伊佐子のPetit Diary

何についても何の素養もない伊佐子の手前勝手な言いたい放題

日越外交50周年と祇園祭

2023年08月31日 | 祇園祭

2023年は日本とベトナムが外交関係樹立50周年の年だそうだ。


7月24日の祇園祭・後祭に巡行する大船鉾の軒下に、
ベトナム製の幕が新しく制作され、飾られることになった、と
祇園祭があった月、7月に京都新聞の記事で見たことがあった。



大船鉾は祇園祭・後祭のしんがりをゆく、後祭では唯一の鉾だ。
後祭に出る山鉾は全11基で、あとはすべて山だ。
大船鉾は長い間休み鉾だったが2014年に復活を遂げ、
依頼、後祭の巡行に参加した。
未だ復興途中であり、屋根の漆塗りや、舳先の竜頭、
装飾などを毎年時間をかけて再興し続けている。
軒下幕の新調もその一環だとは理解していた。




(有料記事だが─)
京都新聞
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1072622
京都・祇園祭の大船鉾にベトナムから「龍の幕」寄贈 
宮廷刺しゅうの技術で表現
2023年7月23日 6:30


…その時はなぜベトナム製の軒下幕なのだろう?
なぜわざわざベトナム製のものを飾ることになったのだろう、と思っていたが、
ベトナム国営放送VOVが
ベトナムとの外交関係樹立50周年を記念した事業として、
祇園祭の幕を作ることになり、
ベトナム人の伝統刺繍作家・ジョイさんに制作の依頼をした、
ということだったらしい。


カンテレ(関西テレビ)ではそのジョイさんと大船鉾に取材をしたようで、
先日特別番組が放送された。

「日本×ベトナム絆の旅 祇園祭がつなぐ異文化交流」
というタイトルの番組だ。


番組自体はカンテレの男性アナウンサーがベトナムへ行き、
そこで案内役のベトナム人の美女モデルマイ・ゴさんと、
ベトナムのグルメや観光名所などを巡り、
観光地の旅番組のような造りではあったが、
ベトナムと日本との古くからの交流を紹介もしていた。


案内役のマイ・ゴさんは大変な美女で、
ベトナムの民族衣装アオザイを着て登場した時は
驚くほど美しかった。
アオザイは世界の民族衣装の中でもトップクラスの美しい衣装だろう。


番組はベトナムとは400年も前から交流があったとか、
祇園祭に関係のないエピソードや現地でのロケもあったが、
大船鉾に使われる龍の文様の軒下幕の制作過程と、
刺繍作家のジョイさんに直接取材しているのが貴重だった。


ジョイさんは日本でいう人間国宝級の人で、
ベトナムで唯一認められた、
皇帝衣装の刺繍をする伝統技法の継承者だそうだ。
博物館に飾られている皇帝衣装の複製も彼の作だという。

皇帝の衣装の真ん中には龍の文様が刺繍されている。
大船鉾の軒下幕が龍の文様なのも、
ジョイさんが龍の刺繍を得意としていたからこその依頼だったように思う。


そのジョイさんが祇園祭・大船鉾の制作中の、
幕の刺繍をしている所を番組はなんと取材していた。

カンテレがあの大船鉾の軒下幕を
ベトナム人が制作していることをあらかじめ知っていたことや、
直接作者に取材していたことも驚いたが、、


大船鉾の巡行当日、
つまり7月24日の祇園祭・後祭の山鉾巡行にも
ジョイさんは来日していて、除幕式にも参加していたのだった。
番組ではその様子もしっかり放送していたし、
巡行当日、大船鉾の巡行を見守るジョイさんにも密着していた。





軒下幕とは、鉾の屋根の下にかかる幕のことである。


巡行当日は案内役の美女・マイ・ゴさんも来日していて、
着物姿でカンテレアナウンサーと宵山や、巡行を楽しんでいた。
カンテレはあらかじめすべてお膳立てしていたのだ。

それでもマイ・ゴさんはもとより、
軒下幕の作者・ジョイさんが山鉾巡行当日、
大船鉾が自分の目の前を通り、
ダイナミックな辻回しをする様子を見て、
自分の作った軒下幕が巨大な鉾を飾り、
ゆらゆら揺られている様子を見て、
感激しているのは、番組の見どころであった。

幕を作った当人が巡行を見ることが出来て、
鉾を飾る装飾を見ることが出来て本当に良かった。



2023年の祇園祭は左足甲を骨折してギプスをしたままだったので、
宵山期間の会所巡りも断念した。
前祭も後祭も行かなかった。

後祭が復活してから後祭の会所巡りをしたことはまだなかったと思う。
後祭には豪華な装飾品で飾られた鯉山が出る。

前祭・後祭が合同巡行していた時には鯉山の会所へ行き、
重要文化財の懸装品、タペストリーを見るのが楽しみだった。
巡行当日は復元新調されたレプリカを掲げて練り歩くので、
本物の重要文化財のタペストリーは会所飾りでしかお目にかかれない。
だから鯉山の会所へ行くのが楽しみだったのだ。


いつかまた、健康になった時、
そして暑さにめげないでいたなら、もう一度鯉山の会所へ行きたい。
それが目下の夢だ。

もちろん復活を遂げた大船鉾もこの目で間近に見てみたい。
そしてベトナム製の幕を直に見てみたい。


(写真は京都新聞より)



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