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オーバーカム

2010年07月01日 | Alexei Yagudinのこと
オーバーカム―フィギュアスケートオリンピックチャンピオンストーリー
アレクセイ ヤグディン,リンダ プラウズ
周地社

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アレクセイ・ヤグディンの自伝です。
最初、図書館で借りて読んだのですが、それぞれの競技会でのパフォーマンスに関する本人評が書かれており、動画巡りのお供に最適なので買い求めました。

さて、「Overcome」というタイトルのとおり、幾多の困難を乗り越え、ついには頂点を極めるに至るストーリーはとても感動的なんですけど、それを彩るエピソードがまた多彩で・・・
ちょっと笑えないものもありますが、あまりのお茶目さに大爆笑の箇所多数。

個人的に受けたエピソード・ベスト3は

1.ウルマノフとのトイレ取り合い事件(ヤグディンが、というより、あのウルマノフが・・・っていうほうが強いかも)
2.髪の毛変色事件
3.プールでの頭部強打事件

でしょうか。大失敗アウトドア行や、プロポーズ大作戦も甲乙付けがたいですが・・・

なお、この本の中ではソフトな言い方をされていますが、他のところで見た話ではもっと「びっくり」な内容のものもあったりして(手を骨折した原因とか、タラソワさんを激怒させてしまったときのこととか)、思い出しただけでお腹が痛くなる~。

それにしても、ヤグディンの自分に対する率直さというか、自分の感情にものすごく正直なところに感銘を受けました。なるほど、こういう性格であってはじめて、ああいうエモーショナルな演技ができるんだなぁ・・・と。
しかししかし、その感情の赴くままに突っ走ってはどこかに激突してひっくり返っているように思えるところも多々あり・・・本人は大変そうですが(そんな時のヘコみっぷりがまたすごいですし)、端から見ていると実にかわいいな、と。

ネタ話だけでは何なので・・・ヤグディンのキャリアの頂点は何と言ってもソルトレイクシティ・オリンピックでの金メダルなんでしょうけれど、本書を読むと、彼にとっての最大の「勝利」はその後にやって来たように思えてしかたありません。
最終章からエピローグにかけて・・・故障のために競技を続行できなくなるという彼を襲った運命はあまりに過酷で、内心の葛藤はとても言い表せないようなものであったのでしょうけれど、でもそれを受け入れ、そして将来へのポジティブな姿勢を貫くヤグディン・・・そんな彼こそ本当に強い人、真の勝利者だなぁ、と。
そしてその言葉の通り、今現在もなお、できることの100%を注ぎ込んだパフォーマンスを見せてくれているのですから・・・カッコ良すぎるよ、本当に。


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