答えは現場にあり!技術屋日記

「三方良しの公共事業」をモットーに、辺境の高知のそのまた辺境から、土木技術者のオジさんが泣き笑いの日々を届けます。

『おらおらでひとりいぐも』(若竹千佐子)を読む

2018年02月01日 | 読む(たまに)観る

 

おらおらでひとりいぐも 第158回芥川賞受賞
若竹千佐子
河出書房新社

 

『おらおらでひとりいぐも』が届く。

Amazonに本を注文してから何日が経っただろう。納品までこんなに時間を要したのは、これまでに経験がない。さすがは芥川賞受賞の人気作品だ。それにしても・・・

西部邁が亡くなったといっては遺作を注文し(これはまだ届かない)、風変わりな題名を持つ芥川賞受賞作があるといっては注文し、いつのまにわたしはこれほど流行りに棹さすミーハーな人間になってしまったのだろう。

と自問自答してみたが、なんのことはない、もとよりそういう性質がないことはない、まあそれはそれでいいではないか。ということで、『おらおらでひとりいぐも』を読み始める。

「あら、買ったの?流行りの本を買うなんて珍しいわね」と女房殿が声をかけてきた。

「そう、おもしろそうやったキ。ついね。ところであんた、この題名読める?」

「おらおらでひとりいぐも」

さすがわが妻は「ネイティブみちのきあん」である。スラスラと訛って読んだ。

「やるなあ。じゃあ、ここ読んでみて。」

それではと、初っ端のページを開けて本を渡す。

 

あいやぁ、おらの頭(あだま)このごろ、なんぼがおがしくなってきたんでねべが

どうすっぺぇ、この先ひとりで、何如(なんじょ)にすべがぁ

何如(なんじょ)にもかじょにもしがたながっぺぇ

てしたごどねでば、なにそれぐれ

だいじょぶだ、おめには、おらがついでっから。おめとおらは最後まで一緒だがら

あいやぁ、そういうおめは誰なのよ

決まってっぺだら。おらだば、おめだ。おめだば、おらだ

 

ほぼパーフェクトに訛って読んだあと、「この人、宮城?」とわたしに訊く。

すぐさま調べてみると若竹千佐子さんは岩手県遠野市出身、なるほどそういえば宮城県北部の方言と同じかもしくは似た言葉がたくさんある。それにしても・・・

芥川賞の受賞が発表されて以来、あっというまに10万部を超え、まだまだこれから売れつづけるであろう『おらおらでひとりいぐも』だが、これほど訛った小説を、東北地方に縁もゆかりもない人たちはすんなり読めるのだろうか。さわりを一読したところ、テンポがその魅力の大きな部分を占める小説のようだ。ということはつまり、テンポよく読めないと魅力が半減してしまうということだ。

と、そこまで考えて、「いやいや」と頭(かぶり)を振る。他人の心配をすることはない。自分が気分よく読めばよいだけではないか。そう考え読み進めていると、途中、あることを思いついた。

ひょっとしてコイツは、音読したほうが楽しめるんじゃないか?

さっそくその思いつきを試してみる。

新鮮だ。

これはイイ。

声に出して本を読む。子どもたちに絵本を読み聞かせたことを除けば、いったいいつ以来だろう。小学生のときでさえ、自分ひとりならば音読などした記憶はない。わたしにとって読書とは、あくまでもひとり静かにじっと黙ってするものなのだ。

あゝしかし・・・声に出して読むと、ふだんの半分ほどのスピードでしか読み進めることができてないような気がする。

だが、まあいい。それもまた一興ではないか。思いつきが正解だったことにニヤけつつ、『おらおらでひとりいぐも』を音読する早朝。3分の1ほど読んで時計を見るとまだ5時半である。

よし、お次は明日だ。じっくり読もう。

本を閉じたあとも、まだ訛りの余韻が口の中に残っている。

イイ年をこいてなんということだろう。朝の音読が待ち遠しいなんて。

 

 

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