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(書評) 岸本裕史『ドラえもんの学習シリーズ ドラえもんの算数おもしろ攻略 改訂版 算数まるわかり辞典 4~6年生』(小学館)

2024-08-24 22:54:46 | 評論

   (書評)

岸本裕史『ドラえもんの学習シリーズ ドラえもんの算数おもしろ攻略 改訂版 算数まるわかり辞典 4~6年生』(小学館)

(17)平行四辺形とひし形(p150~151)

方眼紙に平行四辺形のようなものが描かれている。

この四角形の特ちょうは? そう、上と下の辺と、右と左の辺が、それぞれ平行だってことだね。

(p150)

上下は方眼紙の平行線の上に描かれているから、「平行だ」と思える。しかし、左右の辺は平行線の上に描かれていないから、「平行だ」とは言い切れない。

平行四辺形のじょうけん

 (1) 向かい合った2組の辺が、それぞれ平行。

    (2) 向かい合った2組の辺の長さが、それぞれ等しい。

    (3) 向かい合った角の角度が、それぞれ等しい。

(p150)

この三つの「じょうけん」のどれを用いても、提示された四角形が平行四辺形であることを証明できる。ただし、そのためには、それなりの手続きが必要だ。偽ドラえもんの説明は飛躍している。

いろいろな四角形のちがいを、表にまとめてみたよ。

(p151)

ただの羅列だ。丸暗記は大変。

 〈一般的な四角形→台形→等脚台形→平行四辺形→菱形あるいは長方形→正方形〉

こういう流れを示すべきだ。

 

(18)対角線(p152~153)

さらにおかしな話になる。

どんな四角形にも、対角線は2本ある。そして、対角線が必ず垂直に交わる四角形は、ひし形と正方形なんだ。

(p152)

「垂直に交わる」ように見えるだけのことだろう。

「いろいろな四角形の対角線」(p153)の表が出ている。これも羅列。

偽のび太「これを知ってて、何の役に立つの?」

偽ドラえもん「対角線や、151ページの「いろいろな四角形の特ちょう」の表をしっかり頭に入れておくことが、「面積」を早く得意にするひけつなんだ。」

(p153)

どうやって「頭に入れ」るの? 

「「面積」を早く得意にする」は意味不明。

「面積」が「何の役に立つの?」

「ひけつ」だってさ。<否決>じゃないよね。

事を行うのに最も効果が多くて、しかもめったに他人に知らせない法。

(『広辞苑』「秘訣」)

偽ドラえもんは日本語を知らない。

いや、知っててやっているのかな。

入社式を秘儀として行い、共通の目的を遂行するため加入者に一定の守秘義務を課す団体。

(『広辞苑』「秘密結社」

秘密めかすと、説明不足をごまかせる。

霊魂の不死と輪廻(りんね)を信じ、霊魂の救いのためその浄化を説いた。

(『広辞苑』「ピタゴラス学派」)

偽ドラえもんは、ドラえもん学派を作りたいのかもしれない。

(17・18終)


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