9才の時、子供向けの雑誌で、タロットカードが付録でした。
強烈に欲しいと感じました。
事実上の保護者(母・養父)は機能しておらず、養父がパチンコ店に行くのについていき、9才の子供が、当時のスロット台に目押し(動体視力だけで絵を合わせること)をして、お金を得ていました。
稼いだ金額のごく一部から、雑誌を買って貰いました。
嫌な話ですが、昔はそのような光景を見て見ぬふりする人々しか居ませんでした。パチンコ店に夜間、子供が入れましたし、賭事で遊んでいても、何も言われませんでした。
初めてのタロットカードは、簡単な22枚(大アルカナといいます)でした。
意味が分かりやすく、スプレッド(並べ方、展開)もすぐに覚えました。
最初に一週間の占いをした時、水曜日に死神のカードが出ました。逆さではなく。
「怪我をするのか…」
と直ぐに思いました。
それは当たり、水曜に、ハサミで指先をバッサリ切る怪我をしました。
友達を占い出すと、当たると言われ、学年単位で噂が広がり、しばらくタロットを休むようになります。それには色々な理由がありますが、占うことが怖くなりました。
疲れてしまう。
辛いことが、先に分かる。
友達に伝えるのが、苦しい。
当たることも怖い。
「黒魔術ではないか」
と年上の子に言われたことも応えました。
違うと感じても、証明の仕方がわかりません。
「呪い」
「魔女」
そんなことも言われました。
いじめというよりは、敬遠でした。
一方で、助けてほしいと来てくれる子も、何人もいました。
母親が働いていた飲食店の内部で、夜間、宿題をして待っていました。
店内の一画がバーになっており、そこで初めて、大人を占い始めました。
大人は、私の占いを責めません。
逆に、沢山褒めてくれました。
それまで、大人から真っ当に褒められたことがなかったので、やっと、微かに、自尊心が生まれました。
あの経験が、今に繋がると思っています。