To be continued.

                   
アイリスの気ままに紡ぐダイアリー

薬師寺展

2008-05-16 21:19:27 | 美術館・博物館
東京国立博物館で開催中の 国宝 薬師寺展 に行ってきました。

午前中は混んでいるということなので、ゆっくり出掛け、14時10分に到着。
それでも30分待ちです。





「東博」と書かれた日傘がレンタルされていました。



この展覧会の見所は何といっても、日光・月光両菩薩立像(国宝)、聖観音菩薩立像(国宝)の3体。

そして、その見せ方が面白いのです。
光背が外されたお姿での展示、360度どの角度からも見ることが出来ます。
日光・月光菩薩立像は、高い位置からも鑑賞できるように、壇が設けられていました。

菩薩様もさることながら、この展覧会を是非にも見なくてはと思わせたきっかけは、3月30日のテレビ番組「情熱大陸」です。
東京国立博物館の展示デザイナー・木下史青(42歳)氏の仕事ぶりが紹介されていました。
日本初の博物館展示デザイナーで、ブライスコレクション「若冲と江戸絵画」展で一躍脚光を浴びたとのこと。

屏風に直接照明を当てていて、こちらの方が心配になった覚えのある、あの展示です。
照明の当て方で、一日の光の変化を再現するという斬新なものでした。

今回も、モノがモノだけに、大変な苦労があったよう。
でも、とても楽しそうにお仕事されています。

そのおかげで、会場でもあらぬ方向をキョロキョロと!
「この照明はどこから来ているのかな?」とか、「あの時に話されていたのは、これのことね」とか
別の意味でも楽しめる展覧会となりました。

聖観音菩薩立像

若い!! 凛と張り詰めた様子です。
プロポーションが良くて、スクッとした立ち姿が美しい。
こちらもグルッと回って見ることが出来ますが、一番眺めが良いのは真正面からかな。
まっすぐ上に伸びる直線に対して、肩に掛かる髪の毛や衣のヒダの流れるような曲線が柔らかさを添えています。
純真無垢で清らかなお姿に接すると、我が身が恥ずかしくなり、ただただひれ伏すのみです・・・?!

眉間の少し上の位置にあるものは、白毫(びゃくごう)というのですね。
目ではないんだ、白く長い毛が丸まっているのだそう。
光を放っているように見えるのは、照明の効果?
それとも宝石か何かが、はめ込まれているのでしょうか。

日光・月光菩薩立像

まずは、お顔とほぼ正対できる高さからの鑑賞。
顔が大きい!!
先ほどの聖観音菩薩さまと比べると、バランスが悪いなぁー
まさか、後世この高さから見られるとは想定していなかっただろうけど

でも、こちらには大人の余裕、寛容さがあります。
しばし佇んで見入ってしまいました。

下に降りて一周すると、その逞しさと曲線の美しさが良く分かります。
身の丈は、3mを超えている・・・? これが一度の鋳造で作られたなんて凄い。

ちょっと傾いたお姿に、親しみやすさと安心感を覚えます。
壁にもたれて、音声ガイドから流れる「声明」を聞きながら眺めていると、自分が無くなっていくようです。
見飽きることなく、ずいぶん長い間佇んでいました。

音声ガイドのナレーションは市原悦子さん。
例のまったりした声で、分かりやすく説明してくれます。

鑑賞する対象物が二つありますし、上から下からグルッと回ったりと動線も確保されているので、人の流れが停滞しません。
上手い作り方だと感心します。

今後薬師寺を訪れても、この展示方法で見ることは叶わないのですから、貴重な展覧会だと思いました。





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