趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
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東武鉄道 熊谷から130円区間ゆき乗車券 ~その2
前回エントリーで東武鉄道熊谷駅から130円区間ゆき大人専用乗車券を御紹介致しましたが、同駅には小児専用券もございましたので御紹介致しましょう。
大人券と同じ、昭和58年5月に秩父鉄道熊谷駅で発行された、130円区間ゆきの小児用片道乗車券です。黄褐色東武鉄道自社地紋のB型金額式小児専用券で、足利印刷で調製されたものと思われます。
東武熊谷線は、JRおよび秩父鉄道熊谷駅から妻沼駅までを結んでいた営業キロ10.1kmの路線で、地元では妻沼(めぬま)線とも呼ばれていたようです。
全線非電化の路線で気動車による運転が行われていましたが、収益が悪く、気動車の運用や保守・点検を行うのは高コストであることから、この券が発売された翌日の昭和58年6月1日に全線が廃止されてしまっています。
熊谷駅は秩父鉄道と共同使用駅となっており、途中の上熊谷駅と石原駅の中間地点の分岐点までは秩父鉄道併用区間となっていました。
これは当初、妻沼方面から来た線路が秩父鉄道線をオーバークロスして南側に平行し、熊谷駅南側に熊谷線のホームを設置する予定であったようですが、軍事上早急に中島飛行機(現・富士重工業)への要員・資材輸送を実現しなければならない路線で工期を短縮する必要があったため、秩父鉄道の複線化用地と熊谷駅ホームを使用して開業したことが、秩父鉄道が駅業務を受託していた理由のようです。
現在も併用区間の線路は残されていますが、踏切の部分はアスファルトで埋められており、本来の秩父鉄道複線化をする気配は感じられません。
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
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あの当時は、国鉄ですが。
>途中の上熊谷駅と石原駅の中間地点の分岐点
>までは秩父鉄道併用区間となっていました。
併用ではなく、熊谷線は独立した線路を使用して
いましたけど。
まず、あの当時は国鉄ですがというご指摘ですが、その通りです。「JRおよび秩父鉄道熊谷駅」と表現致しておりますが、これはあくまでも熊谷駅という駅を説明するだけのものであり、昭和58年当時にJRが存在したとは申し上げておりません。
次に「秩父鉄道併用区間」の記述ですが、「併用」は意味合い的に「兼用」の逆の意味と言えます。兼用が1つのものを2つ以上で(共同で)使うという意味であるのに対し、併用は2つ以上のものを1つとして使用するという意味です。前者は飯田線と名鉄本線の豊橋~平井信号場間のようなものでしょう。
本来であれば秩父鉄道と東武鉄道がそれぞれレールを所有すべきなのですが、この区間は秩父鉄道の複線化予定軌道の片方を東武鉄道が借り受けて併走させている形態であり、2つの鉄道事業者が秩父鉄道1つが所有するレールを使用しているので「併用」と表現しています。
もしかすると「併走」のほうが解り易かったかもしれません。
この区間がこのような形態で運用されてきた経緯は本文中にありますが、最後までそのままの形態で維持されてきたのは、熊谷線の信号閉塞が関係していると考えます。
東武鉄道は全線棒線にすることによって妻沼駅だけでスタフ閉塞を管理することができますが、秩父鉄道と複線の運用にするということは熊谷線の列車を秩父鉄道の自動閉塞の区間に合流させることであり、これを実現するには秩父鉄道の上熊谷駅でもスタフの授受等の運転業務を行わなければならなくなるからです。
途中の大幡駅に交換施設があった時期があるのですが。
何をおっしゃりたいのかわかりませんが、大幡駅が無人化されたのが昭和29年であり、私はその時代を生きていないのでわかりません。貴殿がお幾つの方か存じ上げませんが、恐らく交換可能であった時代を御存知ないかと思います。
前回コメントでは「最後までそのままの形態で維持されてきた」ことを申し上げているのであり、晩年のことで、昭和29年以前のことではありませんね。
そもそも、その当時は秩父鉄道も自動閉塞ではありませんから、区間ごとに信号扱いをしていたわけで、全然次元が違います。