ISLAND日記

点在する日々のつぶやき…

家守奇譚

2008-06-25 13:25:20 | 
「家守奇譚(いえもりきたん)」梨木香歩 新潮文庫書籍詳細
時代は今から100年ぐらい前(明治中頃?)、湖に水没し行方不明になった友人高堂の実家の管理人(家守)として暮らす綿貫征四郎。
四季折々に芽吹き育つ草木の繁る和風の庭で起こる不思議とその周りに現れる異形のものたちとの交流の記録。
日記のようなその記述にはそれぞれ植物の名前が題名として置かれています。
サルスベリ・都わすれ・ヒツジグサ・ダァリヤ・ドクダミ・カラスウリ・竹の花・ハクモクレン...

緑が生き生きして来る今頃の季節になると読み返したくなる本。
動植物のまとい付くような存在感を身体に感じる時期だからかな。
でもここに出て来る植物の植生はたぶん本州近畿地方のもの。物語の中の土地の様子からすると琵琶湖疏水辺り・・滋賀県。

読んでるうちに物語とは別に自分の思い出の場面が蘇って来たりする。
サルスベリは小学校の同級生だったもんちゃんちの大きな玄関の近くに植えられていた。
みんなで面子遊びをしたあとで、ツルツルスベスベした木肌に触ってたら、おじさんが「猿も滑って登れないからサルスベリって言うんだよ。」と教えてくれたっけ。
千葉の社宅に住んでいた頃、近くの家の庭の大きな木から壁を越えてつる下がって来てた夕方になってから咲くもわっとしたレース糸を被ったような花が秋になってあかいカラスウリになったのを見た時の驚き!
朱い実は子どもの頃に森で見たことはあっても花は知らなかったから。
実家の庭のサザンカや十五夜のススキそして桜、色んな随想が巡る。

ところで読んでるといつも思うこと・・これって漫画になったら面白い!
浮かんで来る絵柄は御伽草子風のものをたくさん描いてる坂田靖子、「蟲師」の漆原友紀。
全然作風が違うって言われるかもしれないけど、どちらもひょうひょうと淡々とした雰囲気が共通してると思うから。読んでみたいな。

今映画化で話題になってる「西の魔女が死んだ」とは全く趣が違いますが・・。
梨木さんの小説の中ではこの「家守奇譚」と「からくりからくさ」がお気に入りです。

●夏ドラマ
春ドラマがどれも最終回を迎えて次の予告が出始めた。
ずっと続けて観てたのは「絶対彼氏」と「ラストフレンズ」。どっちも「愛する」ってなんだろうって考えさせられてしまった。
夏ドラマは取り敢えず観てみたいと思うのをメモ
火曜9時 フジ「シバトラ木曜10時 フジ「コード・ブルー金曜10時 TBS「魔王
しゅ、趣味が...