クリスチャンとムスリムの対話

クリスチャンとの間にあったやり取り

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マルコ福音書7章19節

2008-12-01 13:50:30 | ムスリム間のやり取りから
「すべての食物を清められたのである」 は書き加えられた



MIさんの書き込み青字 2008年11月21日 (金)

旧約に、豚肉禁止の節があるのは知っていましたが、イザヤ書にもあったんですね。

私が持っている岩波の福音書は、新しい本がネットの本屋さんで売っていなかったので古本で買ったところ、
昭和39年に発刊された図書館のお下がりらしき本が届いたんですが、古い本のせいか、
問題の小型活字の部分と、大型活字のひらがなの部分とが同じくらいの大きさなので区別しづらく、更にややこしいです。
ちなみに、私の持っている(昭和三九年六月一〇日 第三刷発行)の岩波文庫 新約聖書 福音書によると


心に入らず、腹に入って、便所に出てゆくからだ。」――イエスは(これによって、人は何を食べてもけがれないことを教えて、)
すべての食物を清められたのである。
[マルコ福音書7章19節]


とあります。――イエスは、のあとの括弧をつけたところが小型活字の部分です。一緒に読んでいたら何を食べてもいいと思ってしまいますが…。
手を洗わずに食べることについて話しているのであって、神が禁じられたものまで食べていいとは言っていないのに、ずいぶん拡大解釈されていますよね…。
イスラームの本さんが引用なさった[マタイによる福音書 / 5章 17-18節]の部分を読んでも、そういう解釈だと矛盾しますし。


翻訳は、新共同訳と口語訳では言葉もだいぶ違いますし、言葉が違えば意味も違ってきますよね…。
イスラームの本さんがメモのページでも指摘されていましたが、新共同訳はおかしなところが多いですね。





心に入らず、腹に入って、便所に出てゆくからだ。」――イエスは(これによって、人は何を食べてもけがれないことを教えて、)
すべての食物を清められたのである。

[マルコ福音書7章19節 岩波文庫 新約聖書 福音書]



この、MI さんが挙げられた マルコ福音書7章19節 について、私も自分の手元にある聖書を開いてみました。

すると、( ) がありませんでした。

岩波版の「便所に出てゆく」 というのは、イエスのこの発言が食べ物に関するものであるという意味を付けるために意訳されていることもうかがえます。

それは人の心の中に入るのではなく、腹の中に入り、そして外に出される。こうして、すべての食べ物は清められる。」

[新共同訳]


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それは人の心の中にはいるのではなく、腹の中にはいり、そして、外に出て行くだけである」。イエスはこのように、どんな食物でもきよいものとされた。

[口語訳]



そこで、英語の版を見てみると、( )のついていないものもあれば、次のように付いているものもありました。

For it doesn't go into his heart but into his stomach, and then out of his body." (In saying this, Jesus declared all foods "clean.")

[Mark 7:19 (New International Version)]


岩波版では、「すべての食物を清められたのである。」は( )に入っていませんが、この英語版では、その文まで( ) に入っていますね。


さらに、イエスがこの話をしているのは、MIさんのおっしゃるように、7章2節の手を洗わない事が発端となっているようですが、

19節については、続く20-23節を読むと、食べ物のことを言っているのではなく、悪い思い、行いのことを言うたとえのように見えるのですが、どう思いますか?

さらに言われた、「人から出て来るもの、それが人をけがすのである。 すなわち内部から、人の心の中から、悪い思いが出て来る。不品行、盗み、殺人、姦淫、貪欲、邪悪、欺き、好色、妬み、誹り、高慢、愚痴。 これらの悪はすべて内部から出てきて、人をけがすのである」。

[マルコによる福音書 / 7章 20-23節 口語訳]



( )が付いているということは、元々はなかったということでしょう。それが口語訳や新共同訳では( ) が完全に消えて一体化してしまっています。





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 続き、以下はMIさんから


岩波版は実際は↓のような感じになっています。HTMLでこのように表示できるのを知らなかったので( )で表現しましたが、分かりにくかったですね…。


心に入らず、腹に入って、便所に出てゆくからだ。」――イエスはこれによって、人は何を食べてもけがれないことを教えて、
すべての食物を清められたのである。
[マルコ福音書7章19節 岩波文庫 新約聖書 福音書]



イスラームの本さんがお持ちの聖書に( )がない、というのは、( )内の文章はある、ということでしょうか。もちろん、訳が違うでしょうから同じ文だとは思っていませんが…。
新共同訳では、すべての食べ物は清められるっていうのが発言の中に入っちゃってますね…。

イスラームの本さんに言われるまで特に気がつきませんでしたが、19節はおっしゃるように、たとえみたいですね。15節を読むと特に。


すべて外から人の中にはいって、人をけがしうるものはない。かえって、人の中から出てくるものが、人をけがすのである。
[マルコによる福音書 / 7章 15節 口語訳]


あと、↓こちらもですが。

25:偽善な律法学者、パリサイ人たちよ。あなたがたは、わざわいである。杯と皿との外側はきよめるが、内側は貪欲と放縦とで満ちている。
26:盲目なパリサイ人よ。まず、杯の内側をきよめるがよい。そうすれば、外側も清くなるであろう。
[マタイによる福音書 / 23章 25-26節 口語訳]


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以下はイスラームの本から


ほんと、新共同訳では、「すべての食べ物は清められる」が発言の中に入っちゃってますよね!

岩波版は説明の部分が小さいフォントになっているのですね。意識しないで読んだら説明ごと聖書の言葉のように頭にインプットされそう。

私が( )がないと言ったのは、岩波版で説明として書かれている部分が、口語訳および新共同訳では( )もなく、小さいフォントにもなっていなくて、区切りなく書かれて説明も本文に溶け込んでいるということです。


2 コメント

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Unknown (MI)
2008-12-16 04:49:15
「聖書に書いてあること」のページから来たのですが、こんなにいろいろなページがあるとは驚きました。
全部チェックするの大変じゃありませんか??

掲示板で訂正したのですが、小型活字のことが伝わりにくくてすいませんでした。
MIさんへ (イスラームの本)
2008-12-25 10:36:26
たくさん読んでくださって、また、コメントをくださり ありがとうございます。

ほんと、あちこち散らばっているのでどうまとめたらいいのか分からなくなっています。笑

掲示板に説明を足して書いてくださったことを、こちらにも追記させていただきますね。

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