アイ!サラマッポ in バギオ

フィリピン人介護者のケアを受けながらの、フィリピンでのインディペンデント・リヴィング…、心の赴くまま、ここに記します。

金沢-Kanazawaとマニラ-Manila 高山右近

2008-12-02 18:34:23 | フィリピン-マニラ

 フィリピンでよく知られている日本人の一人に「高山右近」がいます。

 金沢は、高山右近が家康のキリシタン禁令により日本を追放され、マニラに渡るまでの二十六年間という半生近くを加賀前田家のもとで過ごしたという縁の深い所で、金沢カトリック教会の礼拝堂正面の美しいステンドグラスには、右近が細川ガラシヤと一緒に描かれています。

 日本人フィリピン移民百周年の2003年には、日比共同事業のオペラ『高山右近』が、右近生誕四百五十周年の年に合わせて、フィリピンのマニラとダバオでも披露されました。それに先立ち、日本国内各地で上演され、右近ゆかりの地である金沢でも上演されました。二幕から成るそのオペラの第二幕『平和への道剣か愛か』では、家康のキリスト教追放令により1614年に日本を追われた右近が、長い厳しい船旅の末マニラに着いて以降、熱病に侵されて死に至るまでが熱く演じられました。その亡くなるまでのわずか四十日余りという短い時間に、多くのフィリピン人から歓迎され、「偉大なキリストの騎士」としていかに多くのことを成し得たか、が伝わってくる素晴らしいオペラでした。

「日本からマニラへ追放された者たちに言い遺す。♪剣を取るものはみな、やがて剣によって滅びん!」・・・戦国の乱世を生き抜き、異国フィリピンで客死した右近のその言葉が、その美しいメロディと共に心に深く刻まれました。

<写真> マニラ、パコ駅近くの「高山右近像」

 

 先日も、インドのムンバイで日本人を含む多くの死傷者を出した同時テロ事件が起きてしまいました。戦争やテロ…という武力では何も解決できず、悲惨さ以外の何物も生み出すことができないことを、人類はいつになったら学ぶのでしょう…。