ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

霰石3

2013-03-10 11:51:48 | 日記・エッセイ・コラム

昨日、またもや、一昨日の「霰石1」で出した球状霰石が売れました。ブログ登場の石が連日売れたのは初めてです。買われたのは富山からいらっしゃった常連の男性です。その男性は岩手県産の球状苦灰石と山形県産の球状砂質方解石を買われて一旦帰られたのですが、しばらくして戻ってきました。どうも先ほど自ら発見した球状霰石が気になってしまったそうです。常連さんはお店の中で採集をされます。掘り出し物は隠れた処に潜んでいる事をご存知のようでした。

さて、今日は「霰石3」です。

霰石は鍾乳洞でも産出します。そこではサンゴ状の鍾乳石になり、山サンゴとも呼ばれます。

Dscf3695
Dscf3697
Ely,White Pine Co.Nevada,U.S.A. 霰石(Aragonite)

この霰石は恐らく鍾乳洞で生成されたものだと思われます。上の写真の形状からは鍾乳石らしい特徴が見て取れます。下の写真は磨かれた裏面です。裏面には天然の美しい縞模様が表れています。その縞模様は美しさだけではなく、それがどのように成長していったかの記録も示されているのです。それはまるで樹木の年輪のようなものです。

Dscf3703
Espinas,Chiuahua,Mexico 霰石(Aragonite)

この標本も山サンゴの一種の霰石です。純白の鍾乳石のような形態が美しいと思います。下の部分が丸い粒状の集合体なのに、上の方に向かってトゲトゲの線香花火のような結晶に変化していっています。これも単に美しいだけではなくその成長変化を示しているのだろうと思います。

Dscf3691
Hettstedt,Harz Mountains.Germany 鳥の巣状 霰石(Bird's Nest Aragonite)

これはラベル原本には鳥の巣状霰石とありました。この標本がどんな産状で採集されたのかの情報はないのですが、これは恐らく鍾乳洞内のいわゆる洞窟真珠(ケーブ・パール)の一種と思われます。粒のひとつひとつは丸まっていますが、球体状のものは無く、中にはキューブ状のものもあります。この標本は数年前に名古屋の丸善での鉱物標本販売会で入手したものです。私はこれを入手した時期に、NHKのTV番組で氷渡洞(しがわたりどう 岩手県岩泉町)の番組を見ており、この標本そっくりのケーブ・パールの紹介があった事から、この標本を購入した覚えがあります。普通、鍾乳洞内のケーブ・パールは採集禁止です。ドイツでは可能なのか?と思いながらこれを購入しました。

そう言えば、つい先日、NHKの「世界の名峰 グレートサミッツ ブルガリア」という番組を見ていると、鍾乳洞のケーブ・パールが出てきました。そのケーブ・パールは小さいながらもほぼ完全な球体の形をしておりました。番組ではそのケーブ・パールをつまんでいました。うらやましいなーと思って見ました。

ケーブ・パールも魅力的な存在です。その存在そのものが貴重であるばかりでなく、それらには球状のものもあれば、キューブ状になるものもあり、その成因は不思議に満ちています。

本当に自然は面白いものを造り出してくれると思います。大自然に感謝!


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 霰石2 | トップ | NHK大河ドラマ オープニング... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日記・エッセイ・コラム」カテゴリの最新記事