林英哲
晶文社
太鼓は「訛っている」ことこそ、重要な美点(武器)なのです。
という言葉の前段に書かれているセンテンスは、
地域の特徴を生かした「郷土芸能」であることが存在意義になっている太鼓では、「共通語」でしゃべることは何の価値にもなりません。
マイ・フェイバリット・タイコウチたる林英哲さんが書いたこの本。
ああそれなのにそれなのに、
最初に読んだのはいつごろだったのか、
太鼓を初めてからまもなくだったという記憶だけはある。
そもそもそういう私は、四十路を越えてからの「太鼓打ち」修行であり、
六十路にさしかからんとする今となっては、
技術の習熟と体力の衰えが同時に進行するという現実と
どうにかこうにか折り合いをつけながら生きる「太鼓打ち」なれば、
『あしたの太鼓打ちへ』を再読してみたとて、
「あした」があるやらないやら定かではないが、
あらためてぺらぺらとめくってみると、
なかなかに含蓄のあることが書かれており、
ぼちぼちと読ませていただくこととしよう。
とかナントカ思いつつ、
さしあたっては、
残された太鼓打ち人生を、せいいっぱい「訛って」過ごしていこうと、そう決意したあと、
「太鼓」という言葉をこう置き換えてみたらどうなんだろう、とふと考える。
地域の建設業は「訛っている」ことこそ、重要な美点(武器)なのです。
いやはやまさに言い得て妙。
独り悦に入ってほくそ笑む私なのである。
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