答えは現場にあり!技術屋日記

「三方良しの公共事業」をモットーに、辺境の高知のそのまた辺境から、土木技術者のオジさんが泣き笑いの日々を届けます。

「第1回重機オペレーター技能大会」という催しが盛岡競馬場であるらしい。

2018年08月08日 | 土木の仕事

サイトを見るなり思わず目を見張り、胸のときめきを抑えきれなかったわたしなのである。

そのサイトは『いわけんブログ』、サイトの主さんは(一社)岩手県建設業協会。思わずときめいてしまった記事は、『重機オペレータ技能競技大会の開催について』。

8月7日、きのうのものだ。

 

 

以下、『いわけんブログ』から引用する。


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(一社岩手県建設業協会は、会員企業に所属する重機(パワーショベル)オペレーターが運転・操作の技能を競う「重機オペレーター技能競技大会」を開催いたします。

 建設現場において、重機オペレーターによる作業は欠かすことが出来ない重要な仕事です。また、自然災害等が発生した際には、その最前線で緊急の応急対応に従事することもあり、重機オペレーターの技能は地域を守るためにも継承されなければならない技能と言えます。

 本競技大会は、技能の更なる向上と”やりがい”の創出により、ひいては将来的な技能継承に繋げることを目的として開催いたします。

 協議内容は、現場で実際に行う作業を想定した内容となり、多くの方々に重機オペレーターの技能を知って頂ける機会になることを期待しております。

 どなたでも無料でご観覧いただけますので、希望する方は下記により申込をお願いいたします。

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何がいいってアナタ、その拠って立つメインを、「技能」としてるところがいい。「多くの方々に重機オペレーターの技能を知って頂ける機会になることを」目指して「どなたでも無料でご観覧いただけます」というのが、なおいい。やれアイコンストラクションだ、やれICTだと喧しい今、使うマシーンやツールを云々するのではなく、人が機械をどれだけ操れるかという「技能」を競うというのがいい。いやわたし的には、競わなくてもなんら不都合はないのだが、やはりそこはそれ、競技大会という体裁にしたほうが、やりがいがあるというものだろう。

技能や技術を修得する道にショートカットはない。

速くたどり着ける道や方法はたしかにある。

だがそれは、進取の気性であったり、いつでもどこでも誰からでも「学ぶ」ことができるオープンマインドな感性であったり、その「学び」をさらに深くさらに大きくするためのたゆまぬ努力であったりと、各人各様が磨いた方法やスタイルでたどり着いたのであって、断じてショートカットではない。

極論すると、アイコンストラクションあるいはそのツールとしてのICTは、国を挙げて、ショートカットをする方法を開発し、近道をするすべを手に入れようという話である。わたしがアレに「なんだかなあ」と思いつづけているのは、たぶんそこのところへの違和感なのだろうと思っている。

とはいえ、悪いばかりの話ではない。そもそもいかにして生産性を向上させるか」という議論自体が、そういった類の話なのだ。そこからイノベーションが生まれる。否定はできない。否定をしては、シビル・エンジニアとしてのジ・エンドだ。

だが、「土木の仕事」をなりわいとして日々を生きるのであれば、忘れてはならないことがある。避けては通れないものがある、というべきか。

「地球を相手にする」仕事としての「土木」でもっとも大切なものは、その繰り返しから生まれた「経験と勘」であり、人間固有の「経験と勘」こそが「土木を土木たらしめる」大きな要素なのである。あくまでもメインは人間で機械はサブ。「ICTにより人手がいらなくなるから生産性が上がります」というお題目はけっこうだが、そこのところの認識が欠けた議論は空虚だとさえわたしは思うのだ。

こと重機においてはなおさら、そんな空気が蔓延するこの業界のなかで、重機オペレーターの技能にスポットライトを当てる。ほとんど鬼神の技かと見紛うような「技能」を有するオペレーターは日本全国に数多いるはずだ。相当な人がわたしのすぐそばにもいることから考えれば、それは容易に想像がつくところである。中島みゆき姉が歌ったところの「草原のペガサス」たちだ。

主役は「草原のペガサス」たちと、「草原のペガサス」たちが持つ「技能」。「技能」もまた人間固有のものであることを思えば、これに胸が踊らずして、何にワクワクするのか。


県建設業協会が主催するというのがまたいい。

それはつまり、「自ら発信する」という行為であり、

「おぼんのような世界」は自ら情報を発信(物語=プレゼンテーション)できないことで、好き勝手に解釈されている。つまり自ら情報を発信しない限り「なんだかわからないもの」は「なんだかわからないもの」のままなのであり、それは好き勝手に解釈されるものでしかないのである。(『桃知利男の浅草的ブログ』より)

http://www.momoti.com/blog2/2008/06/post_251.php

という桃知さんが10年前に喝破した悪しき状況を打ち破るための行動である。

そしてそれは、近ごろ喧伝される「担い手確保」のための大きな武器となると、この報を受けてそう思い始めた。

売り物は何?と問われれば、それは「技能」と「技術」である。特にバックホウの操作技術のように目で見て理解でき、かつ一般の人(特に子どもや若年者)にとっては驚嘆の対象となるであろう「技能」には、「あこがれ」に昇華する可能性がある。マシンコントロールの重機が動いているところを見たところで、「へ~、そうなんだ」とテクノロジーの進歩に驚くだけで、「ぼくもやってみたい(なりたい)!」と考える人はそれほど存在しないのではないだろうか。

 

競技は「法面整形」と「積込み」の2種類。

大会のフィナーレでは優勝者とICTバックホウのエキジビションマッチもあるというのはご愛嬌だろうが、「ご愛嬌」という小技を用いるのも、情報発信においては重要なテクニックだ。

岩手建協の結果報告と今後の展開を想像し、独りわくわくする辺境の土木屋なのだった。

 

 

 

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