渡辺いさ子のフィオーレな日々

イタリアとサッカーと音楽が大好きな映画&エンタメライター、渡辺いさ子のブログです。

メキシコシティその5 雑感

2010-07-15 03:38:33 | メキシコシティ
今回は私にとって初めての中米、初めてのメキシコ、そして初めての高地でした。
観光にいき、階段を上ったりするといつもより少し早く息があがる。バテ気味なのは時差のせいではなく海抜のせいだったのか!?と、遅ればせで高地にいることを思い出した次第です。
メインの通りには出店がずらっと並び、ブルーレイの海賊版や、絶対サンリオではないキティちゃんグッズとか、パチ物だらけの屋台を見て回るのはなかなか楽しかったです。噂に聞いていた「AKIBA-KEI」という英語版萌え系の雑誌も生まれて初めてホンモノを見ましたし、スペイン語版の「冬のソナタ」DVD(もちろんパチ物)も目撃しました。ヨン様は偉大です…。
また、夜はたくさんのバンドが路上ライブをしていて、ほとんどがラテンミュージック。リクエストにはお金がかかるけれど、見ているだけなら無料。そして正規品のCDも激安です。ラテンの国は音楽で溢れているのがいいですね!
そして旅の楽しみといえば地元の料理!でも、メキシコでは戸惑うことばかり。何故かといえば、食べ物の色や形状と味覚とが、頭の中でうまく繋がらないのですよ~。
例えばだいたい赤い色のソースよりも緑色や白っぽいのソースの方が辛い。アボカドのソースと見せかけて、実は死ぬほど辛かったりもする。大きなピーマンと思って食べたら大きな青唐辛子だったり(もちろん辛い)、きゅうりを刻んだものかと思ったらサボテンだったり、といった具合。
そして、オレンジジュースのグラスの下の方に赤いものが入っていて、何かと思えば大量の唐辛子!さすがに私は飲みませんが、一体甘いものを飲みたいのか、辛いもの飲みたいのか…ええい、はっきりしてくれぃ!(実際は辛いらしい)とにかく毎回、意表をつかれまくりで困りました。
ただ、「モーレ」という鶏肉のチョコレートソース煮は激ウマでした。
チョコレートといえば甘いものという固定観念があると思いますが、これは全然甘くなく、スパイスもかなりいろいろ混ざっているようで、まさに絶品!その横に同じような色のマッシュポテト状態のものが載っているので、こっちもチョコレート?と思いきや、赤豆を潰して付け合せにしたものでした。これはなかなかヘルシーかも!メキシコ料理、機会があればもっといろいろ食べてみたいですねえ。

メキシコシティその4 ルチャリヴレ観戦

2010-07-14 01:12:50 | メキシコシティ
メキシコシティを初めて訪れた私がどうしても見たかったもの、それはメキシコの国民的スポーツ「ルチャ・リヴレ」、プロレスですね!メキシコにもプロレスにも素人の私ですが、空港まで迎えに来てくれたメキシコ人の友人Rに頼み、空港からルチャの会場へと直行しました。
あまり治安が良くない場所にあるという会場周辺はレスラーのマスクなどのお土産を売る出店がぎっしり。さらにはダフ屋も大勢いて、少々怪しい雰囲気です。
チケット売り場は本当に小さく、建物の外壁にチケットとお金をやりとりできるスペースしかない小さ~な窓がついているだけのもの。売り手の顔も見えません。もちろんそこで正規のチケットを買おうと我々はダフ屋をかきわけ、かきわけ進みます。私はちょっと怖かったのですが、しかし、なぜかダフ屋の人は親切に、窓口で買うならこの辺りの席がいい、とか座席表を見ながらいろいろ教えてくれました…。
そして、私たちは一番お客が少なく、見やすくて安全そうなリングサイドの少々後方の席で観戦することにしました。チケット代は日本円で3~4000円くらいだったでしょうか。現金のみでカードは使えません。またカメラは持って入れないとのことで、預けることになります。(内心ビビったのですが、試合後無事にカメラは返ってきました。)
中央のリングから3方に客席が広がるスタジアムは、一番安い上の方からお客さんが埋まっていきます。3階の天井桟敷はサッカーで言えばゴール裏という感じでしょう。また、2階のリング正面にはドラムのような鳴り物を叩く応援団席もありました。
そして歓声の中を、派手な音楽と演出で花道から降りてくるゴージャスなレスラーたち。アクロバティックな空中技が炸裂しまくりです。TAICHI、OKUMURAという名前の日本人レスラーも出場していましたが、こちらでは悪役ですね。中にはゲイのレスラーもいて、ゲイである友人Rがかなり反応していました。
しかし、私が気になったのが、やはりミスティコです。この日の試合はあまり良くなかったようですが、彼にはスターの雰囲気があります。近くの席に座っていたお母さんは、連れの小さい子供そっちのけでミスティコに熱い声援を送っていました。試合の終わり頃にはミスティコのマスクが外れそうなくらいズレていて、最後に花道を歩いて帰るときにはもう半分くらい素顔が見えてる感じでした。覆面レスラーって絶対マスクの下は見せないものだと思ってましたが、結構ゆるいようですね…!?
そして意外にもミスティコの素顔はびっくり優男風?目鼻の周りを見ただけでは、レスラーというよりもフィギュアスケーターといってもいいような…?これって私の目の錯覚でしょうか?
そして、もちろん試合終了後には、ミスティコ・グッズにTシャツなど、たんまり買ってしまいました。ホント、ド素人ですみません。でも楽しかったです。
ちなみにルチャ観戦は観光客用に現地発のツアーも出ていました。

メキシコシティその3 同性同士のタンゴ

2010-07-12 19:51:40 | メキシコシティ
この男性同士で結婚したメキシコ人のRについて簡単にご紹介をしておきます。
建築を学んでいたRはヨーロッパ数カ国に留学、イタリアで現在のパートナーMと知り合います。その後、詳しい事情は聞いていませんが、カップルでアルゼンチンのブエノスアイレスに移り、ここで数年間暮らします。ラテン好きの私は当時「ブエノスアイレスに住んでおきながらタンゴに興味のないヤツとは友達ではない」くらいのことを言い、(つまりは羨ましかっただけなんですが)その言葉がどれだけ彼に響いたかどうかは不明ですが、彼はその後タンゴに興味を示し始め、あれよあれよという間に、「世界初の同性同士によるタンゴをフィーチュアしたミュージカル」(本人談)なんてものを創りだしてしまいました。これがどうやらヒットしたようで、その後も2作、3作と舞台化され、アルゼンチンやメキシコなどで南米で成功を収めているようです。この舞台の模様をフィルムに収めたものもあり、ヨーロッパにはゲイ映画祭などを中心に紹介されています。
そんな彼の結婚披露宴の後半には、タンゴの音楽にあわせて新郎新婦および招待客がタンゴを踊り始めました。もちろん男性女性のカップルで踊る人もいれば、男性同士、女性同士で踊る人もいます。つまりは性別に関係なく踊りたい人同士が踊るというものです。しかし、かなり大勢の人がタンゴを踊れるので「メキシコでは皆タンゴを踊れるものなのか?」と思わず聞いてしまいましたが、もちろんそんなことはないようです。ラテン音楽が好きでもタンゴが踊れない自分にとても歯がゆい思いをしました。そして、タンゴにも踊りつかれた頃、結婚披露宴もフェイドアウト、お開きとなりました。
RとMのカップルは今はイタリアをベースに、自由にヨーロッパとメキシコ、アルゼンチンなど南米を行き来し、お互いの仕事でそれぞれ活躍しています。これはなかなか羨ましいライフスタイルです。イタリア人のMはメキシコで法的に結婚したことを受けて母国イタリアでも何かしら働きかけをしていきたいと言っていましたが、こちらはなかなか簡単ではなさそうとのことでした。

メキシコシティ その2 ゲイの結婚披露宴とマリアッチ

2010-07-09 01:24:08 | メキシコシティ
男性同士のカップル、メキシコ人のRとイタリア人のMは、無事結婚式を済ませた後、市内の老舗レストランの2階を貸し切って披露宴を行いました。
会場には丸テーブルがいくつか置かれていたので、とりあえず私はメキシコ人、ベルギー人、イタリア人の友人と一緒の席に座ります。特にMCがいるわけでもなく、いつの間にか始まっているという感じの披露宴。
スピーチもないので、ひたすらブッフェ形式のメキシカンなゴハンを食べ、お酒および、タマリンド?とかハマイカ?とか中身がよく分からないメヒコなジュースとかスムージーを飲み、他の招待客たちと歓談し(スペイン語、フランス語、イタリア語、英語が飛び交う!)、時々テーブルに回ってくる新郎新婦?と写真を撮っていたりするうちに、ラテン好きな私のお待ちかねの余興、マリアッチがやってきました。(蛇足ながら書いておきますが、マリアッチとはメキシコ独特の音楽であり、楽団の形式で、伝統的な衣装を着てラテンな音楽を演奏します)
ロドリゲスの映画の影響か、なんとなく男ばかりのイメージを持っていたマリアッチでしたが、7人いるメンバーのうちの一人、メインボーカルとバイオリンの担当は女性でした。聞いてみたら女性のマリアッチはまだ少数派だそうです。やはりジェンダーにはこだわりのある彼らの結婚式だからでしょうか。マリアッチは新郎新婦?に向かって熱く5曲程度を歌い上げました。その後は招待客がマリアッチの生演奏をバックに歌を披露したり、踊りだしたり…。宴も絶好調に盛り上がっていくのでした。

メキシコシティ その1 ゲイの結婚式

2010-07-08 02:19:16 | メキシコシティ
少し前ですが、メキシコ人の友人Rの結婚式のためメキシコシティに行きました。
彼はゲイでパートナーはイタリア人のM。メキシコでは3月から同性同士の結婚が法律で許されるようになり、彼らはメキシコ初の「同性同士の国際結婚」でした。
私は「書類にサインをして証明書をもらう」ということ以外、何も分からないまま市民ホールのような場所で行われる結婚式に向かいました。するとなんとそこにおめかしした同性カップルがたくさん!なんと19組の結婚式が合同で行われるのでした。男女比は半々。結婚式に臨むカップルは、おそろいの服を着ている人も多いせいか、なんか皆が揃って「似たもの夫婦」といった感じ。どちらかが男っぽく、どちらかが女っぽいということもありません。
中には人工授精で互いに一人づつ子供を儲けた若い女性同士のカップルや、すでに30年以上を共に過ごして来たという初老の男性同士のカップルなどもいて、人生の奥深さ!?を感じてしまいました。
会場には我々のような新郎新婦?関係者のほかに、マスコミや支援者の団体が押しかけて超満員。ホールの外では延々とテレビのインタビューなど取材が行われていました。我らがRとMのカップルも翌日の新聞にはでかでかと登場しました!