答えは現場にあり!技術屋日記

還暦過ぎの土木技術者のオジさんが、悪戦苦闘七転八倒で生きる日々の泣き笑いをつづるブログ。

その後の「切実な思い」

2018年09月13日 | 土木の仕事

ライターの大石さんから「例の記事、掲載されました。」というメッセージが届く。載ったメディアは『施工の神様』。さっそく、教えてもらったアドレスをのぞいてみたら、こんなタイトルが目に飛び込んできた。


俺ら点数取りたいんですわ!」「よっしゃ、教えましょう!」県境を越えた建設会社の不思議な関係



あいかわらずキャッチーなタイトルやなあ(悪い意味で)、と気恥ずかしくなったが、いい記事だ。紹介する。

記事中、こんな箇所がある。わたしと高木建設さんとの出会いを描いた文章だ。


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ついに礒部組にたどり着いた高木軍団一行。重苦しい緊張感に包まれていた。「とにかく緊張していた」(高木社長)。そんな高木軍団に対する宮内部長の第一印象は「こいつら、ギラギラしちゅう(笑)」。その緊迫した感じにむしろ好感を持ったと言う。県外から訪ねてくる同業者はこれまでにも何社かあった。はるばる来ているのにもかかわらず、「エイカッコ」する人間が多かったからだ。高木軍団の醸し出す正直さと覚悟に心を打たれたことが、宮内部長の心を動かした。

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このことについては、実名は伏せてだが、『切実な思い』と題して当ブログで書いたことがある。こんなふうにだ。


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(『切実な思い』2018.06.25)

20日ほど前、県外からお客さんが来た。初見の方たちではない。あちら側が来社するのは3度目で、1回だけだが、こちらから訪問をしたこともある。行ったり来たりの始まりは、あちらさん側のアクションからだった。1年半ほど前のことだ。

とあるところでわたしの話を聴いたという若い経営者さんが、「これが僕らの目指す方向だと確信した」という。それから半年後、つてを頼って訪ねてきてくれた。

ただでさえ熱量が他人さまより少しばかり多いわたしだもの、そんな熱い想いを告白されてうれしくないはずがない。「三方良しの公共事業」の真髄を伝授して差しあげようと、肩肘張って待ち構えたが、先方さんのリクエストは「どうすれば工事成績がアップできるか」、ひらたく言えば「工事評定点をあげる方法を教えてくれ」だった。

「そっちかよ」

そのストレート過ぎる要望に、心中思わず腰砕けになったわたしだったが、それも一瞬のこと。すぐに思い直し、わたしが伝えられることはでき得る限り伝えることにした。「そんな入り口があってもいい」からだ。はじめの一歩は各人各様。なんとなれば、今でこそエラそうに理念を説くわたしにしてからが、スタートはまぎれもなく「点数アップ」だったのだし、今でも、公共建設工事を生業とする地場建設業の番頭たるわたしにとってそれは、相変わらず至上命令のひとつとしてある。

二つ返事で引き受けたもうひとつの理由は、彼らが発散させていた「切実さ」だ。「切実な思い」は人を動かす。渡る世間は生易しいものではなく、多くの場合、「思い」だけで人は動かないのが現実だとはいえ、ときとして「切実な思い」が人を動かす。わたしのようなおせっかい者ならなおさらだ。

この10年のあいだ、「何かをつかもう」とこの地を訪れてくれた人々はたくさんいる。袖触れ合うも他生の縁、でき得る限りオープンな態度で接してきたつもりだ。なんとなれば、かつてのわたし(たち)がそうやって、厚かましくも他人さまのところへ押しかけては何かを学びとり、それを自らの環境向けに翻訳し土着化を図るという行為を繰り返してきたのだもの(もちろん現在進行形です)、わざわざ赴いてくれる他人さまを邪険に扱うことなどできるはずがない。

だとしてもだ。

こちらが披瀝する情報量とそれを伝えるときの熱量は、まことに申しわけないが、相手によってそれ相応に変化してしまう。そうなる要因は何か。「切実さ」は、そのなかでも大きなひとつだ。「困っている」という現実を赤裸々に吐露できる開き直り、「何とかしたい」という身を焦がすような願望、そして「わからないけどやる」「何とかするのだ」という覚悟。それらをごちゃまぜにした「切実な思い」が人を動かす。余人はいざ知らず。少なくともわたしは、その思いに動かされる類の人間だ。

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この文章とセットで大石さんが書いた『施工の神様』の記事を読んでもらうと、なおおもしろい。と、まことに手前味噌ながらそう思った。

えーい、毒くらわば皿までだ。ということで『施工の神様』に3度目の登場、御用とお急ぎでない方はぜひ、ご笑覧あれ。




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