メサイアに御出座し髭の竃馬 薪
ゲリラ豪雨の間を繋ぐ法師蝉
亡き人の面影薄れ盆提灯 豊春
権禰宜の声をかき消す秋の蝉
盆踊り三百人の手が泳ぐ 鼓夢
法師蝉一行に足る日記つけ
稲妻や鏡の中に夜叉を見る 遊石
秋霖や流れエクボの君は今
残生やしばし無言の秋風鈴 正太
念力でしのぐ余生にパナマ帽
落蝉や玩ぶ如犬の鼻 歩智
風呂場からメモしてと声西鶴忌
流灯や漆黒の中潮目指す 炎火
日の丸や激闘夏の甲子園
思ふこと口には出さず鰯雲 章子
帰らぬと知るも香たく夜半の秋
くちゅくちゅと漱ぎをり法師蝉 雲水
石仏の腕に傷ある大花野
うかうかと遊びすぎたり葛の花 洋子
ピザパイをほほばり聞くや法師ゼミ
通り雨いやますますの草いきれ 稱子
山百合に気高き威風ありにけり
クズ(葛)