仙台駅のステンドガラス前、
仙台の待ち合わせ場所の一つとか、
仙石線に乗り、
小鶴新田、
東北学院中学校・高等学校、
そしてさらに乗り進み、
多賀城キャンパスを越えて、
松島海岸駅、
伊達藩の船泊、
水主の住居が残されていた、
梅雨空に緑が輝く、
かと思うと、
真柏の木、
枝が乱麻の如しに、
緑の葉をつける頃とは、
何時なのか、
と思う、
不思議な木、
園通院の門前を通り、
茅葺の小さな堂を見ながら、
切り倒された瑞巌寺の杉並木、
山裾の杉だけが残されていた、
昨年までは、
山門を潜ると、
巨大な杉の木が、
両側に並んでいた、
参道の杉の木は一本もなかった、
切り倒され丸太となって、
積み重ねられていた、
津波の塩害、
これ以上は倒れることを考えて、
伐採となったという、
以前ならば鬱蒼と茂った杉林の右手にあった、
瑞巌寺の洞窟群、
今は、
陽に曝されてあった、
津波の傷跡は癒えず、
ただ、
瑞巌寺の奥に、
杉並木が、
取り残されたようにあった、
小さな茅葺の門と、
砂岩の刳り貫かれた門の向こうに、
巨木の主がおわさった、
絞り出される呻き声を聴く、
鎮魂、