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ありのすさび (タナカ)
2008-09-30 01:42:46
「ありのすさび」も読んでみた。
「象を洗う」の前作にあたるエッセー集。
これまたユーモラスで、読んで楽しい。

「象…」にくらべて、凝縮力があるというか、焦点がさだまっている感じがする。
これは、巻末で解説も書いている、編集者、坂本政謙さんの手柄だろう。

今回とくに印象に残ったのは、スパゲティの話。
著者は、さるひとからものすごくおいしいスパゲティの調理法を教わる。
これを食べた女性は、つくった相手からはなれられなくなるというくらいうまいスパゲティ。

レシピを教わった著者は、この秘伝のスパゲティの味を究めるため、日々スパゲティづくりに励む。

そのうち、秘伝にはその2もあるとわかる。
さるひとがいうには、小皿に取り分けて交互に食べると、私のこれまでの人生はこの2種類の(つまり秘伝の1と2)スパゲティと出会うためにあった、と思うくらいうまい。

そこで著者は、秘伝その2のスパゲティの味も究める
べく日々努力を続ける。
はたして、スパゲティは女性の心をとらえることができるのか?

気前のいいことに、この本には、秘伝のスパゲティのレシピも載っているから、有志は実地にあたってみることも可能だ。

それから、村田喜代子の小説「ルームメイト」について。
これは著者にいわせれば、ネクタイを自分で結べない男を主人公にした、あらゆる小説のなかで最上のものなのだそう。
そのおかげで、いままで一番をキープしていた、著者の小説、「夏の情婦」が2番に甘んじることになってしまった。

「2番目でもいいという方は、書店で『夏の情婦』をお買い求めください。『ルームメイト』は図書館で借りればいい」
なんて、著者は負け惜しみをいっている。

敬愛する作家である野呂邦暢の訃報に接したエッセーも忘れがたいものだった。
 
 
 
豚を盗む (タナカ)
2009-04-24 21:49:36
最近、光文社文庫から「豚を盗む」というエッセー集がでた。
著者のエッセー集には、すっかり病みつきになってしまっているから、これも読んだ
とても面白かった。

秘伝のスパゲッティの話がまたでてきたのが、個人的にうれしかった。
なんと、あのスパゲッティが、さらにバージョンアップされ、紹介されている。
そのうち、試しに自分でつくってみるつもりだ。

 
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