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安倍首相や中曽根元首相は、憲法改正を「趣味」にするな!

2007年01月21日 18時05分13秒 | 政治
◆安倍政権の支持率低下が、さらに進んでいる。46%を割り、30%台に突入するのは、もはや時間の問題である。
 安倍首相の著書「美しい国へ」(文藝春秋刊)を改めて読み返して、重大なにことに気づいた。私の見落としでなければ、「はじめ」にも「おわり」にも、ましてや本文にも、「美しい国」の明確な定義はおろか、「美しい国」の四文字すら出てこないのである。(私の見落としであるなら、是非ご指摘いただきたい)
 こんないい加減なタイトルをつけたのは、一体、だれだ。安倍首相本人の発案か。それでいて、安倍首相は、演説のたびに「美しい国づくり」を声高にPRしている。
 最もおかしいと感じるのは、ムキになって「日本国憲法の改正」に世論誘導しようとしていることである。その理由は、自民党結党以来の「党是」であるからであるという。初代幹事長が安倍首相の祖父・岸信介元首相というのも、安倍首相の心を揺さぶるのであろう。
◆しかし、日本国憲法は、米ソ東西冷戦に耐えて、日本の平和維持に貢献してきた。最終戦争という「核戦争の危機」が憂慮されていた厳しい軍事情勢にもかかわらず、その暗闇のなかで、光輝いてきたことを忘れてはならない。厳密な「文理解釈」にこだわれば、自衛隊を保持することも、自衛隊を海外派遣することも、禁止されているはずなのに、東大法学部出身の「法匪」たちの姑息な類推解釈や反対解釈、大解釈などの法解釈の技術を弄して、なし崩し的に事実上の「解釈改憲」を積み重ねてきた。そして、遂に有事立法を経て、防衛庁の省への昇格、自衛隊法を改正し自衛隊の海外派遣を「副業」から「本務」への格上げを実現してきた。その延長線上に立って、安倍首相は、1月25日から始まる通常国会自衛隊海外派遣の「恒久化」を図る法案を提出しようとしている。
◆米ソ東西冷戦が終結してから19年を経過しているいま、自民党が党是としてきた日本国憲法の改正は、必要がなくなってきている。なぜなら、アメリカの強い要請を受けて、日本の保守層や財界が中心になって昭和30年11月に自民党を結党した目的は、とっくのむかしに完遂しているのである。アメリカが自由党と民主党を合併させて自民党を結党させた最大の目的が、日本列島をソ連からアメリカを防衛する最前線基地にすることにあり、そのために「憲法第9条」を改正し、帝国陸海軍の再建を図る必要があったと改めて自覚するなら、いまや「憲法第9条改正」の必要がなくなっていることに気づかねばならない。自衛隊海外派遣の「恒久化」が図られれば、尚更である。
◆中曽根康弘元首相は1月21日午前、NHK番組「日曜討論」に出演して、憲法改正に取り組もうとしている安倍首相を高く評価する発言を行っていた。自民党結党時、「副幹事長」の1人であり、一貫して「自主憲法制定」を提唱してきた「老兵」(むかしの青年将校)にしてみれば、自分の目の黒いうちに、宿願を果たしたいと執念を燃やすのは、理解できるけれど、もはや必要性がなくなっている現状に鑑みるならば、「趣味の世界」にこだわっているとしか考えられない。安倍首相にしても、中曽根元首相の「趣味」のために、政治を壟断され、おまけに憲法まで改正されたのでは、国民はたまらない。ましてや「戦後レジームからの脱出」などと威勢の良い言葉を振り回して、戦後の自由と民主主義体制(レジーム)を台無しにして欲しくもない。
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コメント (2)
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