答えは現場にあり!技術屋日記

「三方良しの公共事業」をモットーに、辺境の高知のそのまた辺境から、土木技術者のオジさんが泣き笑いの日々を届けます。

『苦しまなくて、いいんだよ。』(プラユキ・ナラテボー)を読む

2017年04月30日 | 読む(たまに)観る
苦しまなくて、いいんだよ。
プラユキ・ナラテボー
Evolving

 

プラユキ・ナラテボーさんはタイ上座部仏教の僧侶。日本人である。

知らなかった。

というか、その存在すら知らなかった。

書中、プラユキさん(どっちが名字でどっちが名前かわからんのですが、プラユキさんというほうが語呂がよいので)さんが言うところによると、人間関係における見方や対応には「自我的」なものと「瞑想的」なものがあるという。

 

たとえばこう。

自分の意見とか自分の気持とかジブン、ジブンって感じで、自己中心にモノを見たり言ったり行動したりするのが『自我的』。

それに対して、相手も自分も客観的に平等に見て、その視点から言ったり行動できたりするのが『瞑想的』。

そしてこう。

相手の表面に現れる言葉にすぐ反応しちゃうのが『自我的』。

それに対して、相手の言葉をいったんグッと受け止めて、その言葉の奥にある相手の思いや願いにまで思いを馳せられるのが『瞑想的』。

はたまたこう。

問題が生じたとき、すぐに白黒をつけようとするのが『自我的』。

それに対して、その問題を通して学んだり、相手との関係をより良くしていこうとするのが『瞑想的』。

(Kindle版位置No.1145~1151)

 

もちろんプラユキさんは、「瞑想的」な見方や対応を是としている。もう少し説明していただこう。

 

いやいやながら同調するでもなく、『我』を強く主張するでもない、すなわち賛成するでも反対するでもない中道的な見方や対応というのが『瞑想的」と言っていいかと思うんだ。(位置No.1163)

 

おやおやそれはいかがなもんだろうか、と思って読み進める。

 

受容っていうのはね、『賛成』でも『反対』でもないんだよ。相手の言葉、そしてその奥にある気持ちをあるがままに、まずまるごと受け入れちゃうってことなんだ。(No.1170)

 

そう言われるとわかる。だが、字面でわかる、という程度にしかわからない。

すると、とてもわかりやすい言葉が出てきた。

 

『ああ、あなたはそういった気持ちで、そういう言葉を発してるんだ、なるほどね~。ふむふむ・・・・』といった感じにね。(No.1176)

 

そしてトドメ。

 

私のほうがいい意見なんだから、あなたのはダメよ』でもなく、『あなたのほうがいい意見だから、私のはダメだ』でもない。相手の意見も自分の意見も、その奥にある両者の気持ちも、まずは、あるがままに平等にまるごと尊重してあげる。こうしたモノの見方、これがいわゆる『共感』ってやつだね。(No.1182)

 

なるほど、よ~くわかった。

「まずは、あるがままに」という部分がもっとも肝心なところなのだ、ということが、よ~くわかった。

もちろん、「頭でわかる」ということと「身体がわかる」ということは別物。つまり、理解したようなつもりでいても、実践するとなるとこれがどうして・・・ということはしょっちゅうあるわけで、「わかった」が「わからない」のスタートラインに過ぎないのもまたいつものこと。

そういう意味での「よ~くわかった」ではあるにしても、とりあえずのところは、「よ~くわかった」。

ということで、「でわ」とばかりに腕組みをして宙をあおぎ、現実のもろもろを思い浮かべてみる。


う~ん、さて・・・・


やはり、「わかった」は「わからない」のスタートラインに過ぎなかったのであるよ。

 

 

 

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ドカターのモノローグ

2017年04月29日 | 土木の仕事

『人口減少克服へ!四国で”仕事を創る”』という番組を見るとはなしに見ていた。NHK四国ローカルのプログラムだ。

参加者たちが、やれイノベーターだのやれクリエーターだの言うのが耳障りで仕方なかったのへ持ってきて、某国立大学の某教授が「高知にはグローバル・ニッチ・トップ企業があって・・・」とかナントカ言うのを聞き、思わず呑んでいた土佐鶴を吹き出しかけた。

 

こんな輩にかぎって、プレミアムフライデーだなんだにうつつを抜かしていると相場が決まってるんだ。

イノベーターがどうとかクリエーターがどうとか、

はたまたグローバルでニッチでトップがどうとか、

四の五の言ってないで働け。

とにかく働け。

 

なんて勝手に決めつけ独りごちる。

そんなわたしは辺境の土木屋、グローバルにもニッチにもトップにも縁がないからこそ、コミュニティー志向で生きていかねばならぬと思い定めた土木屋である。くだんの参加者ばりに言わせてもらえば、さしずめ「ドカター」といったところだろうか。

と、突然降りてきた「ドカター」という思いつきに、オジさんすっかり気をよくし、

 

オレたちの仕事だって、こう見えてけっこうクリエイティブなんだぜ~

 

また独りごちた。

 



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『我らイワケン株式会社』(そのだつくし)という贈与・2

2017年04月28日 | 土木の仕事

『我らイワケン株式会社』がまた届いた。前とはちがう方からの贈与だ。

当然のこと、もう一度取り上げなければならない。

ということで、『我らイワケン株式会社』アゲインである。

この冊子は、「そのだつくし」さん作の本編の他に、作業中に拾われたネコ「ガンちゃん」と、イワケン専務の岩手太郎の息子「ハジメくん」が担当するコラムとを間にはさむのが主な構成だ。白状すると、不真面目なわたしは、まずマンガだけを読んで他は読まなかった。この前、ここで取り上げようとしてはじめて読んだような体たらくである(編集委員さんゴメンナサイ)。

その他にも、巻末に、『共に創ろう岩手の未来 私たちの夢・希望』(日刊岩手建設工業新聞創刊60周年記念特集より転載)という企画もあるのだが、

 

 

これまた白状すると、字が小さいため読む気が起こらず、今日、また取り上げようとして、さすがに全部読まねば気がひけるとばかり、今はじめて読んだような体たらくである(編集委員さん、本当にゴメンナサイ)。

で、読んでみてどうだったか。「字が小さいため読む気が起こらず」などというおのれを猛烈に反省した。岩手で建設業に従事する若い人たち(作業員さんや技術屋さんや事務屋さんなど)が語る「私たちの夢・希望」に、いたく感激してしまったのである。

せめてもの罪ほろぼしに、いくつか紹介したい。

 

・一番は岩手の復興に貢献したいという思いです。中学生の時に東日本大震災を体験し、親戚が被災した様子も見ました。地域の復興のために働き、未来を築き上げていきたいです。

 

・自分が携わった道路や橋を通った時に、地域のため、子どもたちの未来のために役立っていると思うとうれしいです。若者が魅力を感じるように、建設業の魅力を表現することは難しいが、まずは自らの現場から魅力を発信し、その小さな種が、将来花開いてくれればと思っています。

 

・人と接すること、地元とのつながりを大切にしています。今、一番必要なことは信頼だと思っています。地元から信頼される人材となり、地域に貢献していきたいです。

 

・震災対応も当初の修復から復興に移り、さらに今後は発展へと変わっていく中で、まちも自分自身も共に成長していければと思っています。

 

 

それにしても岩手県建設業協会、さすがなのである。




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消しゴムで消せない言葉

2017年04月27日 | ちょっと考えたこと

例の前復興大臣の言葉に日本中が唖然とした(と信じている)その日、わたしもまた、「それをいっちゃあオシマイよ」的言葉を吐いてしまっていた。

家での夕餉、そのことを女房殿に打ち明けると、

「アレと比べたらダメ」

「あなたは絶対にあんなことは言わない」

と励まされたのだが、

「もちろんそりゃ喩え。けどオレにもそんなふうなことをしでかす可能性はあるのだ」

と、妙なところで言い張ったわたし。

思うに、このごろ少し、「吐く言葉」が軽い。

もともと重くはなかったが、いつもに増して軽い(ような気がする)。

「書く言葉」ではない。口をついて出る言葉がだ。

「書く言葉」は消しゴムで消せる。どころか、PCにキーボードで入力する形の「書く」では、消しゴムでエッチラオッチラ消す必要もなく、Deleteキー一発ですべてを帳消しにできる。ところが、「吐く言葉」はそうはいかない。自らが発音することで世間にリリースされた言葉は、その刹那から、消そうとしても消すことができない。まだそこらへんに漂っているかもしれない自分自身の言葉をひっつかまえて、くしゃくしゃっと丸めてゴミ箱に捨てる、なんて芸当はどこのどなたであろうとでき得ない。

もちろん、「東北でよかった」などという言葉をわたしが吐くとはゆめ思わない。あの人の場合は、常々そう考えていたのだろう。「アッチの方だからよかった」という言いぶりにそれは表れている。そして、思っていることや考えていることはついつい口をついて出てしまうものだ。そういう意味では、わたしもまた、心のなかに潜めたつもりの棘や闇をいついかなるときにさらけ出してしまうやもしれない。他山の石以て玉を攻むべし。あらためて言葉のこわさ、大切さを実感した。

そうそう、「東北でよかった」といえば、宮城県南三陸町の佐藤仁町長がこう言ったそうだ。


前大臣の発言は残念だったが、震災から6年がすぎ、震災の風化が進む中で、被災地を思い出し、応援するメッセージが広がることは本当にありがたく心強い。


前大臣の発言に関連して、ツイッターなどで「東北でよかった」というハッシュタグをつけ、東北出身であることを誇りに感じたり、東北の魅力を伝えようとする投稿が相次いでいることを受けての発言だという。

あのどうしようもない発言については、「残念だった」という程度に抑え、ポジティブで未来志向のコメントとなっている。

正しいオジさんとは、すべからくかくありたいものだ。

そう思った。




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『我らイワケン株式会社』(そのだつくし)という贈与

2017年04月26日 | 土木の仕事

 

岩手県建設業協会がつくった広報マンガをいただいた。

『我らイワケン株式会社』(そのだつくし)だ。

わたしに向けた贈与ということはすなわち、ここで紹介してネ、という依頼に他ならない。

ということで、その気持ちズシッと受けとめ紹介する。

感想。

いい。じつにいい。等身大の地域建設業を描くことに成功しているからいい。そして、昨今よくある広報マンガとは、そのクオリティーという面で明らかに一線を画している。

わたしの思うところ、その最たる要因は「そのだつくし」という作家を起用したところにある。つくしさんの絵がなかったら、この「普通感」とハイクオリティーは実現していなかったのじゃないだろうか。

そんななか、わたしがもっとも印象に残ったシーンがこれ。

 

 

 

 

 

 

 

この想いは、「最後まで読んでいただき、ありがとうございました」という「あとがき」にも詰まっている。全文紹介するので読んでいただきたい。

 

 

 建設業の”やりがい”として『スケールが大きい仕事』、『地図に残るような仕事』、『人の役に立つ仕事』などがあげられます。道路や橋、堤防やダム、学校やビルなど、スケールが大きくて地図にも残り、まさに人の役に立つ仕事が建設業です。

 ただ今回、このマンガで紹介した内容の多くは、地図には残らないかもしれませんが、まさに人の役に立つ「縁の下の力持ち」として、建設業が果たしている「地域を守る」仕事でした。建設業の日常の仕事を飾ることなく紹介することで、地元建設業の「熱意」「心意気」を知ってもらいたかったからです。我々の熱意を受け止め、真剣に取材や執筆に取り組んでいただいた漫画家のそのだつくし様に、心より感謝申し上げます。

 第2話のコラムでハジメくんが言っていましたが、「道路」は”見えないところをちゃんと作ることが大切”です。どのような仕事でも「目には見えないところまで手を抜かない」ことは共通しています。マンガを通じて建設業のことを少し詳しく知ってもらって、皆さんが将来の仕事について考えるきっかけにしてもらえれば幸いです。

 最後に建設業という仕事の魅力を一部紹介させて下さい。

 ・身につけた技術や資格によって、地域の発展や安全に貢献できること

 ・技術さえあれば年齢を重ねてもずっと仕事をしていくことができること

 ・一つの現場を多くの人が力を合わせて作り上げること

 ・同じものを作ることがなく、日々成長できること

 ・自然と向き合って仕事ができること

 ・スケールが大きくても小さくても、人の役に立てること

 

 

読むとわかるように、少年少女向けの文章だが、いささかトウが立ったこの辺境の土木屋の胸につまるものがあった。本編のマンガを含め、ぜひ地元の中学生たちに読んでもらおうと思っている。岩手県建設業協会さんでは、中学校や高校をはじめ、図書館、関係各所などに配布するとともに、ホームページでも読めるようになるという。

『我らイワケン株式会社』(そのだつくし)という贈与。贈与は贈与者に直接返すことでチャラになるものではなく、別の誰かに贈与することではじめて贈与への返礼が成り立つ、という「贈与と返礼のサイクル」にもとづいて紹介させていただいた。ぜひ皆さんも一読し、多くの人に紹介してもらえたらありがたい。


それにしても岩手県建設業協会、さすがである。




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「背中をつつかれる」ということ

2017年04月25日 | ちょっと考えたこと

今朝の高知新聞に載っていた笑福亭三喬さんのコラムに興味深い話があった。

彼が大学生時代に所属した落語研究会、その設立のエピソードだという。

当時、その大学では新たにクラブをつくるのには最低5人のメンバーが必要だったというが、どうしても一人足りなかった。初代会長の西谷さんは苦肉の策で、ある日の授業中、前に座っている西田という青年の背中をつつき、こう持ちかけたという。

 

「落語研究会をつくりたいから、名前を貸してくれないか」。一方の西田はコーラス部の立ち上げを目指しており、お互い名義を貸し合う幽霊部員となりました。後にコーラス部は自然消滅、西田は落研に専念することとなります。

この西田勤がなにあろう、桂文珍さんです。あの日、あの時、後ろの西谷が背中をつつかなければ、桂文珍はこの世に存在しなかったのです。

 

誰にでも「背中をつつかれた」経験はあるはずだ。そして誰にでも「背中をつつく」他人の存在がある。その他人が、自分の背中を「つつく」指を、まず「余計なもの」と受け取り門前払いするスタンスで渡る世間を生きるか。なんだかよくわからないけれど、ちょっと話を聞いてみようというノリを採用して生きるか。ほんの少しばかり心の持ちようを違わせるだけで、その先の展開が大きく異なってくる。

いや、異なってくることもあるし、何にも変化がないときもある、というのが正解だろう。渡る世間というやつは、ときとして劇的ではあるが、ふだんの暮らしがそうそう劇的であるはずもない。しかし、「背中をつつく」他人の存在を、「うっとおしい」と感じるマインドからは前向きな何かが生まれる余地はない。たとえあったとしても、その未来は推して知るべしだとわたしは思う。「背中をつつかれた」という事実は、ほんの入り口に過ぎないが、まずは感じること。ときには勘違いもあったりするが、まずは感じること。すべてはそこから始まる。

 

好奇心、向上心、行動力。

久しく口にすることがなかった「私的3K」を独りごちてみた。

 

 

 

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Led groooover のニューアルバム『豪傑』

2017年04月24日 | 高知県

 

豪傑
Led groooover
Level Do

 

Led groooover

https://www.facebook.com/Led-groooover-786497831386888/

高知出身の若者2人のギターユニットだ。

(旧名IGOSSO)

Led groooover(ロッククラシックギターデュオ)のブログ』いわく、

 

Led(レッド)は発光する電気です

groooover(グルーバー)は、カッコいい人、イカした人という意味です。

我々がこの世界で長く光り輝き続ける存在になりたいという意味合いで本来は2つのoの数は敢えて4つにしました。

 

とのこと。

ひょんなことから縁がつながった。

(もちろん太鼓打ちのほうのわたしと)

彼らのニューアルバム『豪傑』、


豪傑
Led groooover
Level Do

 

今日からこいつが、

会社への行き帰り、また現場への行き帰りのお供となった。

快調快調 (^^)/


 

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『言葉が怖い』(向田邦子講演録)を聴く

2017年04月23日 | 読む(たまに)観る

言葉というのは音に出さなくても、心のなかに、あるまとまったことを思えばそれは言葉だと思うんです。

 

そんなふうに「言葉」を定義づけする人を、わたしは寡聞にして知らなかった。

 

「言葉でごはんを食べる」ようになって20年になりますと、昔は無意識に使っていた言葉が、このごろになってどんどんどんどん怖くなってきまして、言葉というものをちょっと自分なりに考えて見るようになりました。

 

向田邦子講演録『言葉が怖い』は、そんな感じで始まる。


言葉が怖い 新潮CD (新潮CD 講演)
向田邦子
新潮社



そして、「書く言葉」は消しゴムで消せるが、

 

人を相手にしゃべった言葉は、一回口から出てしまいますと、「あ、いけない」と思っても、もう消せないんですね。で、あやまったりすると、あやまる言葉がまた相手を傷つけて、もっともっと傷が大きくなったり・・・、言葉ぐらい人を傷つけてしまうものはないと思うんですよね。 

 

というのが「言葉が怖い」という理由のひとつだと彼女は言う。

「書く言葉は消しゴムで消せる」

「しゃべる言葉は、口から出てしまうと消せない」

ここいらへんは、ついついそそっかしく言葉を発音してしまい(言葉を口から出すという行為を「発音する」という。この表現もはじめて聞いた。新鮮だ。)、気づいたらあとの祭り、なんてことがよくあるわたしのような人間にはよくわかる。特に、

 

書く言葉は消しゴムで消せますけれど

 

というくだりは、「書く言葉を消しゴムで消す」という体感と、「発音した言葉を消そうとしても消せない」という体感の両方をともなって、痛切にわかる。

 

そして、「言葉は人間の持っている最高の武器」である反面、「人間の持っている一番の凶器」にもなり得る両刃の剣だからこそ「もっともっとていねいに使わないといけない」と言い、そんな「言葉」とともにあるという営みを、「大変なものをかかえこんで暮らしてるんだなあ」と淡々と語る彼女の声を、朝に夕に聴きながら車を運転する日々。

それでいてなお、

 

人を相手にしゃべった言葉は、一回口から出てしまいますと、「あ、いけない」と思っても、もう消せないんですね。で、あやまったりすると、あやまる言葉がまた相手を傷つけて、もっともっと傷が大きくなったり・・・

 

を図らずとも実践してしまう日々。

だからといって、局所的に「黙る」という戦術はありにしても、基本的なところでは「黙りとおす」わけにいかないのがわたしという人間なのだから、であればこそ、「もっともっとていねいに使わないといけない」と自分自身に言ってきかせる日曜日

新年度になったかと思えば、はやゴールデンウィーク直前の日曜日。

しゃべる相手もなく独りデスクに向かう。

 



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言葉の生活

2017年04月22日 | ちょっと考えたこと

 

言葉が怖い 新潮CD (新潮CD 講演)
向田邦子
新潮社

 

生まれてから死ぬまで、

五百の言葉しか持ってない人よりも、

二万も三万も言葉を持ってる人のほうが、

人生としては豊かなんじゃないかと思うんです。

その言葉の数のなかには、

いい言葉も悪い言葉もあったほうがおもしろいんじゃないかと思うんです。

みんながNHKのアナウンサーみたいに、

気取った声でしゃれたよそゆきの言葉だけ使ってたら、

たしかに言葉の先生はお喜びになるかもしれませんけど、

あたしたち台詞を書いたり小説を書いたりする人間は手も足も出ません。

やっぱり訛りがあったり、地方の特色があったり、性格があったり、

下品な人は下品な言葉、短気な人は短気な言葉、

バカヤローもチクショーも、みんなあったほうがいいと思うんです。

ただ、汚い言葉、下品な言葉と同じぐらい、

上も下もあるように、上の方にも洒落たおもしろい言い方、人とちがう言い方・・・

今日あんな言葉を覚えたとか、子どもが言葉を覚えるように新しい言葉を使いこなして、

下品な言葉と同じくらい言葉の数があって、言葉の数が多くて・・・・

つまり、

人はみんな一冊の辞書をもっていると仮定したときに、

薄い上品な辞書よりも下品でもいいから分厚い辞書を持って、

それを毎日おもしろく豊かに使いこなしていたら、

格別おもしろい話はなくても、

その人の言葉の生活というのは、きっと豊かになると思います。

(向田邦子講演録『言葉が怖い』より)

 

 

今さらながらではあるが、このごろ、自分自身の語彙の少なさ、表現力の乏しさに、ほとほとあきれかえってしまう。悲しくなることもある。

たとえばこのブログで駄文を書いているとき、同じ言葉、同じ表現が繰り返し出てくるときに、努めて、ちがう言葉、ちがう表現を使おうとするのだが、いかんせん、わたしの頭のなかの「辞書」は薄い。

今という時代はよくしたもので、その薄さをインターネットという途方もなく「分厚い辞書」が補ってくれたりするが、それはあくまで補足にすぎず、使用者たるコチラに素養としての「分厚い辞書」がないかぎり同じことだ。「辞書の薄さ」はそこかしこに表出する。

 

生まれてから死ぬまで、

五百の言葉しか持ってない人よりも、

二万も三万も言葉を持ってる人のほうが、

人生としては豊かなんじゃないかと思うんです。

 

今さら、二万にも三万にも、とてもとてもなり得はしないが、せめて五百が六百に、いや五百を千にと夢想する。

「欲」である。

アレもほしい、コレもほしいという「欲」である。

齢(よわい)59になっても、おのれの分限と能力をわきまえず、「分厚い辞書」を持ちたい、たくさんの言葉がほしい、それを豊かに使いこなしたい、と足掻いている。

いやはやまったくまことにもって、「欲」である。

 

 

 

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これがイソベのおじさんだ

2017年04月21日 | オヤジの情報発信修業

 

こんなものをつくってみた。

安全啓発ポスターだ。

いつものように元ネタがある。

ご存知、『道路工事中につきご協力を・・・』から拝借したもの(「これが道路工事のおじさんだ」)にアレンジを加えてみた。

(nikumaruさん、いつも勝手にお世話になってます)

 

このごろは、3Dしかり、より現実に近いものを、よりリアルなものを、という方向に流れている。そういうわたし自身にしてからが、まちがいなくその流れに乗って走っている(速いか遅いかは別として)。

そんななか、そうでないものがあってもいいじゃないか、という趣旨で、いわばどおってこともないこのポスターを紹介してみた。

そういえば、昔のテレビには手書きがあふれていた。新聞にも週刊誌にも、字にしても絵にしても、いたるところに手書きがあふれていた。

 

 

 

テクノロジーの進歩とともに、いつのまにか「手書き」はその姿をあまり見なくなってしまったが、今また、いつのまにか復活しようとしている気配がわたしにはする(ひょっとしたら気づくのが遅い?)。それは純然たる「手書き」ではなく、あくまでも「手書き風」といったものではあるが、少なくとも「味気ない」PCフォントから脱却しようという流れは確たるものとしてある。

だからその流れに乗ってみた、というと、いささか大上段にかまえすぎかもしれない。こんなんもアリじゃないか?と思ったわたしの近ごろの感性が、すでにその時点で、そういった空気に影響されたものなのかもしれないからだ。

いやいや、それでもカッコをつけすぎだ。なんのことはない。有り体に白状すると差別化を図ろうとしている。

きのうの「フォントの話」にしてからがそうだ。たしかに、「伝える」ため「わかりやすく」するため、という目的ではある。しかし、その一方で、差別化を図るためでもある。そしてその副次的な産物としてマンネリを防ぐ、惰性におちいらないために少しずつ変化を加えていく、という目論見でもある。

 

「これがイソベのおじさん」だもの。

独りほくそ笑む。

 

 

 

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