いせ九条の会

「いせ九条の会」の投稿用ブログです(原稿募集中)。
会の趣旨に賛同される方、メールでご投稿ください。

ジャワ島地震で考える/山崎孝

2006-06-01 | ご投稿
ジャワ島地震が起こり多くの犠牲者が出ています。日本はこの地震に対応して自衛隊を派遣する準備を進めていて、5月31日に先遣隊19人が被災地に到着しました。2004年12月、スマトラ沖地震でも自衛隊は派遣されています。不幸なことですが、自然大災害による国際人道支援の機会が絶えず起こっています。

在日米軍再編は、在日米軍キャンプ座間(神奈川県)に米軍の統合作戦司令部を置き、これと併設して陸上自衛隊中央即応集団司令部が置く計画になっています。しかし、米国の軍事行動とタイアップして陸上自衛隊中央即応集団司令部を設けることより、ジャワ島地震などような海外の自然災害に即応する「海外自然大災害即応部隊」のような組織を自衛隊は編成するか、自衛隊、消防庁、赤十字などの人員で構成する一定規模の国際緊急支援組織を、今よりもすばやく一定規模で派遣できるようにした方が良いと思います。ジャワ島地震では自衛隊が被災地に到着する前に他国の軍隊が到着しています。

自衛隊は高速で長距離輸送できる大型輸送機の導入を考えていますが、これを軍事用に使わずに、人道復興支援に用いれば良いと考えます。

侵略戦争を行った日本は、自らを律するために憲法9条の規定を持ちました。そのため、軍事的協力、軍事的参加を必要とする国連憲章の義務は負わないとする、国連加盟申請書を出しました。この立場で国連平和維持活動を行うことは今後も理解されると思います。国連は紛争後の復興を支えるために新設する「平和構築委員会」の常設機関である組織委員会のメンバーに財政的支援による貢献度が高いと日本を選んだくらいですから、今後、憲法の規定内で平和維持活動を行っていることに対して日本の評価を下げたりはしません。

2年前に内閣府に国際平和協力本部に研究員制度が出来て、PKOなどに参加した経験を持つ民間人を集めて、さらに技能を伸ばしてもらうようになっています。

そのひとりの38歳の女性は、昨年春まで日本人で初めての女性の軍事監視員としてアフガニスタンで1年近く活動しました。軍事監視員の仕事は、軍閥解体のために武器を回収する、元兵士に職業訓練を受けさせ社会復帰を支援する活動です。この活動はDDR(武装解除―動員解除―社会への再統合)と呼ばれる作業の監視活動だそうです。DDRの活動資金は日本が出しています。

 自民党改憲案の、国際貢献と称して海外で武力行使が出来るよう憲法9条に変えようとしています。紛争地の戦闘が終息すれば可能なPKFやDDRもやれる日本が、直接的な武力行使で紛争を鎮圧する平和維持活動を、どうしても行わなければならない必要は認められません。この形の国連活動はまだ行っていません。コソボ紛争のときは武力行使で一方の側を鎮圧したのはNATO軍でした。この行動で余計に民族間の亀裂も生まれています。日本が憲法を変えてまで武力行使の伴う国際貢献なるものを行う必然性は見当たりません。