風の果て〈下〉 (文春文庫) | |
藤沢周平 | |
文藝春秋 |
読み始めたら、朝に夜に一気(といっていいだろう)に読んでしまった『風の果て』。
ああ、やっぱり藤沢周平はいい。
文体がいい。テンポがいい。風景の描写がいい。人間の描写もいい。
などと思いつつ読み、結局、「土木の話」でもなんでもなかったのはご愛嬌。
新田の開墾が物語の太い横糸としてあることと、そのための測量や労働などの描写があることから、なんとなくそんなイメージがわたしの頭のなかにインプットされてしまっていたのだろう。かつて、「悪魔のような記憶力を持つ男(笑)」と言われたわたしだが、今となってはまったくもってあてにならない。
又左衛門は顔を上げた。澄み切った空を顫わせて風が渡って行った。冬の兆しの西風だった。強い風に、左手の雑木林から、小鳥のように落ち葉が舞い上がるのが見えた。
- 風が走るように・・・・・・。
一目散にここまで走って来たが、何が残ったか。
ああ、好きなんだよな、こういう文章。
(最後にもうひと捻りあるからこそいいんですが、それを書いてしまうと品がないのでやめておきます)
さて次は・・・・何を読もうか。
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