いせ九条の会

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小泉元首相のふたたびの脚光浴びに私はあきれた/山崎孝

2009-02-14 | ご投稿
【小泉元首相:厳しく政権批判 郵政見直し「あきれた」】(毎日新聞HPより)

自民党の小泉純一郎元首相は12日、党本部で開かれた「郵政民営化を堅持し推進する集い」であいさつし、民営化を巡る麻生太郎首相の一連の発言について「怒るというよりも、笑っちゃうぐらい、ただただあきれている」と厳しく批判した。郵政民営化見直しの動きに対し、小泉氏が公の場で反論するのは初めて。首相は構造改革路線の転換を鮮明にしているが、小泉氏の「反麻生発言」を機に、党内の改革推進派の反発が一層高まり、政権内の亀裂がさらに広がりそうだ。

 会合には政権批判を強める中川秀直元幹事長や塩崎恭久元官房長官ら18人が出席した。(中略)

 小泉氏は総額2兆円規模の定額給付金の財源を確保する08年度第2次補正予算関連法案についても「本当に(衆院の)3分の2を使ってでも成立させなければならない法案だとは思っていない」と指摘。法案が参院で否決された場合の衆院再可決に疑問を呈した。その上で「参院の意見と調整して、妥当な結論を出してほしい」と見直しを求めた。(後略)

【コメント】小泉元首相が民営化を巡る麻生首相の一連の発言について「怒るというよりも、笑っちゃうぐらい、ただただあきれている」と批判しましたが、国会では郵政民営化見直し法案は、昨年12月に参院を通過し(民主党、日本共産党、国民新党、社民党が賛成)継続審議となっていました。11日の衆院本会議で採決され自民・公明両党の反対多数で否決されています。これを見れば郵政民営化成立当時に関する麻生氏の発言を除外すれば、それほど小泉氏が「怒るというよりも、笑っちゃうぐらい」というような政治的なピントのはずれた問題ではありません。

 郵政民営化見直し法案採決に先立って、日本共産党の塩川てつや議員が賛成討論に立ち、「郵政民営化から一年を経過して、政府・与党が主張してきた民営化のメリットなるものは、根底から破たんしている」とのべ、国民へのサービス後退や、郵政労働者の労働条件悪化などを告発しました。

 また、安心・安全という郵便局の信用のもと、「官から民へ資金を流す」の看板で、リスクの高い金融商品を売りさばくのは、「国家的詐欺といわれても仕方がない」と強調。郵政民営化を要求した「アメリカ金融業界が、日本と世界に押し付けてきた『金融の規制緩和』が何をもたらしたかは今や明白」「小泉内閣のすすめた郵政民営化に未来はない。根本から見直すべきだ」と主張しました。

 その上で、全国の郵便局ネットワーク、金融サービスの全国一律サービスの維持など、公益優先の経営への見直しには、国が日本郵政の株式を100%保有し続けることが不可欠の条件だと指摘し、「国民の財産である郵政の本来あるべき姿について、国民的合意をつくるべきとき」「私たちはそのために力を尽くす」と表明しています。

2月12日の小泉氏の発言をテレビ各局はニュースで朝から晩まで、そして翌日まで取り上げて放送しました。そのニュースには、今日の非正規雇用労働者の生存権を脅かしている状況と絡めて小泉氏への批判はほとんどありませんでした。これに対して私は腹が立ちました。

小泉氏に当時の麻生氏の郵政民営化法案審議に関する発言を批判する資格はありません。《08年度第2次補正予算関連法案についても「本当に(衆院の)3分の2を使ってでも成立させなければならない法案だとは思っていない」》という発言は、定額給付金がそれほど重要な法案という認識がなければ審議をしていた当時の衆議院で発言すべき筋合いの発言です。参議院で反対され否決されることは判っていました。

それにイラク戦争は誤りという世界の評価が定まっている状況になっても、小泉元首相はイラク戦争に賛成し加担したことについて、ひとことの反省の弁を語っていません。選挙民も劇場型政治に踊り、衆議院の議席を与党が3分の2まで与えたことをしっかりと反省しなければと思います。