いせ九条の会

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品川正治さんの言葉《戦争は人や国家を狂わせる》/山崎孝

2007-03-27 | ご投稿
5月3日と4日に三重県に来ていただいて、講演をしていただくことになっている品川正治さんに触れた記事が、3月26日付朝日新聞「ニッポン 人物記/安倍政権の空気」にありました。以下、その記事の抜粋です。(一部改行を省略)

(前略)経団連会長、御手洗富士夫の持論は「国際競争力の強化、産業の引き上げ」だ。法人税率を引き下げ、労働法制を緩和してほしいと政府やし自民党に働きかけていた。銀行献金の曲折には、権力者と商売人の「越後屋・お代官さま関係が見える。

年が明けて経団連は、将来構想「希望の国、日本」を発表。「御手洗ビジョン」と呼ばれる。御手洗はこう序文に書いた。

「私は66年から89年まで米国で過ごした。アポロの月面着陸に代表される偉業から、ニューエコノミーまでの時期だ」。レーガン大統領の「強いアメリカの復興」が人々を勇気づけ、企業減税、規制改革などが空前の無栄につながる。「夢を実現する道筋を記すことが本ビジョンのねらいである」

経済成長を第一にすえる自民党幹事長中川秀直(63)の上げ潮戦略」とぴったり一致する。日の丸、君が代や憲法改正では、安倍の「美しい国」に波長を合わせた。

そんな御手洗経団連の姿に「こんなにまで政権にすり寄っていいのか異を唱える財界人がいる。品川正治(82)。経済同友会の終身幹事。「頼んだことを実現してもらおうと、おねだりしているようで見苦しいね」

一兵卒として中国戦線へ送られ、部隊は壊滅、九死に一生を得て復員した。中学教師をしたあと日本火災海上保険に入り、社長、会長に。戦争は人や国家を狂わせる。それが骨の髄までしみている。

「米国は問題を解決するのに軍事行動も辞さない。戦争を放棄した日本と価値を共有する国ではない」。レーガン政策は成長を高めはしたが、貧富の差を深刻にした。日本のめざす道ではないと品川は思う。(他の財界人に触れた部分中略)

ウシオ電機会長の牛尾治朗(76)は歴代内閣のご意見番だった。小泉時代、規制改革では宮内と、諮問会議では竹中平蔵(56)と気脈を通じた。長女は宮内の兄の三菱商事中国支社長、寛信(54)の妻。「いま表面に出ることは遠慮したい」と牛尾はいう。

旧制三高の先輩の品川は、同友会で代表幹事になった牛尾を専務理事として支えた。いま「藤原道長の心境だろうね」と冗談めかす。品川は、財界の勢いを「おごりだ」とみる。「民主導と言っても、しよせん業界の利益。経済は国民が主権者だということを忘れている」

品川の批判をどう思うか、記者会見で御手洗に聞いた。「価値観が違う人と議論しても神学論争になるだけです」(以上)

御手洗経団連会長は、66年から89年まで米国で過ごした時期のことに目を奪われていて、現在の米国の格差が拡大した姿、単独行動主義に走りイラク戦争で世界に大きく信用を落とした米国の姿、それに中南米の反新自由経済主義の姿をみず、肝心の日本の姿である企業がバブル期並みの利益を上げるのに比して、庶民にその利益が還元されていない姿、それどころか真面目に働いても生活保護の水準の賃金が受け取れない若者が多く存在する、この日本の姿を見ていません。白黒の決着のつかない神学論争ではなく、御手洗経団連会長が支持した小泉政権の行った施策の結果として社会に顕著にその現象が表れています。

品川正治さんの述べた《財界の勢いは「おごりだ」》です。

品川正治さんの述べた《「米国は問題を解決するのに軍事行動も辞さない。戦争を放棄した日本と価値を共有する国ではない」》《戦争は人や国家を狂わせる》に私は強く同感します。

品川講演会 
5月3日 午後2時 津センターパレス5階
4日 午後2時 いせトピア