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J来季外国人枠撤廃へ(5/23日刊スポーツより引用)

2018-05-24 00:05:00 | 野球、その他スポーツの話
Jリーグが外国籍選手枠撤廃の検討に入った。5月22日、東京・文京区のJFAハウスで実行委員会を開き、各クラブの代表者に伝えた。このほどヴィッセル神戸はバルセロナからアンドレス・イニエスタ(34)獲得に成功。すでに外国人選手枠が埋まっていることなどで、チームが不利益を受ける可能性がある。その改善策として来季からの外国人枠緩和&撤廃が実施される見込みとなった。


実行委員会の冒頭、原博実副理事長が各クラブの代表者に伝達事項を述べた。いくつかある検討事項の中に、外国人枠撤廃案が報告された。「外国籍選手枠の撤廃を本格的に協議していきます。Jリーグで検討し、ある程度の答えが出た時点でみなさま(Jクラブの実行委員)にも報告し、意見を求めます。あまり時間はかけたくない」と話したという。実施時期などの明言はなかったが、Jリーグ関係者によると来季からスタートする可能性が高い。

Jリーグは現在、外国人枠3人+アジア枠1人+アジア中心のリーグ提携枠1人の、1試合最大5人の外国籍選手がプレーできる。グローバル化やリーグ全体のレベルアップを図り、昨年末から外国人枠撤廃を検討してきたが、日本人選手の出場機会が減る可能性があることなどがネックとなり、協議のピッチは上がらず停滞していた。

しかし、イニエスタの神戸加入で風向きが急に変わった。今夏、神戸はスペイン代表MFイニエスタ獲得に成功。チーム力向上とともにホーム観客増員、さらに対戦チームの入場者数にも好影響を及ぼす可能性がある。サッカー少年少女が、まだ全盛期を過ぎていない世界的なスーパースターを生で見ることもできるなど、リーグ全体の活性化や日本サッカー界に及ぼす影響は大きい。

しかし、すでに神戸は外国籍選手枠が埋まっていることから、現行制度では現所属の外国人選手の1人は試合に出られない。場合によっては、イニエスタに押し出された形で、主力級の外国籍選手を他のクラブに放出する可能性もある。大きな資金を投資し、リーグ全体の底上げに貢献しながら、不利益を受ける可能性があるのは事実だ。

今夏からの急な制度変更は事実上難しい。今後は半年かけてシミュレーションし、協議を重ねて来季開幕からの実施になりそうだ。外国籍枠を完全撤廃するか、それとも1試合に出場できる外国人選手の数を、現行最大5人から増やすかを含めて検討していく。場合によっては近い将来の完全撤廃に向け、段階的な撤廃案でまとまる可能性もある。

◆プレミアリーグではこんな例も プレミアリーグは外国人枠を設けていないため、自国の選手を起用させるために「ホームグロウン制度」を設けている。22歳以上の選手の登録は最大で25人。その中で最低でも8人は21歳になるシーズンまでに3年間以上、イングランドまたはウェールズのクラブに所属する選手を入れなければならないという制度。09年に行われたボーンマス対アーセナルの試合で、イングランド出身選手が両チームに1人も入らず問題となり、イングランド代表も低迷していたことで、10-11年シーズンから導入された。

◆今季Jリーグの外国籍選手枠 登録は1チーム5人以内。試合にエントリーできる外国籍選手は3人以内となる。ただし、アジアサッカー連盟(AFC)加盟国の選手は1人だけ追加エントリーでき、Jリーグが提携国として定める国籍の選手も「提携国枠」として外国籍選手ではないものとみなされる。つまり、1チーム最大5人の外国籍選手の出場が可能。現在の提携国はタイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、シンガポール、インドネシア、マレーシア、カタール。オーストラリアとスペインも提携国だが、選手登録の提携国枠には含まれない。

引用記事はこちら



個人的な経験から、国籍によって就業の機会が著しく制限されることは好ましく思っていない。故に外国人枠の緩和には概ね賛成である(そのことは以前書いたNPBの「外国人枠」関連記事でも述べている)が、その事によるデメリットもある。よって緩和は「概ね賛成」というスタンスである。

私が考えるデメリットは「人件費高騰」と「日本人選手の雇用の問題」である。「人件費高騰」については各クラブの判断に委ねるとして、ここでは「日本人選手の雇用の問題」について少しだけフォーカスしたい。そもそも外国人枠というルールは、外国人選手が多く流入することで、日本人選手の雇用機会が減少しないようにする為という意味合いが強い。外国人労働者に国内労働者の仕事が奪われるのを防ぐ、という意味では移民の規制や、国際労働移動の障壁の一種だと言えよう。

その問題を一旦棚置きできるのであれば、外国人枠の緩和は大賛成である。競技全体のレベルアップにつながり、興業的にもメリットが大きいはず。個人的にはJリーグの英断を支持したい。(但し完全な撤廃となると日本人選手の雇用の問題の他に、代表選手の弱体化につながる恐れがあるので、ブンデスリーガのように自国選手を12人以上、地元育成選手を6人以上といったある程度の条件を伴う「緩和」が好ましいと考える)


余談だが、2005年JBL(バスケットボール日本リーグ機構)からプロリーグ派が脱退し発足したbjリーグは当初(2005-06~2007-08シーズン)外国人選手について出場登録・同時出場いずれも自由だった(※)。


主要クラブチームはスーパーリーグ(後のJBL)に残留したためbjリーグ全体のレベルは決して高くはなかった。しかし、個性豊かなタレントが揃ったbjリーグはエンタメ的要素も加味され、スーパーリーグ/JBLより圧倒的に魅力的なコンテンツに成長した。


但し、外国籍選手に広く門戸を広げていたbjリーグではあったが、社会人リーグであるスーパーリーグやJBLより競技レベルは低く、国外どころか国内においても認知度は低かかったため、思ったほど優秀な選手は集まらなかった。しかしJリーグはbjリーグに比べものにならないほど国際的認知度も高いリーグで、競技そのもののレベルも高く、大きなマーケットを抱えるコンテンツである。外国人枠が緩和されることで世界各国から優秀な選手が今より多く集結し、世界有数のリーグに発展する日もそう遠くはないかもしれない。

※しかし、bjリーグは2008-09シーズンから日本人選手育成の観点からアジア外選手の同時出場は3人、アジア人も含めた外国人は4人までとなっている。2010-11シーズンまでは第2Qに限り同時出場がアジア外2人、外国人3人となっていた。2012-13シーズンからは「外国人選手の同時プレイは第1・第3Qは最大2名、第2・第4Qは最大3名」と改正された。


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