プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

田辺湾・神島での海ゴミ調査

2009-11-06 22:52:22 | インポート
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 先日、田辺湾・神島(かしま)での海ゴミ調査&クリーンアップイベントを開催しました。(イベント内容については下記サイトをクリック)
 http://homepage3.nifty.com/creole/kasimasoujitour.htm 
 
 シーカヤックでは人の入って来れない海岸線や無人島などに容易にアプローチできるのですが、そこに新しい発見があると同時に、海ゴミの実態ってやつをまざまざと思い知ることにもなります。なんでこんなところに? って感じの無人の海岸線に死ぬほどゴミがたまっている状況に辟易とするわけですが、そういうことは普通に日常生活を送っている限り、なかなかわからないものです。しかし実際、ゴミだらけの海岸線がかなりたくさんあります。

 海ゴミは、直接海洋や海岸に投棄されたものよりも、陸から発生して行きついたものが大半を占めます。水は川を伝って低きに流れ、やがて海にたどり着くように、ポイ捨てや風に舞う、など何らかの形できちんと処理されなかったゴミも、雨水を介して大部分海にたどり着きます。特に台風や梅雨末期の集中豪雨などが毎年毎年必ず起こる日本では、ぼくらが思っている以上にゴミは川を流れ、海にたどり着く確率が高くなります。
 そして海は、出口なしのゴミ終着駅となります。
 そうして溜まったゴミが国境を越え、行き交い、
 あるゴミは海面をただよい、あるゴミは海底に沈み、
 はたまたあるゴミは海岸線に漂着し、著しく景観を損ねます。

 拾っても拾っても、次から次へと陸から供給されるゴミ。
 もちろん潮の流れによってほとんど目立たない場所もありますが、
 一方潮の流れによって、たとえば太平洋のある場所には、
 テキサス州の2倍もの面積を誇る
 「太平洋ゴミベルト」と呼ばれるエリアもあります。
 (ナショナルジオグラフィックに写真も載ってます、下記参照)
 http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2009090903&expand
 
 ひどい話ですが、これらはみな、
 ぼくら普通の人間の日常生活シーンから発生したゴミが、
 流れに流れて海に行きつき、
 ちりも積もってテキサス州とかアメリカ大陸の大きさになったのです。

 海がある星は太陽系では地球だけで、
 海があるからこそ生命が存在し、
 宇宙からもひときわ青く美しく輝く宝石のように映るわけですが、
 このままいくと巨大なゴミ箱と化してしまいます。

 というわけである意味、拾っても拾っても全く意味をなさないといいますか、
 発生源を断たなければどうしようもないというわけですが、
 まずは、「いつ」「どこに」「どんなごみが」「どの程度」存在するのか、
 知る必要があります。
 
 アイランドストリームではNGO組織の「クリーンアップ全国事務局」の活動にリンクして海岸ゴミを拾いつつ、どんなゴミがどれくらいあるのか、を調査しています。全国各地さまざまな場所で春と秋に同様のイベントが開催され、その結果が事務局に集められ、さらに全世界で行われた結果がアメリカにある組織に提出されます。そうすることによって世界の中の日本、日本の中のこの海域、という具合にゴミの傾向がわかり、また発生起源を分析することも可能となってくるわけです。「そういう現状ならば、小さな無人島のゴミを調査しただけで何になるねん?」と思われるかもしれませんが、チリが積もってゴミベルトができたように、逆にチリのような努力も積もればパワーになると考えると、面白いでしょう。
 何事もシラケていると、できません。

 さて、田辺湾・神島(かしま)は、博物学者の南方熊楠が天然記念物に指定した、太古の植生がそのまま残る神々しい無人島ですが、通常は立ち入り禁止となっています。しかし今回、上記したような理由により田辺市教育委員会の特別許可を経て入島し、調査&クリーンアップを行いました。
 シーカヤックで島まで渡り、作業を終えて、再びカヤックにゴミ袋を積んで漕いで帰りました。
 
 黒潮の影響下にある海域の島ということで、遥か南方からやってきたゴミが多いのかと思いましたが、意外と日常生活シーンから出てくる、特に食品にまつわるゴミが多いということに気づきました(中でもプラスティック、製油製品系のゴミ)。
 理由の推測として
・湾の奥まった場所に位置すること
・浜は外洋側ではなく田辺市街の方角に面しており、沿岸から2キロほどしか離れていないこと
・今年7月の記録的集中豪雨で川を伝ってやってきた町のゴミがいつもに増して多い。
 などが考えられました。

 参加人数: 14人(うち2名は田辺市の職員の方)
 天候:くもり
 集めたゴミの量 33袋/83kg 

 多かったゴミベスト10
1:発泡スチロール破片 大 513
2:食品の包装・容器 372
3:発泡スチロール破片 小 259
4:飲料用プラボトル 218
5:プラスチックシートや袋の破片 203
6:ふた・キャップ 127
7:硬質プラスティック破片 97
8:飲料缶 86
9:苗木ポット 62
10:飲料用ガラスびん 61

 となりました。

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