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マーケティング研究 他社事例 608 「変化対応力を高める仕組み3」 ~不確実性とリスクを分けて考える~

2020-07-27 14:08:01 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 608 「変化対応力を高める仕組み3」 ~不確実性とリスクを分けて考える~


結論めいた事を言いますが。

不確実なビジネス環境では、変化をセンシング(察知)し、シージング(事業機会の捕捉)し、さらにトランスフォーミング(変容)するという3つを迅速に出来る力が必要です。

これこそが、組織や経営者が現状のまま利益を最大化しようとするのではなく、変化に応じて自己変革し、付加価値を創る力だと言えます。

すなわち、それがダイナミック・ケーパビリティという事です。

とはいえ、経営者は変化に俊敏に対応すると同時に効率も追求しなければなりません。

デビット・ティース教授は経営者が環境変化に俊敏に対応するには、『不確実性』と『リスク』の違いを理解すべきとしています。

「①ビジネス環境の不確実性は、乱世混乱、過当競争といった中で現れる。イノベーションと相互依存関係がそれに拍車をかける。技術革新やビジネスイノベーション、そして政治的イベントが起こす不確実性は、切り抜けるのが難しい。②不確実性とリスクは違う方法で切り抜けるべきだ。リスク対応のツールは不確実性に対応するうえでほとんど役に立たない。例えば金融市場のリスクは、ツールの設計や金融契約、ヘッジなど従来型のリスクマネジメント強化で対処できるが、不確実性には必ずしもできない。③破壊的な変化にさらされた時に企業が最初にすべきは、変化の源がリスクなのか?それとも不確実性なのかを見極めることにある。リスクなら、組織変革によるトレードオフに耐える必要はないかもしれず、ダイナミック・ケーパビリティを使うこともさほど重要ではない」

デビット・ティース教授が言うには、つまり同じ環境変化でもリスクについては、日常的なマネジメントや経営ツールで予測的にシステムで対応し、厄介な不確実性にはダイナミック・ケーパビリティを駆使して立ち向かうという事です。

これが効率的で俊敏な環境対応という訳です。

不確実性とリスクの切り分けに優れた経営者としてデビット・ティース教授は、ソフトバンクグループの孫会長を挙げ『私のヒーロー』とまで言って褒めています。

「例えばソフトバンクグループの孫正義会長が立ち上げたビジョンファンドは、素晴らしいパフォーマンスを上げている。ああした形で、大企業でも創造的に活動することはいくらでも可能だ。孫会長は、バークレーの卒業生だ。私にとっては、アメリカのテスラ創業者であるイーロン・マスク氏に並ぶ、ヒーローのような存在だ。経営者として非常に大胆な意思決定ができるところが素晴らしいと思う。話はそれるが、彼の育ってきた道のりもユニークだ。在日韓国人故に日本では居心地が悪かったようだが、バークレーでは出自など誰も気にしなかっただろう。またバークレーでは、かなり変わった人間にさえ、変と言われるぐらいに考えよう、と背中を押す校風がある。とはいえそもそも発想が貧困だったら、イノベーティブにも起業家的にもなれない。バークレー出身の人間は、孫会長を誇りに思っている。彼の特徴の一つは不確実性への向き合い方だ。彼はいつもあがいている。直感的で特に分析的でもない。が、それこそが不確実性への正しい向き合い方だ。将来に対して分析的になるのは無理だ。マネージャーは常に、新しい発明に対してそろばんをはじき、収益率を極めようとする。実際は、良く分からないものだ。不確実性が高ければ高いほど通常と違うマネジメントスタイルが必要だ。私は、孫会長の経営スタイルが気にいっている。運に恵まれた側面もあるが、ビジョンファンドがあることがプラスに働き、各ビジネスのエコシステムにある重要な要素をまとめ、相互に補っている」

デビット・ティース教授は、一層先行きが国際政治の混乱が、国際的なビジネスにも一段と不確実性をもたらすと懸念しています。

「世界は今、歴史を逆戻りしていると思う、ネオ技術国家主義と呼べるようなものが世界が直面している試練により引き起こされている。冷戦時代、世界はソ連ブロックと西洋ブロックに分かれていたが、似た状態に向かいかねない。報道されているように、中国とアメリカがいわゆるデカップリングを起こしている」

国際的な知的財産保護のルールの下でイノベーション力を構築する国々と、ルールを回避して技術を取得しようとする独裁的な国々との間で発生するガバナンスの祖語は、長く続けば、多国籍企業の戦略も変わらざるを得ないと思われます。

これを、デビット・ティース教授は『バリューチェーンのデカップリング』と呼んでいます。

「このままでは国際経済の『二股のガバナンス』とバリューチェーンの『デカップリング』により世界のシステム同士が協力しなくなる。アメリカは中国からデカップリングしているが、かなりスピードが速い。世界的なイノベーションのネットワークが、再編を求められるだろう」

しかし、デカップリングという不確実性を乗り越えた企業は、新しいステージに向かうのではないでしょうか?

デビット・ティース教授は「アメリカと中国のデカップリングは日本にとってチャンス」と断言しています。

世界が分断され、これまでにない変化が企業を見舞う時代に、ダイナミック・ケーパビリティ理論を生かした組織の『センシング(察知)・シージング(事業機会の捕捉)・トランスフォーミング(変容)』は、今後ますます注目されていくに違いありません。


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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣 

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