伊佐子のPetit Diary

何についても何の素養もない伊佐子の手前勝手な言いたい放題

テレ朝テレビ版ブラックジャック

2024年07月01日 | テレビ
テレビドラマは殆ど見ないが(「ブギウギ」終盤はNHK+で見たが)、
テレビ朝日(ABCテレビ)で放送された「連載50周年記念 ブラックジャック」は
手塚治虫の代表作のドラマ化ということで、
どんなんかな(どんな仕上がりか?)と、恐る恐る見た。


テレビ朝日ドラマプレミアム 連載50周年記念「ブラックジャック」
https://www.tv-asahi.co.jp/bj/

テレ朝POST 高橋一生版「ブラックジャック」
https://post.tv-asahi.co.jp/post-267930/


初めて「ブラックジャック」を知ったのは友人の会話からで、
ブラックジャックは金持ちからは法外な治療費をふんだくるが、
貧乏人にはただで手術をする医者、というのに興味を持ったのが最初だ。
連載から50年も経つのには驚く( ゚Д゚)。そんなに昔だったのかと。
今では手塚治虫の漫画の中で一番好きと言ってもいい漫画だ。






今回のテレ朝のドラマは2時間完結で、
高橋一生がブラックジャックに扮した。

「ブラックジャック」のドラマ化は悉く失敗しているというか、
残念な結果だったような気がして心配だったが、
高橋一生のビジュアルはなかなか良かった。
ピノコも漫画のイメージ通りの可愛らしい姿で演技も上手かった。
舌足らずのピノコ独特の喋り方も完璧だった。






ドラマはとてもダークな作りで、
始めはブラックジャックはものすごくダークな医者で
金のためなら人殺しも容認するような人でなしのように描かれる。
最後に実は・・・という伏線回収があるが、
そのあとのどんでん返し(?)も原作どおり。
皮肉な結末を用意した。


このドラマを見た人の感想でマンガ的すぎる、
医療ドラマとして時代遅れ、というのがあったが、
ちょっと的外れだという気がした。

原作が漫画そのものだし、
原作ではブラックジャックはかなり現実離れした手術も行っている。
馬の脳みそを人間に移植したり、
果ては宇宙人を手術したり。
ピノコからして現実にはありえないロボットのようなキャラクター。
これは手塚が彼独特のイマジネーションで描いたファンタジーでもあるのだ。





それにブラックジャックは医療ドラマではない。
今回のドラマでもそれらしい手術場面が出て来るし、
医者が主人公ではあるけれど、
秋田書店のコミックスのキャッチは「ヒューマンコミックス」と書いてある。
命をめぐる物語であり、
「医者は何のためにあるのか」
「医者が人の命を左右しようなんておこがましいとは思わんかね?」
という問いかけ、
医者が人の命を預かることの意味、
命のはかなさと尊さ、それらを問う硬質ドラマであると思う。


X(Twitter)で炎上?していたのはドクター・キリコを
自殺幇助するキャラクターとして描いた点だ。
ドクター・キリコはブラックジャックと同じような闇の医者で、
安楽死を専門とする(フィクションの)キャラクターだ。
自殺幇助するキャラでは決してない、と猛抗議されていた。

確かにキリコはブラックな医者ではあるが、
彼なりの信念があり、彼なりの筋を通しているのだ。
ある意味でブラックジャックの存在に対立するキャラとして、
ブラックジャックの在り方や医療の在り方を今一度認識させる
大事な役目でもある。

メインストーリーに登場する獅子面病の患者と絡ませるため、
ドクター・キリコを自殺幇助する役目にしたのかもしれない。

獅子面病の患者もドクター・キリコも原作とは違って女性にしているが、
獅子面病患者を女性にしたのは何となく理解できるが、
ドクター・キリコはなぜ女性にしたのだろう。まあ、いいか。


そんなわけで俳優陣の好演もあり、予想外に面白かった。

ヒョウタンツギやアセチレン・ランプ、ばるぼらなど、
手塚マンガのちょっとしたキャラがセリフなどにさりげなく散りばめられていて、
手塚マンガ好きにはにやりと楽しめた。



無料配信(7月14日まで)TVer
https://tver.jp/series/sr8hd50us5






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