いに出ることのできる成人男性だけが数えられたように、聖書の時代は女性は人数に数えられない存在でした。しかし神様はそのような時代背景を持つ当時から女性たちを尊く用いられ、女預言者デボラをイスラエルをさばく士師とされたことは、特筆に値します。神様は決して人を偏見や差別の目で見ることなく、主のためにお役に立ちたいと願う志を持つ者を選んで尊く用いられます。私たちもまた神様のために自分に何ができるかを常に念頭に置き、主のために用いられる者でありたいと願います。
http://bible.com/81/jdg.4.4-5.ja1955
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士師記 4:8-9
『バラクは彼女に言った、「あなたがもし一緒に行ってくだされば、わたしは行きます。しかし、一緒に行ってくださらないならば、行きません」。 デボラは言った、「必ずあなたと一緒に行きます。しかしあなたは今行く道では誉を得ないでしょう。主はシセラを女の手にわたされるからです」。デボラは立ってバラクと一緒にケデシに行った。』
ナフタリ族のバラクは、女預言者デボラからイスラエルのために戦うべく使命を受けて、デボラが共に行かないならば戦いに出ることはできませんと答えました。なぜなら圧倒的な軍事力を誇るカナンの国の前に、イスラエルは神様に頼る以外に勝算はなかったからです。
私たちは自分の力では何をすることもできません。しかし神様が共にいてくださるならば、私たちは主の御力により必ず勝利することができます。万軍の主が共にいてくださる恵みに感謝し、日々主に寄り頼む勝利の人生を歩む私たちでありますように。
http://bible.com/81/jdg.4.8-9.ja1955
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士師記 4:12-15
『アビノアムの子バラクがタボル山に上ったと、人々がシセラに告げたので、 シセラは自分の戦車の全部すなわち鉄の戦車九百両と、自分と共におるすべての民をハロセテ・ゴイムからキション川に呼び集めた。 デボラはバラクに言った、「さあ、立ちあがりなさい。きょうは主がシセラをあなたの手にわたされる日です。主はあなたに先立って出られるではありませんか」。そこでバラクは一万人を従えてタボル山から下った。 主はつるぎをもってシセラとすべての戦車および軍勢をことごとくバラクの前に撃ち敗られたので、シセラは戦車から飛びおり、徒歩で逃げ去った。』
女預言者デボラがバラクに告げた、主があなたに先立って戦い、敵を手に渡すとの言葉に勇気を得たバラクは、鉄の戦車をも恐れることなく勇敢に戦い、ついに勝利を得ました。鉄の戦車があれば負けることはないと思っていた敵の将軍シセラは、頼みとしていた鉄の戦車から飛び降りて逃亡する羽目に陥りました。
目の前にどんな敵がいようと、どれほど不利な状況に立たされても、神様が共にいてくださるならば、私たちは必ず勝利することができますから、何者をも恐れることなく、ただ主に信頼して勇敢に行動する者でありたいと願います。
http://bible.com/81/jdg.4.12-15.ja1955
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士師記 4:16-17, 21
「バラクは戦車と軍勢とを追撃してハロセテ・ゴイムまで行った。シセラの軍勢はことごとくつるぎにたおれて、残ったものはひとりもなかった。 しかしシセラは徒歩で逃げ去って、ケニびとヘベルの妻ヤエルの天幕に行った。ハゾルの王ヤビンとケニびとヘベルの家とは互にむつまじかったからである。
…
しかし彼が疲れて熟睡したとき、ヘベルの妻ヤエルは天幕のくぎを取り、手に槌を携えて彼に忍び寄り、こめかみにくぎを打ち込んで地に刺し通したので、彼は息絶えて死んだ。」
主が女預言者デボラを通して告げられた通り、圧倒的な軍事力を頼みとしたカナンの軍勢は主の剣に打ち倒され、たった一人で逃亡した将軍シセラは、家族ぐるみの付き合いのあったケニ人ヘベルの妻の手にかかり、あっけない最期を遂げました。
主の前に遜ることなく、自らの能力や技術力に頼る者は、むしろその力が仇となり、力のない者に滅ぼされます。自らの力に驕り高ぶることなく、むしろ弱さを誇り主の御前に謙遜となり、小さな者を用いられる主に寄り頼む私たちでありますように。
http://bible.com/81/jdg.4.16-17,21.ja1955