いせ九条の会

「いせ九条の会」の投稿用ブログです(原稿募集中)。
会の趣旨に賛同される方、メールでご投稿ください。

非核化が前提/山崎孝

2007-05-12 | ご投稿
【駐韓米大使:「来年、米朝正常化も」非核化が前提】(5月11日付毎日新聞ニュース)

【ソウル堀山明子】バシュボウ駐韓米大使がウリ党国会議員団との会合で、北朝鮮の非核化を前提に「来年の今ごろ米朝国交正常化ができると期待する」と述べたことが11日、毎日新聞が入手した議事録で確認された。米高官が米朝国交正常化の目標時期を具体的に明らかにしたのは初めて。

米大使は会合でマカオの銀行バンコ・デルタ・アジア(BDA)の北朝鮮資金送金問題に関連し、「(凍結解除から)1カ月も消耗しており、進展が必要だ」と強調しており、北朝鮮に非核化を促す狙いがあるとみられる。

会合は、5月初めに訪朝したウリ党議員5人と9日に行われた。

議事録によると米大使は、ブッシュ米大統領の任期内に北朝鮮核問題を解決する意思があると強調したうえで、「米朝国交正常化が先行するのは短期的に難しいが、米国が(正常化前の)中間段階で信頼構築に向けた段階的措置を取るのは可能だ」と明言。具体例として北朝鮮のテロ支援国家指定解除や経済交流協力の拡大などを挙げた。

また米大使は、9月にシドニーで開催予定のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会談に触れ、「APECを前に朝鮮戦争を公式に終了させ平和体制構築のための協定に署名する準備がある」と述べた。

会合で米大使はブッシュ政権の対北朝鮮政策について「あまりに柔軟だと米国内で批判を受けている」と苦境を訴え、北朝鮮核廃棄に向けた初期段階措置履行が遅れれば「善意が消えてしまう」ともらす場面もあった。

【南北将官級会談:縦断鉄道試験運行に向け安保合意 板門店】(5月11日付毎日新聞)

【ソウル堀山明子】板門店での韓国と北朝鮮による南北将官級軍事会談は11日、南北縦断鉄道(京義線、東海線)の試験運行の17日実施に向けた安全保障合意書に合意し、閉幕した。これにより、朝鮮戦争中の51年6月に運行を全面的に中断して以来、56年ぶりに鉄道が南北軍事境界線を越える見通しとなった。

合意によると、試験運行が実施される17日は双方を刺激する行動を自制し、乗務員や貨物の安全を保障することなどを確認した。

会談で韓国側は試験運転を機に日常的に鉄道・道路が利用できるよう提起したが、北朝鮮側は当日だけの臨時措置にすべきだとして拒否した。恒常的な措置については7月初めの次回会談で引き続き協議することにした。

一方、双方は黄海での衝突防止策が必要との認識を確認した5項目の共同報道文も採択した。今後、共同漁業水域の設定問題や緊張緩和措置について議論を続ける。(以上)

憲法を守り、生かす運動の中で出される質問の中で、北朝鮮の脅威が話題にのぼります。私は朝鮮半島の情勢が劇的な変化を遂げていることを今までに述べてきました。毎日新聞のニュースを読むとその感じを更に強く持ちます。

東アジアの平和と安定は平坦な道程ばかりでありませんが、相手を力で脅かすのではなく、真に力のある者が寛容と融和の心を失わずに、この課題に取り組めばきっと道は開けます。米国に向かうかもしれないミサイルを日本が撃ち落すというような議論ばかりしていても何の意味もありません。そのような事態で、無傷でおられる国などありません。日本の周辺を平和な環境にすることが何よりも大切です。

次の文章は2001年3月10日付朝日新聞「声」欄に載せてもらった掲載文です。

【南北結ぶ鉄道「夢切符」喜ぶ】韓国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)で途切れている京義線の連結工事を韓国側地域で再開したと、6日の本紙で報じられました。昨年9月に着工、冬季の間は中断していたためです。

京義線の分断は、1945年の敗戦による日本軍の武装解除で北緯38度線を境にソ連軍と米軍に分割され、53年には朝鮮戦争の休戦ラインが結ばれた地域です。

日本の植民地支配とその後の米ソ冷戦がもたらした分断です。

二重の歴史の痕跡をとどめて、朝鮮の人々の当然の権利である、民族の独立と統一を抑圧したとことはいうまでもありません。京義線が結ばれるのは日本にとっても大きな関心事だと思います

4㌔分のレール購入費を集めようと、日本の支援グループが「夢切符」発売を始めたそうです。(4日の本紙)。「夢切符」とは復旧したときの乗車券をイメージしたもので、素晴らしい運動です。

朝鮮半島に不安定要因がある限り、軍備拡張をめざす国の格好の宣伝材料とされてしまいます。韓国の人々の熱い思いで金大中大統領の「太陽政策」が実を結びつつあるように、日本も国民の根強い世論で平和な環境づくりを進めていかなければならないと思います。(以上)

参考 最近発行されました「北朝鮮・中国はどれだけ怖いか」田岡俊次著 朝日新書 は、極東の軍事情勢の理解のために役に立つと思います。