伊佐子のPetit Diary

何についても何の素養もない伊佐子の手前勝手な言いたい放題

ジョアンナ・シムカス

2016年09月22日 | 俳優・女優

あのころ、私の中で、ひとりの女神がいた。

それは、ジョアンナ・シムカス。

彼女が私の永遠の女神なのだった。



「スクリーン」でグラビアを飾る彼女の
ヘアスタイルを真似したくて、
一生懸命カーラーを巻いたりしていたんだ。
どうしたらあんなになれるんだろう…

彼女の赤毛はとても美しくカールされていて、
それにひどく憧れていた。

髪をくくったら、少し耳の前にほつれ毛があって、
それすらも憧れだった。

そして、大きな目の美しい顔。




彼女はロベール・アンリコのミューズでもあった。

「冒険者たち」「若草の萌えるころ」「オー!」

初めに見たのは、「若草の萌えるころ」だった。

もうほとんど何も覚えていない…


でも、ロベール・アンリコが彼女を慈しむように、
大事に大事に、彼女のためだけに、
彼女の姿をただフィルムに焼き付けるためだけに、
撮った映画。


ただ一晩、パリの町をさまよい歩く女子大学生の、
それだけの話だったと思う。
たった一晩の出来事。

原題は「ジータおばさん」。
ヒロインの大好きだったおばさんが病に倒れ、危篤状態になる。
彼女は不安にかられ、病院から抜け出し、パリの夜をさまよう。
そこでチェロ弾きの青年と知り合い、彼と結ばれ…
そして少し大人になった彼女。

確か、大学で中国語か日本語を勉強していたような記憶がある。

まるで童話のような映画だった。
ジョアンナ・シムカスを見る、それだけの映画。
青春の多感さを、必ず失われてゆく時を、
映画は永遠に焼き付けておくことが出来るのだ。

彼女はその中で、何もかもが愛おしい存在だった。



もう一つアンリコと獲った「オー!」は、
ベルモンド主演のギャング映画で、
シムカスはベルモンドの恋人役だった。

警察がアジトのようなところに来て、彼女に、
不作法にセーターの上から胸をまさぐる…
そんなシーンがあった。


それでアンリコに嫌気がさしたのだろうか…

ジョアンナ・シムカスはアンリコと別れ、海を渡り、
リズとバートンの映画に付き合ったあと、
アメリカへ行って、シドニー・ポワチエの映画に出た。

そして、黒人のポワチエと恋に落ち、結婚し、
そして映画界からあっさりと引退してしまった。


だから映画作品はとても少ない。

彼女はあっという間に青春の真っただ中で、
いなくなってしまった。



だけど少ない映画作品の中で、たしかに彼女は
圧倒的にそこに存在していた。


「冒険者たち」で彼女は、ロベール・アンリコだけでなく、
映画のミューズになった。

永遠の青春映画、「冒険者たち」、
二人の男から愛されるマドンナ、レティシア。

どちらが好きだったのか…、でもそんなことと関係なく、
宝さがしに夢中になっている3人は、
まるで子供のように無邪気で、
映画も現実離れした、何か夢の世界のようだった。


彼女が死んでしまい、取り残された男二人は、
彼女の遺体に潜水服を着せて、海に沈める。

海に沈んでゆくことで、彼女は永遠の青春のシンボルになった。

なんか、普通の言葉しか浮かばないや…

幻のように、いっときだけ宝石のように輝き、
そして行ってしまった。

まさにその後の彼女そのもの。

引退したことで、彼女はいっそう神秘的な、
映画のミューズとして記憶されることになった。


そんなジョアンナ・シムカスが、私にとっては
ずっと忘れられない、あのころの思い出なのだった。








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COMMENT:
AUTHOR: souboku
DATE: 07/26/2019 11:16:43
映画ブログをいろいろ見ていてこのページに。
ジョアンナ・シムカスが嬉しくてなつかしくて
ついコメントします。
冒険者たちは田舎の高校生にとって衝撃の映画でした。
レティシアのテーマ?だったかのシングルレコードを毎日聴き、
海の底へ沈みたいと思ったり、
イヤあの金属で作ったミニドレスを着るまでは死ねないと思ったり(笑)。
私のアコガレ、ミューズを奪ったポアチエが嫌いになったり、。
でも今でも様々なシムカスファンのブログを見て幸福な女優生命だったと思います。

COMMENT:
AUTHOR: 伊佐子
DATE: 07/26/2019 20:51:30
初めまして。ありがとうございます。

私はリアルタイムで「冒険者たち」は見ていなくて、ビデオかな。
シムカスは主に「スクリーン」誌で憧れていた感じです。

>田舎の高校生にとって衝撃の映画…
でしょうね。。分かります。
男性二人に熱愛されるヒロイン、憧れですよね(笑)
途中で死んでしまうという展開も衝撃でした。
潜水服で沈みたいとは思いませんが(笑)

主題歌はアラン・ドロンでしたね。素敵だった。

>金属で作ったミニドレス
そうそう、あの頃ミニが流行っていて、シムカスは可愛かった。
そしてポワチエさんを恨みましたね、私も。
引退して、幸せだったようですけど。
(souboku様