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飼い猫の遠吠え

とにかく気持ちは前向きに寝る間を惜しんでほふく前進・・・

品川富士登山

2009-12-09 23:38:56 | 山登りのたしなみ
いよいよ、山行報告・・・と行きたいところですが、どうにもまとめられない今日この頃。
そんな中、日曜日に出掛けた山行をひとつご報告。

この日は、ある目的のため、都内をフラフラと歩き回っておりまして、最終目的地として、たどり着いたのが、この品川神社でした。こちらの品川神社、創建が文治3年(1187年)と大変古く、初代より徳川将軍家の庇護も厚く、明治天皇より「准勅祭神社」(祭礼に際して天皇により勅使が遣わされる神社のこと)に定められるなど由緒正しき神社なのです。
今回は、不思議な狛犬で繋がる縁といった、思いもよらないサプライズもありましたが(前回のブログ)、そんなことで喜んでしまうのは、一部の狛犬マニアだけでしょう。それよりも何よりも、この神社で一番有名なものといえば、なんといっても『品川富士』です。

そう、この神社では、山登りが出来るのです。


・・・と、その紹介の前に、予備知識の勉強をしておきましょう。


<なぜ『品川富士』があるのか?>

『○○富士』といっても、地方の富士山に似ているために名付けられている郷土富士とは異なりまして、もっと小規模なものになります。その説明をする前に、山登りされている皆さんであれば、小判のような形に○○講と書かれた石碑を一度は目にされたことがあると思いますが、『講』という集団をご存知でしょうか。『同一の信仰を持つ人々による結社』という意味になりますが、山岳信仰で言えば、特に修験道が発達した結果、霊峰としていくつかの山々に対して神聖化し崇拝の対象となり、それぞれの山々に対する信仰が講として出来ていったのでした。

修験者が霊山への登山を勧めて全国を廻り、各地に参拝講が作られました。それにならって各地の神社・寺院へ参拝するための数多くの講も作られるようになり、これらの参拝講では、講の全員が参拝に行く「総参り」も行われましたが、多くは講の中から数人を選び、代表して参拝する「代参講」が行われていました。

有名な所で列挙すると、
立山信仰、御嶽信仰、吉野熊野信仰、出羽三山信仰、英彦山信仰、大山信仰(だいせん/鳥取・おおやま/神奈川)、石鎚信仰、日光山信仰、そして富士信仰などがあります。

その中でも、富士山を信仰とした『富士講』に関しては、江戸を中心に大きく発展しましたが、先にあった通り誰もが気軽に行ける訳ではありませんので、その代わりとして、富士山に模して造営された人工の山や塚に登る、もしくはそこから富士山を参拝することによって同様のご利益を得られるようにしたものが『富士塚』でした。今でも富士山の山開きに合わせて富士塚登山が行われたり、山開きのときのみ登ることが出来たりといった事が行われていますが、富士山登山のレジャー化などによる信仰の減少と都心での土地確保の問題もありまして、縮小化傾向となっているのが現状です。

※ この富士講/富士塚の範囲は、関東圏から山梨・静岡・長野までですので、関西以西の方は、ご覧になったことはあまりないかと思います。当時は、東京で100以上、埼玉で300以上あったということです。昔は、うちのご近所にある『富士見』なんて地名の場所からも、富士山が見えたのですよね。




ということで、品川神社入口
北品川という地名にも拘らず、品川からずっと南にあるとは・・・迷うはずです
鳥居に龍が彫られてます、なかなか珍しいですね



前回も散々掲載しましたが、狛犬です
こちらも狛犬ワンダーランドでしたが、なかなかいい作品が多いです



本当に日本人は昔からランキングが好きですね
『新東京百景』に選定されました



こちらは、昭和7年に行われた『新東京八名勝』で第3位を獲得した記念碑



階段の途中からが山登りの始まりです


ここが品川富士の入口



入口脇には、導きの神である猿田彦神社がありました



ちゃんと登山道から、一合目、二合目標識が見えています



意図したものなのか、五合目は踊り場


山頂までは急坂が続きます
しかし、すでに七合目~九合目まで視界に入っています



富士講の碑も富士山型



さぁ、山頂はもうすぐです
まだ1分も経っていませんけどね



そして、ここが品川富士山頂
思ったよりも見晴らしがいいです、うん、気持ちいい
(ちょっと水はけが悪いようで水溜りが出来ていました)



高さ約15m、京急の線路より上ですから結構高いです



下山道は、背面にありました
こちらの方が結構急な気がします



後ろに回ってみると『富士登山道』の表示がありました
小さい丘のようなものですが、何だか登った気分になりました



そんな富士山に埋もれるようにいたのが
ぶじかえるさん



神社のほかの見所といえば・・・
裏に公園がありました



猪木アリ状態のパンダ・・・ではなくて
これは何だか座るのが恥ずかしいです



ヒャハッ!



かごの中の狛犬



子沢山の狛犬と品川神社



品川区指定有形民俗文化財
<品川神社富士塚>
富士塚は、富士信仰の集団、富士講の人々が、富士山の遥拝場所として、あるいは実際の登山に代わる山として造った築山である。
品川神社の富士講は、明治二年(1869)、北品川宿の丸嘉講講中三百人によって造られた。神仏分離政策で一時破壊されたが、明治五年に再築し、大正十一年(1922)第一京浜国道建設の時現在地に移築された。
江戸後期に盛んだった民間信仰を知る上で、たいせつな文化財である。

品川区指定無形民俗文化財
<品川神社富士塚山開き>
毎年七月一日の富士山開きの日に、講員一同が白装束で浅間神社神前で「拝み」を行う。
その後、はだしで富士塚に登り、山頂の遥拝所や小御嶽の祠でも「拝み」をして下山し、社殿にもどってから平服に着替える。
かつては盛んだった行事であるが、現在も行っている富士講はたいへん少ない。




もし、近くにお越しの際には、ちょっと立ち寄ってみてはいかがですか?
特にサイクリングやウォーキングで、品川駅をスタートして『東海道 品川宿』を散歩しながら最終地点として訪問すると言ったコースにすると、江戸の名残を探しながらの散歩が楽しめます。
==
<品川神社>

所在地:東京都品川区北品川3-7-15

御祭神:天比理乃命(あめのひりのめのみこと)、素盞嗚尊(すさのおのみこと)、宇賀之売命(うがのめのみこと)

最寄駅:京浜急行「新馬場(しんばんば)駅」 北口徒歩1分

見所:富士山登山、板垣退助の墓、狛犬
==

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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (cyu2)
2009-12-11 10:03:57
飼い猫さん、こんにちは。
すごい偶然!夕べのブラタモリでやってましたよね?品川神社。
さすが、通じるものがあったんですね~(*^_^*)
でもここに登山道があるとは全く知りませんでした。
楽しい情報、ありがとうございました★
返信する
品川 (かいねこ@帰宅中)
2009-12-11 21:58:05
>cyu2さん

またまた、お越し頂きまして有難う御座います。
ご覧になられましたか~。自分も見てビックリしましたよ。うわっ、スタートが品川神社とは(笑)。先に記事にしておかなかったら、ただのミーハーですから助かりました。ただ、行くなら先に見ておきたかった気もしてます。井戸見たいですし、迷宮入りたいですし。

返信する
Unknown (chamomile)
2009-12-13 16:00:10
久々にコメントさせていただきます。
いつも楽しく拝見させていただいております。
品川神社。
よく京急線から眺めている景色ですが、
この近くを歩いたことはありませんでした。
雪の心配もなさそうですし(笑)、
今度富士登山もしてみたいと思います。
お天気のいい日なら、
品川から歩いても楽しそう。
返信する
年越し初お返事 (かいねこ)
2010-01-01 03:55:44
>chamomileさん

コメント有難う御座います。何とお返事が年を越してしまうとは、いやはや、失礼いたしました。
神社側から眺めてみて始めて知りましたが、京急よりも高かったのですね。これからは、通る度にどなたか登っているかチェックしたくなりそうです。
本物の富士山は、やはり上級者でも難しい山ということが先般の事故でも良く分かりましたから、雪の心配もない富士登山を一度体感いただければと思います。最近、品川宿も注目されていますので、品川駅から歩くのもオススメですよ。
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