一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1585   少年の無口になりて夏逝けり   さくら

2015年10月03日 | 

 友人の家に泊まった時、小学一年生のお嬢さんが、初対面なのに「おじさん、おじさん」とおしゃべりで私に懐き、色々遊んだり一緒に風呂にも入ったり、大はしゃぎして大いに喜ばれたことがあった。

その後十数年振りに、友人夫婦がそのお嬢さんを連れてやって来た。大学生になった娘は、なかなかの美人になっていたが、私達の話を聞くばかリで、こちらが色々話を振っても一向に喋らなかった。とうとう、帰るまでほとんど喋らず終いだったのである。

 子供の成長段階には、この「無口」が必ずやって来る。その変化に驚いたり、戸惑ったり、寂しがったりするのは、大人の私達。

うるさがられないようそっと見守るしか、たぶん方法はない。

ジンジャー(和名ハナシュクシャ(花縮砂)

 

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1584   薬草も庇に吊るす豊の秋    貞次

2015年10月02日 | 

  秋は、収穫の季節である。特に晩秋は、大陸の高気圧がやって来て、日本晴れの日が多く空気が乾燥するから、植物を軒先に干すのに都合が良い。農家では、タマネギ(玉葱)、トウガラシ(唐辛子)、カキ(柿)、などを吊るす。

  薬草は一年中採取するが、秋の季語の「薬掘る、薬採る」は、クズ(葛)、アカネ(茜)、ヤマイモ(山藷)、リンドウ(竜胆)、ワレモコウ(吾亦紅)、キキョウ(桔梗)などの根を掘ったり、センブリ(千振)、ゲンノショウコ(現の証拠)など全草を採るものもある。

  秋ではなく、例えば夏に採るドクダミ(蕺、十薬とも)などは、梅雨時なので吊るしておくと、蜘蛛の住処になったり、黴が生えたりするので、乾燥に苦労する。

シシウド(猪独活)

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1583   第229回 9月 岩戸句会

2015年10月01日 | 岩戸句会

友逝くや色なき風の中に立つ    章子

誰彼の安否気づかい秋に入る 

  

台風や枕正して又眠る       洋子 

秋彼岸しゃっきりしゃんの老女かな 

    

座右に置く歪で固い榠樝の実     薪

敬老日洗面台に孫の義歯  

 

どの家もコスモス群れる北信濃   豊春

秋の雷安保法案可決せし

     

雨上る此所を先途と法師蝉     炎火

赤とんぼニイタカヤマを昇りけり 

  

台風に足留めされし旅居かな    歩智

いちじくを裂けば火花の散るごとし

  

彼岸花街路植え込み抜いて咲く   余白

ビルとビル隙間に咲ける彼岸花

 

離れいて募るいとしさ夕月夜    稱子

友癒えよ祈る日課や秋ざくら

 

虫時雨野営テントを組み終えて   雲水

この海の遥か台風生まれけり

     

   

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