80分の1丁目16番地

ペーパースクラッチによる車両作りを中心に1/80、16.5ミリゲージの鉄道模型を楽しんでいます。

103系モハユニットの製作(10)

2016-12-30 19:19:24 | 中央東線周辺
こんばんは。当地今日も晴れて穏やかな1日でした。2016年もあと1日。ゆったりした気持ちで新しい年を迎えたいですね。


さて、年内完成は無理でしたが103系の車体がほぼ塗装目前の状態まで仕上がってきました。写真はサフがけと研磨を2度繰り返したところです。




あとはディティール工作に移るだけなのですが、相変わらずクーラーの位置が決まりません。103系師匠のこちらの方によると、車体中心から100mmズレているのが正解だそうですが、長編成サイドビューなど実車写真を見ると、ズレているようにも、ほぼまん中にあるようにも見えます。完全に真横からのショットでない場合もあるので何とも言えませんが。。

ちなみに天賞堂のモハ103(新製冷房車)の場合はこのように、車体中心からやや左(前位)寄りに設置されています。もしずれ量が100mmならば1.25mmのはずですが、さすがにそこまでずれてはおらず、せいぜい0.6~0.7mm程度のようです。やれやれ、年末にきて目の疲れが出たのでしょうか・・・???




AU75の説明図(PDF版)をもう一度見返してみると、AU75BS(東芝製)の図面に、車体中心とクーラーの取付中心の偏移量が100mmと表示されているのを発見しました。先日UPしたAU75BM(三菱製)の図面には出ていなかったのでわからなかったものです。なるほどこれが100mmずれの根拠なわけですね。




しかし100mmでは、上に書いたように天賞堂製品や実車の感じとずいぶん違ってしまいます。さらに図面とにらめっこすること30分、重要な点を見落としていることに気付きました。図面には「冷房機取付足中心」と書かれています。冷房機中心ではなく“取付足”中心なのです。ご承知のとおりAU75の取付足は前後対称ではなく片方にずれているので、これを補正すれば正解が得られるはず!


取付足中心からカバー端までの寸法は短い方(前位)が240mm、長い方(後位)が380mm(メーカーにより若干の差あり)なので、もし前後対称ならば前後とも(240+380)÷2=310mmずつになります。それが長い方は380mmあるので、クーラー本体基準でみれば380-310=70mmだけ後ろへずれていることになります。すなわち、車体中心とクーラー本体中心とのずれは+100-70=+30mm、1/80では0.5mmにも満たない量となって、これまた感覚的に合いません。。


さらに考えること30分。こんどは「113系車体中心」の表記が目に止まりました。てっきり103系も同じだとばかり思い込んでいたのですが、ひょっとすると違うのかも知れませんね。


上の断面図を見ると、クーラー基板の下側にZ型の部材が書き込まれています。これが屋根タルキすなわち枕木方向のアーチ部材で、間隔は688、675、667・・・と不均等ながら600mm台の間隔になっています。一方、103系のタルキ間隔を構造図で調べたところに、車体端部を除いて一律800mmとなっていました。明らかに間隔というか配置が異なっているようです。


ここでもうひとつの図面をみてみましょう。図の中に何か所かハッチを施された部分があます。下の注意書きによると『[/////]部ハ、圧縮機落込部及ビ冷却器用送風機吐出口、○○(読めず)ノ点検ノタメ、ソノ部分ノ屋根ニハ タルキ等ガナイヨウニシテ下サイ。』とのこと。クーラーに合わせて車体を設計せよとはずいぶん上から目線なクーラー様ですが、標準化という視点でみればある意味正しいといえます。
それはさて置き、このハッチ部分がタルキにかかってはいけないわけですから、103系もそれを踏まえた場所に設置されているはずです。




さきほどのAU75BSの図に103系のタルキ位置などを書き込んでみました。赤破線が車体中心、赤のZ字形がタルキです。中心から420mmと380mmになっていますが古い試作機(AU73X)の図面にしたがったもので、要は中心間隔は800mmです。これを見ると、右側の圧縮機については落とし込み部をかろうじて回避していますが、左側の赤破線で囲った「冷却器用送風機吐出口」にはわずかにかかってしまうようです。正確な図ではないので何ともいえませんが、もうタルキ半分か1本分程度=30mmくらい本体が左へ寄れば丸く収まりそうです。




ということで、103系のAU75「本体中心」の車体中心からのずれ量は+100-70+30=60mm、1/80で0.75mm。これでどや~!!(笑)



これはあくまで推測ですので、賢明な読者の皆さんはマネしないでください。



ということで前段が長くなりすぎたので、製作状況を駆け足でご報告します。
妻面に縦樋とキャンバス止めをつけます。キャンバス止めはKSモデルの101系用で、屋根Rと幅を少し修正しただけでピタリと収まりました。




モハ102の2エンド側妻面には冷房用配電盤を表現。ペーパーを四角く切り抜いただけです。




三方コック蓋もKSのパーツです。




ランボードはパンタ用がKSパーツ、クーラー用はペーパーからの自作です。




上がモハ103、下がモハ102です。クーラーとベンチレーターは仮置きで、明灰白色では明るすぎるのでタミヤの「ミディアムシーグレイ」を吹いてあります。後付けの金属パーツにメタルプライマーを塗り、クーラーランボードの下地処理と整形をしたら塗装準備完了ですが、年内はたぶんここまでになりそうです。






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4 コメント

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ズレと三菱製 (Satokawa)
2016-12-30 20:07:42
追求してますね(笑)
まず三菱製、他社製と取付脚配置が違います。前後均等なんです。これは古いカツミ・エンドウ製品が該当します。最近の製品は大体東芝製がベース、本当にメーカー差異まで拘った製品はホビーメイトオカ製です。ちなみに三菱製の写真が残っているとしたら、南武線の101系冷房車ぐらいです。
で、ズレは取付中心と車体中心のズレを意味しますから、外形寸法としては、お察しの通り1ミリ弱ですね。天賞堂製が正確かどうかは疑わしいです。
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ズレ量訂正 (Satokawa)
2016-12-30 21:57:55
よく図面見たら103系のズレ量は前位側へ70ミリでした(^^;)
訂正します。
返信する
更に.... (Satokawa)
2016-12-30 22:10:12
取付足からのオーバーハングはメーカーにより異なるようです。ウチには日立の図面がありますが、215と380です。ですから、端部で合わせるのではなく、センターで寸法を取る必要がある訳です。取付足センターが車体センターより0.875mm、約1ミリ前位へずらして取り付ければ、クーラーがどこのメーカーであろうと正解になる訳です。ちなみに実車はクーラーは車体と固定関係ではなく、検査ごとに変わっていました。循環検査をしていたのでしょう。
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Re: ズレ×3 (isao)
2016-12-30 23:38:49
ん?本体センターじゃなくて取付足センターが車体センターより1mm弱前になるんですか???もう頭がパンパン(笑)
でも現物でシミュレーションしてみたら、確かにそれが自然ですね。天プラさんのはだいたい合ってそうです。ありがとうございました。
ただ、いろいろ見てるうちに天プラの「いけないところ」を発見してしまいました。クーラーのランボードがど真ん中にきてます!これ正しくは前位寄りというか、取付足センター=ランボードセンターですよね。
これも何でずれてるんだろう?とだいぶ頭をひねった案件なんですが、ランボードの機能(=作業のために人が乗る)を考えたら、取付足と連動してて当たり前だと気付いた次第です。
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