答えは現場にあり!技術屋日記

「三方良しの公共事業」をモットーに、辺境の高知のそのまた辺境から、土木技術者のオジさんが泣き笑いの日々を届けます。

チャリン ~スループットアップについて

2018年02月19日 | ちょっと考えたこと(仕事編)

有り体に白状すると、株式会社ユニフロー代表取締役社長の石橋さゆみさんが行った事例発表については、事前に渡されていたプログラムに目を通して知ってはいても、「へ~、そんなのもあるんや」程度にしか考えてなかった。そんな具合だから当然のこと、ユニフローという会社に対しても下調べのひとつもしていない。ところがドッコイ、そんなわたしのヤル気のなさとは裏腹に、始まってみるとこれがおもしろくてタメになるのなんの。特に、プロローグが終わり「やったこと」と題された実践例へとその話が移ったあたりから俄然おもしろくなってきて、ついつい身を乗り出して「ふむふむナルホド」と聴きつつ熱心にメモをとる辺境の土木屋60歳。そのなかで、もっとも興味を惹かれたキーワードが「チャリン」だった。

「チャリン」、つまり「生」のお金のことである。

たとえばそのなかのひとつが、「原価率の高い(利益率が低い)案件は取らないほうがいいのか?」という話。

ある案件は10万円の販売価格で原価率が60%、すると利益額は4万円になる。もうひとつの案件は1,000万円で販売価格が高いが原価率が80%とかなり高い。利益額は200万円だ。企業としてはどちらを優先するべきか(もちろんこの場合の販売価格にはわざと大きな差をつけているのでそこに惑わされたらダメ。あくまでも考え方の問題としての例です。たぶん)。それまでは利益率が高い(=原価率が低い)案件を優先していたものを利益額優先の考えに変えていった。そしてその議論をするプロセスが、営業サイドが「チャリン」で考えるようになるキッカケをつくってくれたと石橋さんはいう。

「ああ、この考え方好きなんだよね~。」と内心深く同意するわたしは、ずっとそう考えてきたし実践もしてきた。ついでに言うとわが社のボスもそうだ。わたしたちのあいだではそこんところは共有できている。わが社の共通言語たるCCPMの基本もそうだ。「だがしかし・・・・、それが社内で共有できてるんだろうか。どれだけの人間がその考えにもとづいて仕事ができてるだろうか。」と今さらながらの不安が首をもたげてきた。悪いクセだ。その話者がおもしろければおもしろいほど、われとわが身とその環境のことなどに置き換え聴いてしまう。もそっと素直にまっさらな心で聴けないものかネ、とアタマを掻きつつつづきを聴く。

またたとえば、「利益額1000円へのこだわり」という話。

907,000円の品物を5%ディスカウントしたら861,650円になった。多くの場合、1,650円をカットして860,000円というキレイな数字に丸めて手を打つ。事実、そうしていたという。だが、カットしたその1,650円といういわば端数は純然とした利益額なのだと石橋さんは言う。利益額を増やそうとした場合、それはとても重要な端数、つまり「チャリン」なのだと。これについてはけっこうな数の異論が出そうだし、それを実際やる(できる)かどうかは各社各人の置かれている環境によって異なるだろう。だが、「そのようなものなのだ」とか「そうしてきたから」という漫然とした意識で仕事をすることによって見逃されている利益はたくさんある。少なくとも「あるかもしれない」という懐疑の念を持つことはとても大切な心持ちなのであり、そのときに関係者間で共有する思想あるいは共通言語として「スループット会計による事業判断」を採用したことがこの会社の業績アップにつながったろう。「スループット会計による事業判断」において目指すべきは「スループットの増大」、それがすなわち石橋さん言うところの「チャリン」と同義なのである。

うん、わかりやすい。

そして、おもしろい。

おもしろくてタメになる。

5日経った今でも、わたしの脳内では「チャリン」という音が鳴りつづけている。


 

「チャリン」の話をする石橋さん

 

 

 

  ↑↑ クリックすると現場情報ブログにジャンプします

 

 発注者(行政)と受注者(企業)がチームワークで、住民のために工事を行う。

コメント