東京医大被害者遺族ネット

東京医科大学病院で医療被害を受けた患者・遺族の情報交換と相互理解を目的とする任意団体です

死者からの手紙「東京医大カテーテル誤挿入事件」顛末記その8(患者を疑う前に自分を疑いなさい)

2013-08-03 05:37:37 | 寄稿
[emoji:e-108]前回の話(7月24日)を続けましょう。

「患者を疑う前に自分を疑いなさい」
人は過ちをおかすものです。
この●麻酔科医師は肝心の大静脈を外し、中心静脈カテーテルを在らぬところに挿入してしまったのです。

●麻酔科医師は法廷の証人尋問で「挿入時、少し引っかかりを感じたが、経験上、有り得る範囲だった」「バックフローはどちらかというとジワ~と出る感じだったが、別に異常ではなかった」と証言しました。
少し引っかかりを感じたら、その後のバックフローの有無には細心の注意を払うべきでしょう? 大静脈にまともに入っていたら「ジワ~と出た」なんて素人が考えても有り得ませんよ。管の先端を心臓より低いところまで下げたら「圧」で血液が勢い良く出てくるくらい、誰にだって分かりますよ。

医療事故に限らず、先に自分を疑わないため大事故につながるケースはよくあるでしょ?
先日のアシアナ航空の失速事故(SFO)だってパイロットが自分のミスを疑う前に機械の故障を先に想定したようですが、医療現場でも似たようなことはありませんか?
「医療機器の調子が悪いから誤動作しているのでは?」「臨床検査技師が数値を誤って記入したのでは?」「技師が下手だから妙な映像になっているのでは?」「この症状はこの患者だけの特異ケースに違いない」とか・・・・。
でもその前に自分の判断能力を疑ってみることでしょうね。他人の命を預かっているのですから過信はダメです。

「なぜ、見過ごされたのか」
この●麻酔科医師の場合、誰も挿入の現場を見ていないのです。ダブルチェック体制が出来ていないのです。
しかも、手術に予定外の時間を要したので早く切り上げるため、心理的に余裕がなくなり焦った形跡があります。他の医師の手前「ちょっと気になるから経過観察に注意してほしい」とはプライドが許さなかった???この情報は、私の事件を内偵した記者から漏れてきたものです。
焦って早く切り上げようとしたオチャラカタイプで不器用な●麻酔科医師の大失態。
法廷では如何に自分は経験豊富であるかを主張しましたが、回数が多いということは他にも犠牲者が多いという事になりませんか? あなたが関わった他の死亡事故でも思い当りませんか?

自分の体験を後輩に語りなさい」
この事件を契機に東京医大はIVHカテーテル挿入時、必ず複数人が立ち会うこと、レントゲン写真(カテーテルだけで血管は映らない)のみに頼らず、超音波確認が義務付けられることに変わりました。
遅きに失した対策ですが、この●麻酔科医師が[emoji:e-1]麻酔科認定医取得プログラムの講師として壇上に立つのであれば、自分の事例を赤裸々に語ることが最大のメッセージになるでしょう。それとも法廷証と同じように「自分は間違っていなかった」と説くのでしょうか?

今日(8月3日)は私の事故発生日です。(続く)

[emoji:e-1]麻酔科認定医取得プログラム(公開資料)
http://101.dtiblog.com/i/iryoujikonet/file/20130724111121.pdf

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スキャンダルで更迭!?

2013-07-30 20:01:03 | 関連機関動向
http://www.tokyo-med.ac.jp/recruit/20130725-news.html
http://www.tokyo-med.ac.jp/faculty/med/course/course34.html


理事長・学長挨拶、更新

2013-07-30 19:57:00 | 関連機関動向
理事長・学長挨拶が更新(東京医大HP)
補足関連記事


死者からの手紙「東京医大カテーテル誤挿入事件」顛末記その7(反省の色が見えない)

2013-07-24 11:25:14 | 寄稿
[emoji:e-108]前回(4月2日)の話を続けましょう。

「病院に過失はないと主張・・・」
事故直後の家族への説明から裁判の結審に至るまで、東京医大病院は終始「病院に過失はない」と主張し続けました。
司法解剖の結果、中心静脈カテーテル(CV,IVH)が直径数センチもある太い頸部静脈に全く入っていなかったにもかかわらずです。
挿入に失敗した医師は、新宿警察署から東京地検に送致されました。しかし、検察官の取り調べでも、裁判の法廷でも「自分のやり方に誤りはなかった」と主張し続けたのです。この若い医師に対し、おそらく病院側は強い圧力をかけ、問題のJ法律事務所・M弁護士の指南もあったでしょう。弁護士は裁判に勝つこと以外考えない愚かな人物に見えましたからね。和解の落としどころも考えず、闇雲に勝ち負けに突っ走るような弁護士を雇う東京医大は自らの姿をかがみ(M弁護士)に映しているようなものです。

「その後、白い巨塔では・・・」
ところで、この不器用さんの医師は事故後、大学病院でどういう立場にいたのでしょう。
ここに一昨年、東京医大麻酔科で行われた麻酔科認定医取得プログラムの資料(公開)があります。この資料は彼によって作成されたようですね。
事故を起こした医師が過去の事故を反省し、再起をかけて努力して、今の地位にあるのでしたら非難は致しません。件の医師の不器用さはとても改善しそうにはありませんけど・・。
でも、私たちの家族に対する姿勢は法廷で自己主張した言葉「自分のやり方は間違っていない」で終わっているのです。そして病院は彼を取立て、麻酔科の指導的?立場に置いているのです。なにか密約か、抜き差しならない縁故関係でもあるんでしょうか???
[emoji:e-1]麻酔科認定医取得プログラム(公開資料)
http://101.dtiblog.com/i/iryoujikonet/file/20130724111121.pdf

「今も現場で・・・」
この不器用な麻酔科医師は今も山手線沿線に在る某総合病院麻酔科で「日本麻酔科学会認定医・専門医・指導医」と名乗り、医療現場にいるのです。この病院は東京医大の受け皿で、私の事件で経過観察を怠って送致されたもう一人の医師も同病院にいます。もう一人の医師も検察の事情聴取や法廷尋問で同じように「過失はない」と主張。現在に至っているのです。

事故を起こした医師が現場に戻っては困ると言っているのではありません。事故から何を学び、何を反省したか、私の墓前や遺族に腹蔵なく語ってこそ再起の機会が与えられると思うのです。違いますか? 黙っていて「理解してくれ」では心と心は通じませんよ。

今日はこの辺にしておきましょう。(続く)

[emoji:e-84]追伸:私の事故日が近づきました。その日は奇しくも「東京医大メモリアルデー」です。大学は医療安全について何を反省し、何を語るのでしょう。
http://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/news/shimin/20130709.html
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埼玉北部の救急医療態勢が改善へ

2013-07-18 07:32:01 | 報道関連
急患のたらい回しで死亡事件を起こした埼玉県北部の救急医療態勢をNHKニュースウオッチ9などが取り上げましたが、当会らはその報道のあり方について事件の発生要因を正確に取材・報道するようNHKに申し入れ、過日、追加報道がなされました。(既報)

その後、埼玉県北部の救急態勢を見直す動きがあり、今月22日から消防署へ北部の各救急医療病院が受け入れ能力を常時報告し、お互い補間することになりました。今までそのようなことも成されなかったことに関係者の消極さを感じないではありませんが、一歩前進したことは喜ばしいことです。しかし、個人開業医の応援は未だ得られていません。

医師の数を増やすと歯科業界のように共倒れになると反対する動きがあるのなら、せめて個人開業医も当番制で、医師不足に悩む救急医療の一翼を担って欲しいものです。