ISLAND日記

点在する日々のつぶやき…

楕円の木

2011-04-18 21:43:35 | 
千歳神社の近くの大きな木。
ふと見たら、枝が楕円を描いていた。
なんとなく中心が判る卵形・・不思議。

※中国語で楕円の楕は「木の切り株」の意味で「木の切り口」の 形から名けられたと考えられている。 日本では田畑の実際の形から「飯櫃」「平卵形」などと呼ばれていたが、関孝和は「側円」と呼んだ。江戸時代には多くは、側円と呼ばれ明治になって楕円と呼ばれるようになった。

「塩の街」有川浩 角川文庫

[BOOKデータベースより]
塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。塩は着々と街を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた。その崩壊寸前の東京で暮らす男と少女。男の名は秋庭、少女の名は真奈。静かに暮らす二人の前を、さまざまな人々が行き過ぎる。あるときは穏やかに、あるときは烈しく、あるときは浅ましく。それを見送りながら、二人の中で何かが変わり始めていた。そして―「世界とか、救ってみたいと思わない?」そそのかすように囁く男が、二人に運命を連れてくる。


ベストセラーになった「図書館戦争」シリーズの作者のデビュー作。
紹介文には『第10回電撃ゲーム小説大賞・大賞受賞作。圧倒的な筆力で贈るSFラブ・ファンタジー。』ともあるのだけど、これって軽く”ラブ・ファンタジー”なんて言えるものじゃなかった。

殆ど予備知識(裏表紙の上記の紹介文のみ)も無く読み始めたのが3月半ば過ぎ。
たぶん今回の震災と原発事故以前に読んだら感じるものはまた違ったのかもしれない。
災害と壊滅、復旧と再生、とその間にあるものの話。

主人公の二人が物語を繋ぐ鎖のような位置にいるため、ただストーリーを追うのでなく全体を俯瞰するような視線で1つずつのエピソードをたどって行くような気分になったことも、この人の他の作品とは趣が違うように思えます。
「喪失する」とはどういうことか、色々な形で考えさせられた小説でした。
そして生きる原動力になるもののひとつは、誰かに必要とされること、誰かを必要とする気持ち、他者への愛情なのかなと。

web KADOKAWA「塩の街」 立ち読み有り