京の話題

12000年以上続いた「平安京」の文化・寺社仏閣・お祭り等を紹介します。

大乗仏教の象徴・仏像の事、如来・菩薩・天部・明王の順位-3

2013-02-07 00:10:03 | うんちく・小ネタ

前記に「上座部仏教」と「大乗仏教」の違いを簡単に記載しました。http://blog.goo.ne.jp/itodoya/d/20130118

「上座部仏教」は「釈迦像」だけを本尊としています。「釈迦」の没後300年ほどたった紀元前2世紀初期ころに新たにつくられた「大乗仏教」は、万人を救済する「菩薩信仰」を重んじるものでした。「大乗仏教」の信者は様々な仏や「観世音菩薩」をはじめとする「諸菩薩像」を拝み、救済をねがいました。

中国から6世紀の初期(定説では538年)に日本に「大乗仏教」が伝来し、広く日本国中に広まり、様々な宗派や多種多様な仏像が造られました。大きく分けると、「仏像」は4種類に分けられます。(如来・菩薩・天部・明王)

誓願寺「阿弥陀如来」

Dsc00734_2

大きな仏像です。

Dsc00864

浄瑠璃寺「阿弥陀如来九体仏」(国宝・このお寺は国宝満載です)

Photo

西福寺「阿弥陀如来立像」

Dsc09819

このお寺など、奈良県近くにはいい、国宝のお寺が有ります。、公共交通機関では一寺まわるのがせい一杯です。

黄檗山万福寺「釈迦如来像」私の一押しの「禅寺」のお寺です。一般的には左右に「日光菩薩」と「月光菩薩」が安置されます。

Dsc03708

仏国寺「釈迦如来像」

Dsc05427

「釈尊」(お釈迦様)および「釈尊」と同様に真理に到達している様々な「仏陀」をかたどったものが「如来像」です。(釈迦如来像・薬師如来像・大日如来像・宝正如来・無量寿如来など)

「法華経如来」は主に「日蓮宗」の崇拝物、「南無妙件法蓮華経」のお教の「華教」の文字を中心に「阿弥陀如来」「多宝如来」を墨書したものが多いです。

一般的に「如来像」は本来「釈尊」からきたもので、すでに悟りを全うしている為に、美しい飾りなどが無いのが特徴です。

つぎに、修業中で、もうすでに「仏陀」になれる者が「菩薩像」として祀られています。

西明寺「千手観音菩薩」

Dsc06141

性法寺「聖観世音菩薩」

Dsc01836

宗堅寺「如意輪観音菩薩像」

Dsc07042

奈良時代に民間に布教して社会事業を行った「行基菩薩」のような歴史上に実際存在した「高僧」も「菩薩像」として祀られています。(観世音菩薩・普賢菩薩・地蔵菩薩・弥勒菩薩・文殊菩薩・馬頭観音・般若観音・日光菩薩・月光菩薩など)

つぎに、下に「天」の付く仏像が「天部」として祀られています。これは主に「仏像」がつくりはじめられたころ、インドの民間で祀られた神々からなります。

六波羅蜜寺「銭洗い弁天」

Dsc09843

仏国寺「毘沙門天」(黄檗宗)

Dsc05430

黄檗山万福寺「韋駄天」

Dsc03668

松ヶ大黒「大黒天」

Dsc08970

また私が感動した「足利義満」ゆかりの「鹿王院」の「四天王」です。「四天王」も「帝釈天」に仕え「天部」の仲間に入るという事です。お奨めのお寺です。シーズンオフに参拝を。是非参拝を。

Dsc01196

Dsc01198_2

Dsc01199_2

Dsc01200_2

近くに拝見出来、撮影もOK。感動でした。インド独自の「天部」も有りますが、日本に来てから生まれた「天部」も多く有ります。(帝釈天・弁財天・毘沙門天など)

そして、「密教時代」の「明王」です。これは教化しにくい民衆を脅かしたり悟りをひらかせるようにする恐ろしい「仏」とされています。「明王像」自身も、悟りに悩み自身の「お顔」も苦悩に満ちた様子が良く分かります。

善峰寺「不動明王」

Dsc01356_2

古知谷阿弥陀寺「不動明王」

Dsc06934

明王には(「不動明王・孔雀明王・愛染明王・軍茶利明王・大威嚇明王・金剛夜叉明王)などが有りますが、特に「不動明王」は多くのお寺に見る事が出来ます。

「如来」「菩薩」の次に「天部」と「明王」の順番を、逆にされる方もおられますが、別にどちらでもかまいません、要するに日本で一気に広まった「大乗仏教」の仏様の象徴が多種多様にあると言う事です。全くのうんちくですみません。

(たわごと)

昨日、十二代目「市川團十郎」氏の密葬が行われました。「諡号」は「瑞垣珠照彦命」と、どのメヂィアでも報じています。私の記事でよくこの「諡号」(しごう)が出てきます。

皆さんよく御存じの「弘法大師」や「伝教大師」もこの「諡号」にあたります。生前は「空海」「最澄」で絶対に「弘法大師」「伝教大師」などの呼び方はしませんでした。没してから生前の行いを尊び死後に贈られる称号です。「諡号」とは「おくりな}です。ですから歴史の事を書く時は、生前の行いの時は「空海」「最澄」と記載するのが正しいです。

「比叡山延暦寺」の開祖「最澄」の「諡号」は没してから三年後に、この「諡号」が贈られました。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿