いせ九条の会

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自らの路線が日本政府のジレンマを生む/山崎孝

2007-08-18 | ご投稿
【非核化協議にジレンマも 拉致への関心低下懸念】 (2007年8月17日付中日新聞)

【瀋陽(中国東北部)17日共同】日本政府は、中国・瀋陽での北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議の朝鮮半島非核化作業部会が、核施設の無能力化などで協議に入ったことを「一定の成果だ」(外務省幹部)としている。ただ安倍政権が最重要課題に掲げる拉致問題は依然停滞したままで「核問題が前進すればするほど、拉致に対する各国の関心が薄れかねない」(政府関係者)とのジレンマは解消されていない。

安倍晋三首相は16日、非核化への期待感を示す一方、「鉄の意志を持ってすべての拉致被害者の日本への帰国を目指して努力していく」と重ねて強調した。

だが、3月にハノイで開かれた1回目の日朝国交正常化作業部会では拉致問題で対立、物別れに終わった。今月中の開催で調整している第2回作業部会でも、拉致問題が大きく進展する可能性は低いとされる。(以上)

6者協議の合意による日朝国交正常化作業部会でしか、現在、日朝の外交の窓口が無いことは問題なのです。米国は昨年11月頃までは米朝二国間対話を拒否してきましたが、強硬路線から柔軟路線に変更してからは、米朝二国間対話の方が先行させ、6者協議を牽引するような形になっています。

安倍晋三氏は、拉致問題で対北朝鮮強硬路線を主導し、国民に北朝鮮の脅威を煽り、憲法改定に利用してきました。この路線が、日本政府がジレンマに陥った原因です。国際社会が圧力と対話のバランスを取ったのに対して、安倍晋三氏はバランスを著しく欠いていたのです。

安倍晋三氏の政治姿勢は昨年の北朝鮮のミサイル発射実験に対する対応に如実に現れています。

参考 【朝日新聞】「複数の政府関係者は『中国が拒否権を使うのなら仕方ない』と強気を崩さなかった。中国が拒否権を行使した場合に備え、中国のいない主要国首脳会議(G8サミット)で支持を訴える構想を語る関係者もいた」と紹介。また「外務省幹部が7月13日、『7章にこだわらない』と発言すると、安倍氏は外務省に『(最後の)1分1秒まで立場を貫け』と指示」と報道。

 【毎日新聞】 「外務省は当初から非難決議への譲歩を想定していたが、『安倍長官がネジを巻いた』(首相官邸筋)結果、麻生外相、谷内正太郎事務次官らが集まった7月7日の幹部協議で『中国に拒否権を行使させてもいい』と正面突破を図る方針を確認した」と報道。

国連は経済制裁と武力制裁を排除して非難決議をしました。安倍晋三氏の主張は敗北しました。