哲学の謎講談社このアイテムの詳細を見る |
今回は、野矢茂樹『哲学の謎』を紹介します。本書は、対話形式で当たり前のことであったり、普通のことに関して問うています。哲学書でありながら、平易な言葉で書かれています。哲学について興味がある人がはじめに読む本としてふさわしいと思いました。
他人と自分は何が違うんだろうか?同じ生物的特性として人間ということは同じなんだろう。しかし、生まれてきてから親の教育など生まれ育った環境によってだんだんAさんとBさんとではぜんぜん違っていく。コーヒーという一般的な言葉から連想することは、カフェオレという人もいればブラックコーヒーという人もいる。それって、自分と他人の意識の違いだったりする。つまり、自分の世界と他人の世界が違っているということである。その中でも、他人のことが分かり合えるということは、一般化という意味での教育(日本語教育)がなされているからである。言葉すらわからないというのは、人と人とのコミュニケーションがとれないということである。最近日本人の間でも若者と老人の間で、うまくコミュニケーションが取れないのは、共通の言葉でコミュニケーションがとれていないのではないだろうか。
本書は、今まで当たり前のことであったことについて考えるきっかけを与えてくれた。哲学というのは、普遍的なものについて考えた上で、意味を与えるものだと思う。哲学は、確かに難しい。また、わけがわからないものだと思う。それでも、本書をきっかけにして、少しでも哲学に興味をもてたらいいなあと思う。