紅の傭兵の独り言

と言っても、イシュトバーンが特に好きなキャラというわけではありません。

食神

2005-01-30 18:57:12 | 映画
チャウシンチー映画です。「クンフーハッスル」は映画館に見に行かなければな、と思っているうちに公開終わったんだろうな、とあきらめている今日この頃ですが、この映画は96年のクリスマス映画、抱腹絶倒の後すがすがしい感じで見終われるいい映画です。やっぱりチャウシンチーは天才かもしれません。これも湾仔のどこかの激安ショップで買ったVCDです。8ドルでした。だから、100円くらいですね。こんな面白いものが100円で買える香港はやっぱりいいところかもしれません。

プロットは、「料理の鉄人」か「ミスター味っ子」という感じです。しかし単なる料理カンフー映画にとどまらず、人生のアップダウンや純愛要素も入っていて飽きません。でも、一番ぶっ飛んだのは、カレン・モクのメイクだな。香港の女優は凄いメイクをするものです。「モウマンタイ2」のキャンディ・ローも凄かったけど、本作のカレンはそれを超えています。確かに元々スーパー美人という顔じゃなくてファニーフェイスなんだけど、あそこまでメイクしちゃうと堂々としたドブスになります。たいしたものです。

その他ン・マンタやビンセント・コクなどどうやらいつものメンバーが出ているらしいですが、私はそれ程沢山見ているわけじゃないので、良く分かりません。でも、「喜劇之王」にはみんなして出ていたような気がするな。最後の料理対決シーンの審査員はシッ・カーインというおばさんですが、これは良くテレビで見ます。額にほくろがあるおばさんです。結構香港芸能界では重鎮みたいな大物ではないかと推察されます。

最後の料理対決はジャンボレストランで行われるのですが、作る料理が「ファッチューチョン」というのは驚きました。あれは「美味しんぼ」に出てきた究極のメニューではありませんか。きっと、香港でもあの漫画は流行ったのだろうと思われます。

湖南省までシンチャイを追いかけてきたカレンねえさんがシンチャイをかばって悪人にピストルで撃たれていましたが、何と金歯で弾を跳ね返して無事だった、と言う強引な説明は素晴らしかったです。ま、あそこで死なれちゃったらハッピーエンドの映画にならないですから、めでたしめでたしではあります。最後はきれいにメイクしたカレンさんが登場して大団円になるのでした。

こんな素晴らしい映画が100円で買えるのはいいのですが、字幕は見難くて困ります。白一色でしかも結構小さな文字なので、画面が白っぽいと殆ど読めません。しかも、シンチャイ映画は台詞が多いので大変です。面白い台詞を半分くらいは飛ばして見ていたんだろうなぁ。残念。

表姐、妳好ロ野!

2005-01-30 12:11:20 | 映画
このタイトルは、「いとこのおねえさん、あんたは偉いよ」みたいな意味みたいです。英語の題名は「Her Fatal Ways」、日本語では「彼女はシークレットエージェント」という題名があるので、かつて日本でも公開されたのかもしれません。1990年作。90年と言ったらつい最近のような気がしますが、実は15年前だったりするのですね。湾仔の安DVD屋で買った12ドルのVCDでした。

主演はレオン・カーワイとドードー・チェンです。ドードーと言うと普通ラゴンの親玉ですが、これは女優の名前。この人が甥っ子を連れて四川省から麻薬の売人を捕まえて香港まで護送して来るところから映画は始まります。天安門事件直後の大陸中国から捜査官が返還前の香港にやってきて、香港警察のレオン・カーワイと協力しながら、逃げられた犯人を追っかけると言うドタバタ劇です。カーワイのお父さんが国民党軍の生き残りという設定で、家には孫文、蒋介石とその後の台湾総統の写真が飾ってあります。家に彼女たちをつれてきたカーワイは、親父と彼女の反目に右往左往するのですが、そこが大変面白い。歌合戦には大笑いしました。

捜査方法も大陸と香港では大違いで、大陸の捜査は強引・乱暴。見ていてスカッとしますが、女性なんだからもう少しおとなしくしたらいいのに、とハラハラしたりもします。最後はカーワイの親父が昔の国民党軍仲間を引き連れて助けに乗り込んできて、国共合作で犯人逮捕に至るというハッピーエンドでした。

犯人を捜す過程で、カオルンの田舎(サウマウピンだったかな)に捜査に行くシーンがありましたが、この辺は文革の時代に大陸から逃げてきた人達が細々と住んでいたところらしいです。四川省出身の人達もおり、ドードーはすっかり溶け込んでいました。

最後は国境線を越えて大陸に帰っていくのですが、あのポイントはどこなんだろうなぁ。鉄条網が張ってあって、兵隊が沢山いて、物々しい限りです。今やKCRCで羅湖の国境を越えるのは日本人でもノービザで行ける時代になりましたが、当時は大変だったんだろうな、と思われます。この間、落馬州の国境線を見に行きましたが、香港サイドは新界のド田舎ですが、深圳側は高層ビルが林立している街並みが良く見え、この映画の時代からすると全然別世界でした。昔は国境の川を古タイヤにつかまって決死の覚悟で密入国してきた人達が沢山いたらしいです。大陸で追い詰められた人達には香港が自由への唯一の出口に見えた、と言うことでしょう。

この映画は、香港では大変評判が良く、シリーズ化されたそうです。そうそう、この間香港在住の長い日本人の人に、どういうところが昔と変わりましたか、と聞いて見たら、「返還後ネーザンロードの看板がすっかり漢字になってしまいました、昔はもっと英語の看板が多かったのに」と言っていました。この映画でもカーワイがドードーをオープントップバスに乗せてネーザンロードを走るシーンが出てましたが、看板は殆ど漢字だったような気がしました。ネーザンロードでも、チムのあたりとモンコクあたりでは違うかもしれませんがね。

ラベンダー(薫衣草)

2005-01-29 15:59:00 | ドラマ
数年前に台湾で最高視聴率を取ったドラマです。全15話。純愛物です。泣くな、と言われてもそれは無理。これは泣きながら見ないといけないドラマでした。

ストーリーは単純な恋愛物でしかないのですが、不治の病が絡むので大変重たい展開になります。私としては、シャオトンとシャオユーの二人がとてもよかったと思います。それから、お母さん役とひげの医者の人。この二人も良かったな。お姉さんとその恋人のエピソードは辛いものでした。そして、ラストの展開。これはひどい。まぁ、ありそうな結末ではありますが、普通はもう少し救われる筋をつけるでしょう。これは視聴者からクレームが殺到してもしょうがないわな。何とかしてやれよ、って感じでした。

台湾ドラマは結構気に入っていて時々見るのですが、皆健気な感じがしていいですね。このドラマもやたら中国語の上手い小室さんが出てきたりして笑えるのですが、台湾の日本に対するイメージは日本人が想像する以上にいいようです。歴史的なものもあるのでしょうが、今の大陸に対する感情の裏返し的なものもあるのかもしれません。日本は決して見捨ててはいけないと思います。台湾人はこすっからくて人の足元見て移り気でとんでもない連中ですが、必死に明るい明日を夢見る人達なのです。大陸にいつかは併合されるとわかっていながら、必死にアイデンティティーを守ろうとしているような気がします。きっと、今の共産党政権がもっと民主的になってきて、実態的に台湾の統治形態と変わらなくなってきたら、台湾と中国は一緒になれるのかもしれません。そういう解決の日が来たら、大いに祝福したいものですね。このドラマとは何の関係もありませんが。

このドラマは勿論若い恋人たちの純愛ドラマであるのですが、親が子を思うドラマでもありました。シュンのお母さんは旦那さんにも娘二人にも先立たれ、こんな不幸な人はめったにいないだろう、と言う境遇になってしまいます。それでも、健気に生活しているようでした、最終回では。自分自身にこのような災難が降りかかったらどうしよう、と想像してみたりするのですが、私の場合あのお母さんのように強くはないだろうな、と思います。自分より先に自分の守り育てている家族がいなくなってしまうなんて、想像もしたくありません。俺が先に死ぬのだ。何年後かは知りませんけどね。

実尾島

2005-01-23 19:17:42 | 映画
これも比較的最近の映画です。2003年韓国映画。凄くヒットした映画だと言うので見たいとは思っていたのですが、ヒット作は高いから普段は買わないのです。これも湾仔の安DVD屋で30ドルくらいになっていたから買ったのだと思います。去年の10月頃に買ったのかな、忘れました。しかし、素晴らしい映画でした。殆ど男しか出てこないし、みんな殆ど笑わないし、画面暗いし、最後は救われない終わり方だし、非常に重たいのですが、心にずしりと響きました。

こういう映画は我々日本人は正座して見なければいけないのではないか、と思ってしまいます。祖国が分断されたことの無い国民に朝鮮民族の悲哀はちゃんとは理解できないのだ、と言うことが基本です。その上、この映画は国民が国家に裏切られる、というさらに重たいテーマを抱えていますから、生半可な気持ちで見たら失礼かもしれんな、と思ったものでした。先日もアイドルスターの誰かが徴兵逃れで問題になっていましたが、敵対国家と国境線を境に睨み合っている状態がずっと続いている国で生活している人達の気持ちは、我々みたいなスーパーラッキーな国民にはなかなか理解できんのでしょうね。

だから、「死刑囚が最終的に処刑されるのは当たり前だろう」、などと言う感想を見ると、日本と韓国の距離の遠さを感じてしまうのです。(映画見た後、ネットをふらふらしてたら実際こういうコメントがありました)

そうは言っても、最初のほうはボーっと見ていたので、冒頭の戦闘シーンが映画の筋とどう関係しているのか全然わからなかったのですが、あれって実際に北朝鮮がソウルに特殊部隊を送り込んできたエピソードだったのですね。要はシルミド作戦のきっかけです。すごいですね。国会議事堂や総理官邸に北朝鮮特殊部隊が攻めてきたらどうしよう、とふと思いましたよ。拉致被害者救済どころの騒ぎじゃないでしょう。そんなことが実際に起こっていたのでした、韓国では。

だから、実にリアリティがある映画だな、と思えたわけです。日本の戦争映画ってのはせいぜい太平洋戦争までの事しかネタ自体が無いので、多分今作ってもリアリティ全然無いだろうな、と思うのですが、その点韓国では戦争状態が現在進行形だし、役者もスタッフも皆基本的には軍隊経験があるわけだから、そりゃ勝負は最初からついているわけです。

韓国映画と言えば、「シュリ」と、あとタイトル忘れたけど写真屋のおじさんが病気で死ぬ映画の二つしか見たことないので、役者は全然知りませんが、皆いい演技してたと思います。特に主人公の人(かあちゃんの写真を持っていた人)と上官役の人が良かった。この映画は二回見たほうが良く分かっていいかもしれないですが、疲れる映画なので時間を置かないと二度目は見れないな。

しかし、良くこんなタッチーな映画が完成できたものです。韓国の民主化が相当進んできた証拠なのでしょう。マクロの情勢判断としては、こういう映画を公開しても南北関係に変化が出ないくらい力の差がついた、ということでしょうか。であれば、北の自壊を辛抱強く待つ、という作戦が一番いいのではないか、と思われます。

ジョーイ・ヨン

2005-01-23 08:38:39 | 音楽
夕べは翡翠台で何かの歌謡ショーをやっていたのでした。十大何とか、とか言う奴でこの時期よくやっている日本で言えばレコード大賞みたいな奴かと思われます。見てたら、やたらと賞の種類があって、何が何だか良く分からず、人気のある歌手は何度もステージに呼ばれるのです。

ジョーイもその中の一人で、普段は客席の一番前に座っているのですが、名前を呼ばれると上着を置いてステージに上がります。そして、そのファッションが凄い。上半身は肩は出すはへそは出すは、出していないのは胸だけ。下半身は人魚のような変なスカート。恐らく鍛え上げた腹筋を強調したい意図だと思われます。しかし、最も目に付くのはその腰に巻かれたチャンピオンベルトです。あれは一体何なんだろうなぁ。私もああいうの持っています。かつてマジソンスクエアガーデンにWWFを見に行ったとき、お土産屋さんで買いました。しかし、あんなものをステージ衣裳にするだろうか。ジョーイはひょっとしたらその筋の人なのでしょうか。

こちらの芸人は時々思いっきり奇抜な格好をします。男だけでなく女も。アンディは例によって昨夜もステージをやってましたが、頭に変な羽飾りをつけたわけの判らん京劇みたいな衣裳をつけて頭を振る踊りをやってました。この人は何やっても許せる感じです。顔からして普通ではなく、蝋人形のような顔だからな。元々本物感が希薄な人だから、古代ローマの兵士の格好をしようが、男性ストリッパーの役をしようが、おっ、おっちゃん又変なこと考え付いたか、で終わるのです。しかし、女の子はもう少しまともな格好をしてほしいですよ、まじで。ジョーイは恥ずかしいとは思ってないんだろうなぁ。客席で上着をひっかけていたのは、恥ずかしいからではなく、肩出していて寒かったのだろうと思われます。ツインズとかミリアムとか他の歌手はまだ普通の格好してました。ジジなんてどちらかと言えばシックな感じだったような気がします。

台湾系の歌手も結構色々と受賞していたのですが、誰も来ていなかったのは残念でした。プレゼンターの人選にも色々と工夫がなされていて、指名されたプレゼンターは張り切って受賞者の名前を呼ぶのですが、台湾系だとせいぜいレコード会社のおっちゃんが代理でトロフィーを受け取りに来るだけなので、しらけることこの上ないです。飛び込みのチャンピオンの田亮なんか、第二十七回オリンピックなどとわざと言い間違えて笑いを取ろうとまでしてましたがね。

香港の歌手は基本的には歌が上手いと思います。(時々ツインズみたいなのがいるので、あくまで基本的には、ですが)誰かが浜崎みたいな歌の下手な奴の蝋人形を飾るとはけしからん、と言ってたらしいですが、それだけの事を言えるだけの上手さはあるような気がします。特に李克勤は上手だったなぁ。初めてまともに聞いたけど、あの人歌うまい。ジャッキーチョンが一番上手いかな、と思ってましたが、匹敵するかも。それから、何といっても韓紅とイーソンのステージが凄かったです。韓紅と言うのは大陸の歌手で、見た目はダメ親父の怖い奥さんみたいな感じで、何でスタッフの人がステージに上がってんの、と思うのですが、マイクを持つと凄いです。いい声してます。それと堂々と渡り合えるイーソンも凄かった。どうも、大陸の人気歌手と言うのは、ノンビジュアル系が多いような気がします。港台も時々五月天のようなのがいますが、ま、基本的には見た目で芸人とわかるような人達が人気あります。しかし、大陸はあくまで実力重視って言う感じだなぁ。刀郎もとても心にしみる音楽ですが、見た目は単なる四川省のオッチャンですよ。

全然関係ありませんが、私は気質的に判官贔屓なところがありまして、キャンディーズではミキちゃんが一番好きだったくちですが、F4ではケンチャンを支持しておりました。彼は流星雨では一番でソロを取らしてもらえないは、映画も出たんだけど全く売れないは、ドラマも一生懸命やっているんだけど主役はやっぱり農民だは、ということでメンバーの中では最も冴えない奴なのです。しかし音楽的な才能はある、という触れ込みでソロCDも慎重に準備しているからなかなか出ない、という話になっていたので密かに期待していたのでした。そのうち準備ばっかりしていて、結局永遠に出ないのではなかろうか、と思うほどでしたが、最近ようやく出たようです。先週CD屋さんに行ったときは新譜コーナーに並んでいたので、おっ、おまけと言えどもやっぱりF4の威光は少しはあるな、と思ったものでしたが、昨日同じcd屋に寄ってみたら、見事に一枚も置いていませんでした。う~ん、完売したということだろうか。売れ残りがあれば、置いてあるよなぁ。それともこいつ何か不祥事でも起こして撤去されたのだろうか、と色々想像したのでした。レオンライの新譜なんか随分前に出たような気がするけど、まだ新譜コーナーに置いてあるのになぁ。ま、鼻にピアスなんかする変態だからしょうがないかもしれません。ランちゃんやスーちゃんが年取っても芸能活動している傍ら、ミキちゃんは完全に引退したわけですから、いずれケンチャンもそうなるんだろうなぁ。キャンディーズというよりも、タノキンのよっちゃんのパターンかもしれないな。バンド組んだとかアホなこと言ってるそうだから。

十面埋伏

2005-01-22 20:10:42 | 映画
珍しく新しい映画を見ました。これは確か去年公開されたばっかりですよね。湾仔のオタクビルに入っているCD屋さんで買ったVCDだと思われます。随分前に入手してあったので、値段も定かではありませんが、20ドルでは無かったような気がします。

張芸謀監督なので、またもやアーティスティックな美しい画面の連続だろうな、と思っていましたが、その辺は期待通りでした。大変美しい映画でした。出演者が金城武・アンディ・ラウ、チャン・ツーイーと言う台港中連合で、大変豪華。殆どこの3人で出来上がった映画です。プロットとしては大変単純な話なのですが、ひねり方が尋常ではないので、一瞬当惑しますが、怒りを覚えるほどの騙され方では無かったです。

ラストシーンは、しかし納得行かないなぁ。そもそもあんな状態でゾンビのように起き上がる奴が出てくるのも変だし、背中(肩?)にナイフを突き刺したままあれだけ動ける奴がいる、というのも変。しかも、そいつってば最後決定的な裏切り行為を行い、一人立ち去りやがるのだ。どういう根性しているのでしょうか。

チャン・ツーイーは細いからだですが物凄く柔軟です。足が180度以上開くのではないでしょうか。この映画は彼女の映画ですね。アニキもワーチャイも付け足しです。盲目の演技も素晴らしかったし、いい役者だな、と思いました。

しかし、やっぱり「英雄」の方がずっと良かったなぁ。あの映画の美しさ、スケールの大きさに比べるとこの映画はちょっと小粒です。最初にこちらを見たら又印象が違うのかも知れませんが。

大晦日のK1とプライド

2005-01-16 22:38:44 | 格闘
ようやくビデオを見終わりました。プライドは長い。早送りしながらでも大変時間がかかりました。肩こっちゃいました。

興業としては、どう考えてもプライドの方が良かったです。k1の方は、曙をメインに持ってきた時点でもう駄目。後、面白い試合はキッド対マサトくらいだもんな。ボブサップなんて見られたもんじゃ無かった。やはりK1はK1の試合をやってたほうが面白いです。総合なのかK1なのかわからない中途半端な試合は消化不良になるだけです。

その点、プライドの方は試合形式が一貫しているので、プライドルールでは誰が強いのか、どういう戦い方が有効なのか、色々と比較できて楽しめました。

ヒョードル対ノゲイラ戦は本当に肩凝りました。ノゲイラは偉いと思います。あんな化け物と戦うだけでも偉いし、KOされないのだから本当に偉い。ヒョードルは人類じゃないかもしれないな。あの身体能力の強さは反則です。ノゲイラの関節技が全然入らない。タックルも全部つぶしてた。小川が秒殺されたのも理解できます。ヒョードルに勝てる可能性があるのは、柔術じゃないんだろうと思います。クロコップは可能性あるかもしれない。ハイキックが入ればね。弟には勝ってるし。ガードナーも目一杯練習してくれば可能性あるかもしれない。力強そうだから。後は駄目だろうな。

吉田や滝本の試合は期待していたけど、今ひとつでしたね。相手が警戒して出てこないタイプだと、柔道の人は辛いです。ガードナーはまるでボクシングしに来たようでした。勝負にこだわって、自分を見せるということをしない。プロとしては面白みに欠けました。戦闘竜ももっと相手の土俵で戦ってほしかったな。あれじゃやっぱり相撲は弱いじゃん、という結論しか出ないよ。曙がどうせ負けるだろう、と思ってたから凄くプレッシャーがかかってたのでしょうか。そう言えば、武蔵丸はプライドの会場にいたな。あいつがプライド出れば面白いだろうに。

軽量級の試合は面白いです。五味は素晴らしかった。まるでボクシングの試合みたいでしたが、KOしました。あのクラス世界最強でしょう。長南も素晴らしい勝ち方をしましたが、放映は端折られてましたね、かわいそうに。ちゃんと見たかったです。パンクラスの選手たちもそれぞれがんばってました。近藤は負けたけど、判定だからあんまり負けた気しないだろうな。美濃輪は秒殺で素晴らしかった。しかし、去年小川がプライド出てきて二試合勝ったときは、ちょっと興奮したけど、今から振り返ると、美濃輪とかチェムベでも勝てる奴に勝っただけだったんだ。ちょっとがっかり。クロコップは勝ち方が凄かったな。ランデルマンの首絞めて勝ちました。偉い。

K1のほうで面白かったのは、キッド対マサトね。キッドは金的入って痛そうだったけど、あれはキッドが足短いせいですかね。マサトは普通にローキック行ったつもりでも、キッドにはちょうど金的の高さになってた、とか。でも、良く戦った。キッドは偉い。秋山もかっこよかった。ボタもやられっぷりもなかなかよかったな。後はつまらんかった。アビディは全く準備不足という感じだし、武蔵もK1ルールなら勝って当たり前だろうし、藤田の試合もなんだかわからんうちに突然終わってしまった。そもそも何で藤田がK1に出てるんだ?訳わかんねぇ。もうヒョードルとやる気がないのか?中尾や宇野の試合はどうして放送しないんだろうか。曙よりそういう試合を見たかったです。

曙はもう出て欲しくない。いつまでたっても単なる弱気で技術の無いデブ。ホイスは楽勝だった。しかし、今更相撲にも戻れないよな。どうするんだろう。プロレスに行くのかな。曙を使うようなプロレス団体はつぶれるべきだと思いますよ。多分新日だろうけど、ボブサップならまだわかるけど、あんなに弱い曙をリングにあげて、負けてあげなければいけないレスラーが出てくるなんて、ちょっとかわいそう過ぎる。それが中邑だったりしたら、もう新日も終わりだよな。中邑は新日をやめるべきだ。なんて、想像しただけで怒りがこみあげてくるな。

やっぱりプライドグランプリとK1グランプリがオーソドックスで面白いですね。異種ではハント対シウバがいい感じでした。K1ルールだったらやっぱりシウバには勝ち目ないのでしょうが、プライドルールだといい試合になるんだな、と感心しましたよ。

久しぶりに格闘三昧できて幸せでした。

電車男

2005-01-13 23:56:26 | 
これは本なのだが、小説でもないし、ノンフィクションでもないし、脚本でもないし、要するにネットのとある掲示板をまとめたものなのでした。新しいジャンルだよなぁ。しかも、面白い。ページをめくるたびに大笑いしました。大変な時代になったのもです。

2チャンネルの存在自体は前から知っていました。首チョンパ映像が見たい時は、2チャンネルをうろうろしていると大抵見つかりますから。でも、とてつもない数の掲示板があって、しかも大抵は面白くないので、毎日見に行くようなものではない、と思っていたのです。中には、このように大変な盛り上がりを見せる掲示板があったんですね。希少価値があるからこれだけ話題になり、出版物にまでなってしまったのかも知れませんが。

電車男のエピソードが実話なのかフィクションなのか、という論争もあるそうです。確かに最後のほうは特に作り話っぽい感じもしたな。でも、そんなことは本来のこの本の価値とは関係が無い。電車が嘘八百並べていたにしても、それに対する毒男たちのリアクションは本物であり、その書き込み一つ一つが大変面白かったからです。恐らく編集段階であまりに下品な書き込みや悪意のこもった書き込みは削除されているのでしょうが、本になった書き込みは善意の塊で、ネットのような匿名性の高いメディアでこれだけの善意が交換できるものなのか、と感嘆したのでした。素晴らしいことではありませんか。日本の未来も真っ暗ではないのかもしれません。

しかし、エンディングは告白して返事をもらうところなのですね。それが皆の納得しているゲームのルールなんだ。本当の付き合いは、そこから先なのでしょうけど、毒男たちには入っていけない世界なのだろうな。面白いなぁ。

「俺なんか彼女にふさわしくない」なんて言う台詞は太古の昔には自分でもよく言っていたような気がします。若い頃はそういう風な感じ方をするんですね、気の弱い男は。そういうところは時代が変わっても同じだと判って安心しました。秋葉系毒男というのが、絶滅種に指定されているような貴重な存在だったりすると、そんなに喜べないですけどね。

世の中は純愛ブームだそうで、「セカチュウ」も読んだりドラマ見たりしましたが、あれより電車のほうが余程本当らしくて心動かされました。いくら高校生で多感だったとは言え、死んだ彼女を10年以上忘れられずに20代を無駄に過ごす男というのは、私の理解を遥かに超えていますから。そんなエキセントリックな男をかげながら慕う女の役は桜井幸子がはまり役でした。クリスマスドラマでも、織田祐二に付きまとう昔の女の役がはまっていたなぁ。年取っていい感じの女優になりました、あの人。

わっ、全然関係ない話になっていました。そうそう、電車男でした。感心したのは、アスキー絵文字って言うんですかね、花火作ったり戦車作ったり、みんなすごいです。自分でやろうとはひとかけらも思いませんが、見てるのは楽しいですね。それから言葉使いも独特で面白いですね。夕方ネットをうろうろしていたら、2チャン用語辞典というものも存在していました。知らない間にかなりメジャーなものになっているようです。年寄りはすぐに世の中の流れに置き去りにされてしまいます。

と、言うことで、藻前ら、乙。

K1 World GP 2004 決勝戦

2005-01-10 22:27:41 | 格闘
大晦日のを見る前に、これを見ないと始まらないな、と思っていました。ようやく見ましたよ。何しろ見るものが多すぎて、時間が無いのです。派手なKOシーンが少ない大会で、レミーが連覇したのだ、と言うことは知っていましたが、想像していたのとはかなり違った大会でしたね。

この大会で一番インパクトあったのは、何といってもガオグライがマイティ・モーを蹴り倒したシーンです。モーの目の下ぷっくり腫れてました。あれは凄まじい破壊力ですね。あんなに小さな人が大きい人をノックアウトできる、というのは格闘技の醍醐味です。ルールによっては、無差別級も成立しえる、ということを証明してくれました。拍手。

ボタはおしかったみたいですね。押していたのにハイキック一発で逆転されてしまう。ハイキックが主武器の人は決定力があるから強いですよね。クロコップしかり、レミーしかりです。レミーは打たれ強いのでしょうか。防御が上手いのでしょうか。あれだけ殴られても顔が全然変わりませんね。面の皮が厚い、という天性のものはありそうです。

テクニック合戦になってしまうと、素人には面白くなくなります。ホースト対レミー戦なんて、地味だったもんな。玄人が見たら凄いことがわかるのでしょうけど、いくら一茂や谷川が凄い試合です、と言っても、そうかなぁ、やっぱりレバンナの試合の方が派手で面白いや、と思ってしまうのです。

そういう意味では、武蔵はそれなりに上手くて強いのでしょうが、あまりにも地味すぎ。決定力ないくせに、相手を小ばかにした素振りを見せたり、こそこそ逃げ回ったり、やたら手を上げてアピールしたり、臭いです。武蔵って名前なんだから、もう少しどっしりと落ち着いてサムライらしく振舞って欲しいものです。二年連続準優勝なんだから、きっと本当に強いんだと思います。12ラウンドも戦って最後はガードもできなくなるくらい疲れてたんだろう、と理解しますが、でも積極的に攻めてきたのはレミーで、カウンターを返すだけだったのが武蔵、というイメージしか残りませんでした。KO負けしてもいいから、もっと積極的に攻めて欲しかったです。そういう戦いをして相手にダメージを与えた後にガッツポーズをするのだったら、拍手してやりたいですよ。

今大会は何と言ってもムエタイ恐るべし、を再認識させられました。無差別級のスリル感も捨てがたいですが、一方でマックスとスーパーヘビーの間の階級(70kg~90kgくらいのジュニアヘビー)の大会をやってみたら面白いんじゃないかなぁ、とも思います。アジアにいい選手が沢山いるのではなかろうか、という気がするのです。やっぱりスーパーヘビーが主体になると肉食人種には敵わないでしょう、最後は。ガオグライはそのクラスでは最有力の優勝候補だろうな。

やれやれ。何はともあれ、これでようやく大晦日のビデオを鑑賞する準備が整いました。

海峡を渡るバイオリン

2005-01-09 11:09:44 | ドラマ
11月の末頃に放映された特別ドラマです。ビデオが到着したので、今頃見ました。フジテレビの開局45周年記念ドラマだそうで、かなり気合入ってました。特に菅野美穂が良かったです。草薙君と喧嘩するシーンはとても良かったでした。

オダギリ・ジョーが占領時代の朝鮮に渡って来た先生役で出てましたが、非常に上品な感じがして好感度大です。この人を最初に見たのは、小泉の息子と大学の友達役で出ていたドラマですが、そのときはこんな芝居が出来る人だとは夢にも思わなかったでした。新撰組の斉藤一も良かったですが、その延長線上の演技ですかね。主人公のお父さん役は、冬ソナの振られ男の親父ですね。たどたどしい日本語が良かった。田中裕子の朝鮮語はさまになっていたのでしょうか。残念ながらその辺はさっぱりわかりません。「若葉」で喋っている宮崎弁のレベルから類推すると全然だめなんだろう、と思われます。あんまり適応力がありそうな役者じゃないもんね、あの人。

石坂浩二は朝鮮がらみのドラマが好きなのでしょうか。主人公をサポートするいい役で出てました。「東京湾景」では朝鮮人でしたけどね。田中邦衛はどのドラマに出ても同じ芝居で、存在感がありますね。スタッフが「北の家族」のスタッフなのでそのつながりの出演なんでしょうか。

草薙君のバイオリンのニスに対するこだわりのシーンは凄かったです。色んなものをなめたり触ったりしてました。あれは普通の人だったら一緒には暮らせないでしょう。草薙君はSMAPの中では抜群に存在感ありますね。キムタクあたりとは全く関係ない路線を行っているのは賢い証拠ですね。

菅野美穂もとてもいい演技でした。あれだけの芝居はなかなかできるもんじゃないと思いました。最近とてもよくなってきているのではないでしょうか、この人。藤木直人が目が見えなくなるドラマにも出てましたが、あのドラマの演技も好きでした。芸歴は結構長そうですが、この1年で大進歩を遂げた女優ではないか、と思います。

韓国ロケもきれいな場所を探してきて、とても良かったです。できれば韓国語でやる芝居は全部韓国の役者にやらせればよかったのに、と思いますが、そういうわけにもいかないのかな。日本のドラマに出たりすると、いじめられたりしてね。パクヨンハ親子は特別なのかなぁ。結局親子で日本のドラマに出てることになりました。

こういうドラマは一過性のブームで終わるのではなく、末永くやって欲しいものです。せっかく韓国が近くなってきたのだから、もっともっと交流を深められればいいですよね。

一昨日は香港スタジアムで芸人が300人以上集まってスマトラ地震・津波のチャリティショーをやっていました。それには香港の芸人だけではなく、台湾の芸人や大陸の芸人(アーメイとか刀郎など)も出ていました。言葉の壁が低いから、という理由はありますが、こういうイベントに日本や韓国の芸人も出れるといいな、と思いました。これに浜崎なんかが出たら、アジアの人気がもっと高まるだろうにね。せっかく蝋人形作ってもらったんだからもっと戦略的に香港マーケットを攻めればいいのにな。或いは日本でそういうチャリティイベントやって、こっちの芸人も呼べばいいんだよな。日本で名前知られているのは誰だろう、ジャッキーチェンくらいしかいないかな。アグネスチャンだったら出るんじゃないかな。ケリーチャンも出てくれるかもしれない。そういうセンスが無いよな、日本の芸能界は。もっと国際性とチャリティ精神を発揮して、世界中の人々に愛される芸能人になればいいのに、と思います。そういう草の根レベルで好感をもってくれれば、日本のイメージもぐぐっとアップすること間違いなし。政府がそういうことに補助金出してもいいくらいだと思いますよ。社会保険庁の小役人共を全員首にして民間に全部任せて、浮いた金をそういうことに使えばよいのです。今のままでは日本は永遠に精神的な鎖国状態を続けることになりそうで暗澹たる気分になってしまいます。

脱線状態ですが、そんなことまで連想してしまうほどのインパクトを持ったいいドラマでした。日本のドラマの水準は元々高いのだから、この手のいい仕事はもっともっとやって欲しいものです。