伊佐子のPetit Diary

何についても何の素養もない伊佐子の手前勝手な言いたい放題

ミュシャ展

2023年03月18日 | 展覧会・絵

アルフォンス・ミュシャの展覧会は何度も行っているが、
それでもまた見たくなる。
装飾性豊かなグラフィックデザインは緻密で華やかで
見るのが楽しいから。


京都駅・ジェイアール伊勢丹内にある
「美術館えきKYOTO」でも過去にミュシャ展を何度も開催していて、
その都度行っていたが、
今回もまたミュシャ展をやるというので行って来た。


美術館えきKYOTO
https://kyoto.wjr-isetan.co.jp/museum/

https://kyoto.wjr-isetan.co.jp/museum/exhibition_2303.html
ミュシャ展
~マルチ・アーティストの先駆者~
Alfons Mucha: Multitalented Artist
2023.2.17 金-3.26 日




2月から開かれていたのでもっと早くに行きたかったが、
あれこれと立て込んでいたので今になった。


館内は最近の展覧会がそうであるように撮影自由で、
全ての作品を写真に撮り放題だった。
「美術館えきKYOTO」はあまり広くない会場だが、
それでも160点くらいの作品が並んでいた。
チェコのチマルという人のチマル・コレクションからのものだそうである。





展覧会はミュシャの代表作であるポスターを中心に、
お菓子や香水のパッケージデザインなどの商品、絵葉書、
本の挿絵、表紙デザイン、お札のデザイン(!)から
素描、油彩画まで、多彩なミュシャの仕事を集めたものだった。





展示の始めからミュシャは
グラフィックデザイナーとしてキャリアを始めたのだと分かる。

いや、そうではなくとも初めからもともとデザインの才能に秀でた人だった。
センスがあるというか、センスに溢れていたというか。
本人は画家になりたかったらしいが、デザインセンスがありすぎて
まっとうな画家としての画業を邪魔したのではないか、
とさえ思えるくらいだ。

でもその溢れるような才能をデザイナーとして
ポスターなり菓子箱なりにいかんなく発揮してくれたことは
我々のちのミュシャの作品を見る者には幸いなことだった。
アールヌーヴォー時代のすぐれた作品を今の時代にも享受できるのだから。



ミュシャはまず挿絵画家としてキャリアをスタートさせた。





その時から画風はすでに定まっていたと言える。
そして様々なもののデザインを手がけた。




絵葉書や蔵書票の展示もあった。
蔵書票(EX LIBRIS)は思わず欲しくなった💦
ミュシャの蔵書票なんて持っていたいではないか…






メニューのデザインもしていた。
宝石のデザイン画も素晴らしかった。
アール・ヌーヴォーの装飾見本もさすがだ。



大女優サラ・ベルナールの「ジスモンダ」のポスターで
ベルナール本人に認められて、それからミュシャの才能が花開いた。



ジスモンダのポスターは巨大で、全体像がカメラに収まらなかった。
発表された当時も大評判で、
ポスターをこっそりはがして持って行く人が続出したそうだ。




ベルナールの代表作「メディア」や「ロレンザッチォ」
「ハムレット」なども展示。
ベルナールの男装姿から彼女の舞台が
さぞや華麗でエモーショナルなものだったかが彷彿とされる。




おなじみのJOB、黄道12宮なども改めて見て、
華麗さにため息が出るほど。
あしらわれている金や銀も劣化がなく煌めいていた。

当時の印刷はリトグラフで、中には木版もあった。
有名なポスター作品は一通り展示されていた。
ミュシャらしい女性をモチーフに曲線を用いた繊細な作品群。





ミュシャが手掛けた商業デザインの
ビスケットやチョコレートの缶は思わず欲しくなる。






香水の瓶やブローチのデザインなども素敵で…欲しくなる。




立体作品も。



お札や有価証券のデザインまで手掛けていたのは有名である。




ミュシャはフリーメイソンの会員だったそうだ。
当時フリーメイソンはそんなに怪しげな団体ではなかった。
フリーメイソンの衣装を身に着けたミュシャの写真や、
フリーメイソンの紋章?などが展示されていた。


デザイン作品の展示のあと、
最後に素描や肖像画、油彩画、写真のコーナーがあった。



もちろん素描は思った通り、大変うまい。
細い線描で緻密で正確に人物を描写している。
とくに白のハイライトの使い方がこなれていて目を惹く。






画家としての基礎をしっかり学んだ人であることはもちろん確かだった。
同じくらいデザインセンスに恵まれていたのが、
ミュシャ本人にとっては幸だったのか不幸だったのか…。


ただ油彩画が伝統的でアカデミックなものなので、
ミュシャの真骨頂と才能はやはり
ポスターなどのグラフィックデザインに最大に生かされていたと思う。


今見ても古さは感じない。
いつ見ても華麗で繊細で細部まで装飾された作品は
今もデザインのお手本と言っていいだろう。

幾度もミュシャの展覧会が開かれ、
評判が途切れないのは、…今も人々を魅了してやまないのは、
その豊かなデザインの才能が
美術史の中でもずば抜けていたからだろう。
ミュシャ本人は画家として認められたかったかもしれないが、
ミュシャに触発されたのちのアーティストは数え切れず、
デザイナーとして残してくれた作品の影響力は計り知れない。






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