青色LED裁判において和解したというニュースが出たのを受けて、久しぶりに中村修二「怒りのブレイクスルー」という本を読んでみた。ちなみに、私は単行本のほうを読みました。本の構成は、4章構成で成り立っている。
1章:もの作り時代ー青色LEDの応用例・可能性、小さいころから大学・大学院を経て日亜化学にいくまでの様子、会社に入ってYesマンのように開発する10年
2章:青色へー自分で手を上げた青色LEDの開発(孤独と集中)
3章:疑問と決断ー業績に伴って中村氏の視野がどんどん広がると共に日本社会について疑問が生まれる、ヘッドハンティングされUCSBの教授になる
4章:アメリカンドリームー日本社会と教育の問題点を指摘
この本を読んでみて、中村氏は、ただ好きなことをやった結果青色LEDを開発したんじゃないかと思う。成功の要因として、粘り強さだあったり、経験と勘だったり、考え抜くことだったりする。これらのことが、本に書いてあった成功のキーワードである「孤独と集中」につながっているんだろうと思う。
日本の教育制度の問題点は、中村氏は「大学入試制度そのものが問題だ」と言っている。それは、「人間の個性と可能性を窒息させているシステムだ」ということだ。それを解決するには、「大学入試自体を廃止するべきだ」と言うことだ。つまり、「自分の行きたい大学を自分で決める」ことだ。要は、自分で責任を持って自分の大学だったり、専攻を決めるべきだ。また、「100人の秀才を育てることも大事だが、一人の天才を生む教育が必要だ」とも言っている。
最後に、青色LED裁判に関しては、発明対価の6億円は青色LEDの今後の可能性を見ると、ちょっと少ないかなと思います。もう少し、技術者に金を出してもいいのではと思いました。
現在、カルフォルニア大学サンタバーバラ校の教授をしている。
非上場の同族会社の研究員から、アメリカの大学教授へと招聘され、ますます意気軒昂。
週2回の授業の準備・レポートの採点・研究・資金集め、などの仕事に燃えている。
アメリカには本当の自由と平等がある、と言う。
いろいろ思いましたが、
アメリカが、世界一の富と力を維持しているのはやはり理由がある。
一流の仕事に対して、一流の条件を用意している。
一流の条件を用意できなかった、日本側の会社や大学が、ヘッドハンティングされるのはしかたない。
アメリカは度量が広い、と思った。
まだまだ日本は嫉妬心が強い。
だから、気宇壮大な人物は、狭い日本から逃げていく。
日本が本当に豊かで、自由で、平等な国になるためには、もっともっと度量を大きくする必要があると思った。
他にも考えましたが、とりあえずこのくらいに。
先願主義=ヨーロッパと先発明仕儀=アメリカの
根強い対立が中村博士の出現により、より激しく
なるのではないか?と思います。
国家としてのモチベーションの維持・発展を賭けて
ますます水面下での攻防も激しくなるでしょうね・・
日本は外交音痴だから大局的な視野で将来を見据た
教育も構築できないし、少なくとも成功したい人が
まずアメリカを目指すという現実は変わらないと
思います。この時点ですでに日本は周回遅れ・・・
私は、成功したいと思うのであれば、国や他人に頼らずに自分自身を高めるしかないですね。まあ、アメリカを目指すと言うのはいい意味でも悪い意味(日本にフィードバックされないこと)でもいいんじゃないかと思います。
それでは失礼します。