答えは現場にあり!技術屋日記

「三方良しの公共事業」をモットーに、辺境の高知のそのまた辺境から、土木技術者のオジさんが泣き笑いの日々を届けます。

行動を保留状態にする

2018年03月03日 | ちょっと考えたこと(仕事編)

あいも変わらずこと仕事においてはスピード優先主義である。いや、「主義」といっても信奉しているわけではない。もちろん脳と身体の奥底には長年つちかってきたスピード優先主義があるけれど、いささかトウが立ってきた今となってはそれも是々非々だということぐらいは十分すぎるほど承知している。ただ、習い性である。身についている。その、身についたスピード優先主義がときおり悪さをする。興に乗ると特にだ。矢継ぎ早に処理しようとして、テンポよく事を進めようとして、ついついエラーをしてしまうことがあるのだ。もちろんそこには大きな失策もあれば、本人以外にはエラーと判別できないぐらい小さなものもあるのだが、内面的な事情からいうとその小さなヤツがけっこう堪えてしまうことがある。ごくごく小さかった悔悟の念が徐々にその存在を大きくして、ボディーブローのようにじわじわと効いてくるのだ。

あゝ、なぜあそこでいったんスピードをゆるめ、

これでいいのか?

という疑念を持って考えてみなかったか・・・

うじうじ・・・

てなもんである。

やはり肝要なのは、いったん速度をゆるめてみたり歩みを止めてみたりすることだろう。デヴィッド・ボームが説くところの「行動を保留状態にする」というやつだ。

 

しかし、そうした行動を保留状態にすると考えてみよう。あなたは自分でも知らなかった想定に気づくかもしれない。(『ダイアローグ』、デヴィッド・ボーム、P.69)

 

ダイアローグ――対立から共生へ、議論から対話へ

デヴィッド・ボーム著

金井真弓訳

英治出版

 

 

じつはこのセンテンスの前フリは、「自分を怒らせるような想定を誰かから聞いた場合、あなたの自然な反応は、腹を立てるか興奮するか、またはもっと違った反撃をすることだろう。」であり、その次に「しかし、そうした行動を保留状態にすると考えてみよう。あなたは自分でも知らなかった想定に気づくかもしれない。」という言葉があったあと、「逆に想定を示されたからこそ、自分にそうしたものがあったとわかったのだ。他にも想定があれば、明らかにしてもかまわない。だが、どれも保留しておいてじっくりと観察し、どんな意味があるかを考えよう。」とつづく。つまり、わたしがここで言おうとした趣旨とは異なり、状況が見えなくなるまで怒りを高めることは他人の敵意によって自分の敵意が誘発されることになるのでそれを阻止するためにもいったん自分自身の「想定を保留」してみよう、という意味で使われている。 

だがそれはそれとして、わたしはこの「行動を保留状態にする」や「想定を保留する」という言葉を、様々な場面で自戒のためのキーワードとして脳内に潜ませている。『ダイアローグ』のなかの文脈どおり感情的になりすぎないようにするために、あるいは目の前の事象や人物を正しく理解するために、はたまた習い性となったスピード優先主義を抑制するために、などなどだ。

たしかに、いったんスピードに乗れば自らそれをゆるめたくはない。テンポよく事を進めたい。リズム感もたいせつだ。しかし、そこで少しばかり速度をゆるめようと、思い切って立ち止まろうと、実際のところは大勢に影響がない場合がほとんどにちがいない。むしろそこで、異なったテンポやちがうリズムを入れてみることのほうがよほど有用だったりもするはずだ。

あゝそれなのにソレナノニ・・・

なぜあそこで・・・

うじうじ・・・。

な~んてことを、夜中、蒲団にくるまり考えていた。

あゝあれは、夢か現(うつつ)か幻か。

「行動を保留状態にする」

あるいは

「うぉーく・どんと・らん」

あらためて、肝に命ずべし。



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