答えは現場にあり!技術屋日記

「三方良しの公共事業」をモットーに、辺境の高知のそのまた辺境から、土木技術者のオジさんが泣き笑いの日々を届けます。

わが奈半利町が「市区町村ごとの人口あたりのスナック軒数」で栄えある全国第5位だったこと

2017年11月22日 | 読む(たまに)観る

 

日本の夜の公共圏:スナック研究序説
谷口功一、スナック研究会
白水社

 

 

本研究会の調べによるなら、日本に存在するスナックの数は概算10万軒を超えており、美容院(23万)、不動産屋(12万)、居酒屋(8万)などの業種と並ぶ、膨大な店舗数を誇っている。(位置No.143)

 

へ~、そうなんだ。

 

対人口比でのスナック軒数は、上から順に1宮崎県、2青森県、3沖縄県、4長崎県、5高知県、6大分県、7鳥取県、8秋田県、9山口県、10佐賀県となっている。(同158)

 

高知、堂々の5位。

言われてみればたしかに多い。

 

次に市区町村ごとの人口あたりの軒数に目をやると真に驚くべき事態が出来することとなる。その順位は、1京都市東山区、2名古屋市中区、3大阪市中央区、4大阪市北区、5高知県奈半利町、6広島市中央区、7神戸市中央区、8沖縄県北大東村、9福岡市博多区、10熊本市中央区となっている。(同173)

 

高知県奈半利町、栄えあるBEST5。

一瞬、「そうか?」と首をひねったあと、1、2、3・・・と指折り数えてみると、たしかにあるある。といっても、近ごろでは「奈半利」より他所で呑むほうが圧倒的に多くなったわたしが知っているのは、ほとんどが何十年もつづく店ばかりだ。あそこにあそこ・・とスナックが店を連ねる箇所を思い浮かべると知らない店のほうがきっと多い。してみれば、たしかに人口3千人余りの小さな町にしては多すぎるほど多い(念のためことわっておくと、その存在は周辺市町村の住民の社交場としてあり、奈半利町民だけが客筋としてあるのではないが)。

それにしても全国5位とは・・・。

ふるさと納税で一躍全国に名を馳せたわが奈半利町が(わたしは住んでないが、会社があるから「わが」みたいなもんだ)、もうひとつの目玉として「スナック」をウリとし、たとえば「町内スナックスタンプラリー」とか「全国スナックサミット」なんて昨今流行りのイベントを開いたりしたら、またたとえば沖縄県北大東村とスナックつながりで姉妹町村になったら、はたまた「終着駅(奈半利はごめん・なはり線の終着駅がある町)」と「スナック」という昭和チックで哀愁ただようカップリングで何かを仕掛ける・・・

などなどとその有りさまを想像し、独りニタニタしながら『スナック研究序説 日本の夜の公共圏』(谷口功一、スナック研究会)を読む。「スナック研究会」という怪しげなネーミングからはほど遠い学術的な論考がほとんどの、きわめて真面目な書物である。

第1章 スナックと「物のあはれを知る」説

第2章 行政から見たスナックー夜の社交を仕切る規制の多元性

第3章 夜遊びの「適正化」と平成27年風営法改正

第4章 スナック・風適法・憲法

第5章 カフェーからスナックへ

第6章 〈二次会の思想〉を求めて

第7章 スナックと「社交」の空間

第8章 スナックの立地と機能

こうやって章を並べただけでも、その一端がうかがい知れるはずだ。

このなかで、わたしがもっとも興味を惹かれた稿は、『第六章〈二次会の思想〉を求めてー会の時代における社交の模索』(河野有理)だ。


「近代日本に社会はあるか」などとことさらに問われることがある。

 

というセンテンスで始まるこの稿が、おもしろいのだ。

たとえば、こんなところである。

 

 日本人の「共同生活」「共同生存」の様式の変遷を記述しようと試みたその『明治大正史 世相編』(1930年)において柳田國男の筆は、当時の日本における「会」のあり方にも及んでいた。「会のできやすいことも日本は世界無類」だが、それが「潰れたり、命のないもの」になったりすることも非常に多いというのである。柳田の見るところ、その原因はやはり、同時代の日本人が「会」するにあたり「酒」と「女」を適切に位置づけることに失敗しているためであった。「国が一つになったということを、案外に新しく意識した国」として日本人は、いまだに異なるバックグラウンドを背負った人びとの間での社交に習熟していない。そのため社交に伴う緊張感に耐え切れず、「酒」をコミュニケーションの道具として「濫用」してしまう。同様のことは「女」についても言える。柳田にとって近代とは、「酒」と「女」が、新たに生じた葛藤を緩和するための道具として、「イエ」の外にくくり出される過程なのであった。(同2081付近)

 

社交に伴う緊張感に耐え切れず、「酒」をコミュニケーションの道具として「濫用」してしまう。

 

酒を愛してやまない、そして、コミュニケーションツールとして「酒」に勝るものはないと信じてやまないわたしでも、いやだからこそ、このセンテンスが腑に落ちて、「いやはやまったくこりゃまいったネ」とアタマを掻きつつ読む。

それにしても・・・

ふるさと納税で一躍全国に名を馳せたわが奈半利町が(わたしは住んでないが、会社があるから「わが」みたいなもんだ)、もうひとつの目玉として「スナック」をウリとし、たとえば「町内スナックスタンプラリー」とか「全国スナックサミット」なんて昨今流行りのイベントを開いたりしたら、またたとえば沖縄県北大東村とスナックつながりで姉妹町村になったら、はたまた「終着駅(奈半利はごめん・なはり線の終着駅がある町)」と「スナック」という昭和チックで哀愁ただようカップリングで何かを仕掛ける・・・

悪くない。

とまた、くだらぬ妄想をたくましくしつつ、人口あたりのスナック軒数全国第5位の奈半利町で働くオジさんが、『スナック研究序説 日本の夜の公共圏』(谷口功一、スナック研究会)を読む。

 



 

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