伊佐子のPetit Diary

何についても何の素養もない伊佐子の手前勝手な言いたい放題

和田誠展

2023年05月23日 | 展覧会・絵


イラストレーターであり、グラフィックデザイナーであり、
絵本作家、似顔絵、エッセイスト、アニメーション作家など、
週刊文春の表紙でもおなじみの多岐にわたって活躍した
和田誠さん(1936-2019)の展示会が京都駅・
ジェィアール伊勢丹内7階の「美術館えきKYOTO」で開催されていた。

誰もが知っているなじみ深い膨大な作品があるだろう、と
楽しみにして行って来た。


美術館えきKYOTO
https://kyoto.wjr-isetan.co.jp/museum/

https://kyoto.wjr-isetan.co.jp/museum/exhibition_2305.html
和田誠展
WADA Makoto
会期
2023年5月20日(土)~6月18日(日) ※会期中無休

特設サイト
https://wadamakototen.jp/




この展覧会は岡山県立美術館で開催されたものの巡回のようだ。
和田氏の初めての展覧会だそうだ。
膨大なその仕事ぶりから初めてとは思えないが、
グラフィックデザインやイラストといったどこでも目にするものなので、
あまりにもおなじみすぎて展覧会向きではなかったためかもしれない。

しかし多彩な作品群というだけあって
膨大な仕事の一端を知ることが出来る展示であった。
よくまあこんなに仕事をこなしていたなあというのが感想である。



館内はすべて写真撮影可能だと始めに係の人が教えてくれた。


入り口に入るまでの廊下には館内では展示されていない、
イラストがパネルにして壁にずらりと並んでいた。




歌手や俳優の似顔絵が壁いっぱいに展示されていて
それだけで満足してしまいそうだ。
ビートルズ、マイケル・ジャクソン、プレスリー、
ヒッチコックからオードリー、沢田研二、
なぜか(私の大好きな)
エドガー・アラン・ポーが掲げられているのに感涙(T_T)
黒柳徹子、かまやつひろし、手塚治虫に三島由紀夫など
この壁のパネルを見るだけでも壮観だった。



展示は子供のころの落書き?のような漫画から始まる。
始めは手塚治虫のように少年時代に漫画を描くことから始めたようだ。
説明入りの絵日記のようなものもあり、
手塚と同じように自分で装丁して雑誌のような体裁で作成したものもあり、
始めから才能の片鱗が見える。
手塚もそうだが、のちに絵を職業とする人は子どものころから
手遊びをしていたものなのだなあ、と。



煙草のハイライトのパッケージデザインが
和田氏の仕事だとは知らなかったので驚いた。
そうだったのか…確かに多岐にわたる活躍である。。



本の装丁やレコードジャケット、本の表紙絵、アニメーション、
ポスターなどなど様々なジャンルを手掛けているが、
一目見て和田誠だと分かる個性がはっきりしていて、
独特の温かみと優しさ、ユーモアに溢れている。

誰が見てもあっ、和田誠、というほっこり出来る絵柄だ。
似顔は上手いしよく似ている。
でもただ似ているだけでなく、モデルへの温かいまなざしがある。
和田誠の邪気のない純粋さ、人間性が現れているようである。
ユーモアと言っても嫌味のないもの。
誰もが面白い、楽しい、と思えるものだ。



学生時代の先生の似顔絵によるタイムテーブルはなるほど…
このアイデアはすごい。と同時に似顔が楽しい




「話の特集」や写真誌「写楽」時代にはパロディものも。
毒はあってもなるほどと思わせるユーモアがある。




絵柄はほのぼのしているが、
ウィットに富んでいてセンスがある。



ロートレック風のポールとゴッホ風のジョージ





和田誠の映画好きは有名だ。
映画関連のイラストやポスターも沢山。





「お楽しみはこれからだ」が大好きで、
キネマ旬報の連載を楽しみにしていた。

映画の中の印象的な名セリフを取り出し、
イラストと共にエッセイを書いていて。


読んでいた時はよくセリフを逐一覚えているなあ、と
感心していたが、
昔見た映画の記憶だけで描いていたそうだ…。
なんと…。なんという記憶力の良さ。
私など映画は漫然と見ているだけで終われば
セリフの何一つ覚えていなかったりする(>_<)…





本の装丁も沢山手掛けた。
一目で和田誠だと分かる。
しゃれていて楽しい雰囲気のものばかり。




ロゴデザインも手掛けたようだ。
和田誠のセンスがずば抜けていることが良く分かる。


和田誠独自の字体の展示も。
和田氏らしい活字の数々になるほど、と納得したり。




週刊文春の表紙が壁一面に並べられているコーナーがあり、壮観だ。
これだけの仕事を手抜きせずに毎週こなしていたとは。
どれもセンスが抜群によくて
時には「文春砲」💦の内容にそぐわない格調の高さだ。




「ゴールデン洋画劇場」のタイトルアニメーションも手掛けていた。
そういえばそうだった、となつかしくなった。
あれも和田誠だったんだなあ…と。




家族に対する愛情を感じるものも展示されていた。
奥さんの平野レミは…和田誠からアプローチしたそうだが💦
CDのプロデュースとか本の表紙も手掛けていたり…


和田誠のイラストをもとにした手編みのセーターが
何枚か展示されていた(誰が手編みしたのだろう?レミさん?)


楽しくてセンスあふれる展示に楽しい気持ちでいっぱいになった。
と同時にこれだけの膨大なデザイナーとしての仕事を
こなしていたことに驚くばかりだった。

まごうことなく日本のグラフィックデザインの一端を担い発展させた、
日本の大衆文化を代表する偉大な存在だったことを確認する展覧会だった。






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